シマノ、ジロ、スコットをピックアップクラシカルな紐靴に“回帰” ユーロバイクに並んだシューレース仕様の最新シューズ

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 ドイツの南、ボーデン湖の湖畔のフリードリヒスハーフェンで8月31日から9月4日、欧州最大の自転車見本市「ユーロバイク」が行われた。週末にあたる3日、4日は一般客の入場が可能で、来場者は新製品やショーイベントに目を輝かせていた。そんな中、各社のサイクリング向けシューズにみられたトレンドのひとつが、クラシカルな紐靴。ベルクロやダイアル式のシューズに混じって並んだ“古くて新しい”おしゃれな紐靴たちをピックアップする。

クラシカルな趣をもつラインナップ。各社の“古くて新しい”紐靴たちが魅力的だった。写真は右から2足ずつジロの「リパブリック」、「リパブリックLX」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAクラシカルな趣をもつラインナップ。各社の“古くて新しい”紐靴たちが魅力的だった。写真は右から2足ずつジロの「リパブリック」、「リパブリックLX」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

シマノ – 都市でのニーズを意識

シマノの巨大なブース Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAシマノの巨大なブース Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 オープンな雰囲気のシマノの特大ブースに設けられたシューズコーナーで、ひときわ目を引いたのが「RT4」。なんと、アウトドア用途のシューズでは珍しいジャージー素材が用いられていた。男性モデルはグレーで、女性モデルはパープルががったグレー。撥水加工が施されているため、汚れも軽く拭き落とすことができる。

 合成皮革のラインナップも用意されていて、こちらは男性モデルがブラウンで、女性モデルがホワイト。「本革よりもスポーツでの使用に優れた合皮を採用した」という。RT4のいずれのデザインも、靴裏を見なければ一見サイクリング向けシューズとは気づかない。

シマノの「RT4」では、ジャージー素材(左)と合皮モデルを展開 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAシマノの「RT4」では、ジャージー素材(左)と合皮モデルを展開 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「RT4」のカップ部分。「SHIMANO」の文字が入る部分は反射素材 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RT4」のカップ部分。「SHIMANO」の文字が入る部分は反射素材 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「RT4」のつま先部分。ライン状のデザインは反射素材となっている Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RT4」のつま先部分。ライン状のデザインは反射素材となっている Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「RT4」のシューレース下にはパンチングが施されたベロがのぞく Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RT4」のシューレース下にはパンチングが施されたベロがのぞく Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
ジャージー素材の「RT4W」(女性モデル)は男性モデルよりパープルがかったカラー Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAジャージー素材の「RT4W」(女性モデル)は男性モデルよりパープルがかったカラー Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「RT4」のソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RT4」のソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「RT5」はスポーツルックながらもカジュアルな服装に合わせられそう Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RT5」はスポーツルックながらもカジュアルな服装に合わせられそう Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 シューズ・ペダル部門のブランドマネジャー、アレクサンダー・ベトゲ氏(Alexander Bethge)は、「アパレルのランナップもしかり、都市におけるデザインに注目している」とコメント。「都市ではクルマから自転車に乗り換える人も多く、通勤用途のニーズも高まっている。RT4は、デザインにうまく隠れるようにリフレクターを配し、セーフティー面も考慮されている」

「RT5W」(女性モデル)のカラーラインナップ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RT5W」(女性モデル)のカラーラインナップ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「RT5W」の反射素材もデザインに溶け込みおしゃれ。ベルクロのドットは反射素材 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RT5W」の反射素材もデザインに溶け込みおしゃれ。ベルクロのドットは反射素材 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
全体にパンチングが施された「RT5W」。ベルクロから続くラインに隠れ反射素材 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA全体にパンチングが施された「RT5W」。ベルクロから続くラインに隠れ反射素材 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 RT4よりスポーツルックなRT5も、同時に発売(ドイツ国内では9月末発売)。とはいえRT5もガチガチのスポーツモデルの印象はなく、カジュアルな服装に合わせても違和感なく履きこなせそうだ。RT5は男性モデルがマットブルーとブラック、女性モデルがグレーブラウンとホワイトとなっている。

<RT4>
サイズ展開(欧州サイズ): 男性36〜48、女性36〜44
重量: 男性275g(42)、女性254g(40)

<RT5>
サイズ展開(欧州サイズ): 男性36〜48、女性36〜44
重量: 男性300g(42)、女性277g(40)

ジロ – 豊富な紐靴ラインナップ

ジロの新作「ファクター・テックレース」。シューレース、ベルクロ、ダイヤルが融合したシューズだ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAジロの新作「ファクター・テックレース」。シューレース、ベルクロ、ダイヤルが融合したシューズだ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 シューズラインナップが豊富なジロでは、紐靴とともにベルクロ、ダイアル式開閉システムの王道「Boaクロージャーシステム」を併用したモデルがユーロバイクでの“ゴールドウィナー”賞に輝いた。男性モデルが「Factor Techlace」(ファクター・テックレース)で、女性モデルが「Factress Techlace」(ファクトレス・ステックレース)だ。

 ジロがBoaクロージャーシステムを採用した製品を展開するのは、これが初めて。ハイエンドモデルとなるファクター・テックレース、ファクトレス・テックレースでは、開閉ともに1mm間隔で調節可能なダイアル「IP1」が配さている。ひとつ下のランクに位置づけられている男性モデル「Sentrie Techlace」(セントリー・テックレース)、女性モデル「Raes Techlace」(ラース・テックレース)では、閉まる方向にのみ1mm間隔で調整可能なダイアル「L6」が用いられている。

Boaクロージャーシステムを初採用。シューレースの変更システムはユニーク Photo: Aki SCHULTE-KARASAWABoaクロージャーシステムを初採用。シューレースの変更システムはユニーク Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
ベルクロはこの長さだけ。足上部に来るのはシューレース部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAベルクロはこの長さだけ。足上部に来るのはシューレース部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
女性モデルの「ラース・テックレース」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA女性モデルの「ラース・テックレース」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 カラーラインナップは、ファクター・テックレースがブラック、ホワイト/ブラック、ヴァーミリオン/ブラックの3種、ファクトレス・テックレースがホワイト/ブラックのみ。またセントリー・テックレースはブラック、ホワイト、ハイライトイエロー/ブラックで、ラース・テックレースはブラック、ホワイト、ブライトピンク/ブラックとなっている。

 テックレースではベルクロにシューレースを合わせたことにより、ベルクロを配するための金具が足に当たるという不快感を解消。長さが異なるシューレースに通し替えるための機能も搭載されている。ともにドイツ国内では2017年春の発売予定。

男性モデルの「セントリー・テックレース」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA男性モデルの「セントリー・テックレース」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「ラース・テックレース」と「セントリー・テックレース」に採用されているダイアル「L6」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「ラース・テックレース」と「セントリー・テックレース」に採用されているダイアル「L6」 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「ファクター・テックレース」のソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「ファクター・テックレース」のソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「セントリー・テックレース」のソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「セントリー・テックレース」のソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 そのほかジロでは、「Republic」(リパブリック)や「Republic LX」(リパブリックLX)という紐靴モデルをラインナップ。さらに、テックレースにようなベルクロとシューレースの組合せと超軽量カーボンソールを融合させたシューズを、2017年夏以降に販売できるよう進めているという。同シューズは、ジロ史上最軽量150g(サイズ42.5)になる予定だという。

ジロ最軽量として2017年に登場するシューズも参考展示されていた。規定サイズの重量は150gだが、実測で140gと表示されていた Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAジロ最軽量として2017年に登場するシューズも参考展示されていた。規定サイズの重量は150gだが、実測で140gと表示されていた Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
最軽量シューズのソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA最軽量シューズのソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「リパブリックLX」のソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「リパブリックLX」のソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

<ファクター・テックレース>(男性)
サイズ展開(欧州サイズ): 39〜50(0.5刻み)
重量: 210g(42.5)

<セントリー・テックレース>(男性)
サイズ展開(欧州サイズ): 39〜52(0.5刻み)
重量: 245g(42.5)

<ファクトレス・テックレース>(女性)
サイズ展開(欧州サイズ): 36〜43(0.5刻み)
重量: 195g(39)

<ラース・テックレース>(女性)
サイズ展開(欧州サイズ): 36〜43(0.5刻み)
重量: 230g(39)

スコット – レース向けに揃えたラインナップ

スコット「RCレース」のシューレースはハイライトカラー。紐先を入れるループが備わる Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAスコット「RCレース」のシューレースはハイライトカラー。紐先を入れるループが備わる Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 シマノやジロに比べシューズのセレクションが多くはないものの、ロード・MTBシューズ共に1足ずつ紐靴がしっかりと展示されていたのはスコットだ。ドイツ国内でことしの終わりには販売される予定というロード向けの「RC Lace」(RCレース)は、それぞれブラックの本体にイエローのネオンカラーがアクセントとなっていた。MTBモデルと共にブラックのシューレースを配した「真っ黒なカラーもあります」とのことだ。

「RCレース」(下)と、同時に登場したMTBモデル Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RCレース」(下)と、同時に登場したMTBモデル Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 スコットのスタッフはRCレースについて、「流行りの紐靴としながらも、カテゴリーとしてはレース向け」と話す。3つのカテゴリータイプに分類される同社のシューズのうち、RCレースは“レーシングフィット”に当たりコンパクトなシルエットとなる。ソールにはカーボン採用。インソールの裏面には、ベルクロで付け外し可能な調整パーツが付属する。

「RCレース」のインソール Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RCレース」のインソール Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
インソール裏には付け外しできるパーツが付属 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAインソール裏には付け外しできるパーツが付属 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「RCレース」(右)とMTBモデルのソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RCレース」(右)とMTBモデルのソール部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
「RCレース」のカップ部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「RCレース」のカップ部分 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

<RCレース>
サイズ展開(欧州サイズ): 38〜48
重量: 250g

→光ったイノベーション 洗車機から女性思いのビブスまで

シュルテ柄沢亜希シュルテ柄沢 亜希(しゅるて・からさわ・あき)

1982年生まれ、ドイツ在住。東京を拠点に4年間記者生活を送った後、フリーランスへ。書くこと、レポートすることが生きがい。執筆ジャンルは自転車・アウトドアアクティビティ、スポーツ、旅、食、アート、ライフスタイルなど文化全般。幼少期の5年間をドイツ・ハンブルクで過ごしたことがアイデンティティのベースにある。ブログ「ドイツのにほんじん」ほか、多媒体にて執筆中。

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