約60km 圧巻の独走劇ツール・ド・北海道第2ステージは増田成幸が逃げ切り勝利 総合首位に浮上

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
  • 一覧

 9月1日に開幕したツール・ド・北海道(UCIアジアツアー2.2)は、午前に行われた第1ステージに続き、午後から111kmによる第2ステージを実施。今大会最初のラインレースは、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が勝利。50km地点を過ぎたあたりから独走を開始し、そのまま逃げ切ってみせた。同時に、総合リーダーの証であるグリーンジャージも手にしている。

約60kmを独走し逃げ切り勝利を挙げた増田成幸 Photo: Sonoko TANAKA約60kmを独走し逃げ切り勝利を挙げた増田成幸 Photo: Sonoko TANAKA

中間地点を前に増田が独走を開始

 第2ステージは、この日午前の第1ステージ(1km個人タイムトライアル)に続き、午後1時にスタート。111kmとレース距離は短いながらも、前後半1つずつ標高700m級の山岳ポイント(KOM)が控え、終盤を目前に山岳ポイントがつかない上りも待ち受ける難しいコース設定。スピード感のある展開になれば、この日の暑さも相まってサバイバルなレースになることが予想された。

総合首位のグリーンジャージを着用し出走したジョン・アベラストゥリ Photo: Sonoko TANAKA総合首位のグリーンジャージを着用し出走したジョン・アベラストゥリ Photo: Sonoko TANAKA

 総合首位の証であるグリーンジャージを着用するのは、第1ステージを圧倒的なスピードで制したジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO)。山岳をクリアし、集団スプリントに持ち込むことができれば、有利な戦いとなるはずだ。

 レース序盤は逃げ狙いのアタックが頻発。やがて、ダニエル・ボネロ(オーストラリア、セントジョージ・メリダサイクリングチーム)のアタックをきっかけに4人がリードを開始。ここにはダミアン・モニエ(フランス)と西薗良太のブリヂストンアンカーサイクリングチーム勢、さらに増田が加わった。その後西薗がメイン集団へと戻ったほか、4人の追走グループが形成されたが、これもメイン集団にキャッチされた。

“さっぽろ湖”と称される定山渓ダムを通過するプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU“さっぽろ湖”と称される定山渓ダムを通過するプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 先頭の3人は35.5km地点に設けられた1つ目のKOMに到達。ここは増田が1位で通過。そのころ、メイン集団は上りで分裂。前方に位置した選手たちが先を行く3人に追いつき、18人の先頭集団が再形成された。

 1つ目のKOMを越えて下った先、51.4km地点に中間スプリントポイントにあたるホットスポットが設けられた。これを目前に、先頭集団から増田がペースアップ。追走となった集団も15人に絞られ、有力チームの選手はいずれもこの中に含まれる格好となっていた。

コース脇の小学校から児童たちが応援に駆けつけた Photo: Sonoko TANAKAコース脇の小学校から児童たちが応援に駆けつけた Photo: Sonoko TANAKA
NIPPO・ヴィーニファンティーニがコントロールするメイン集団 Photo: Sonoko TANAKANIPPO・ヴィーニファンティーニがコントロールするメイン集団 Photo: Sonoko TANAKA

増田が約60kmを独走 追走は追いきれず

 単独先頭に立った増田は、ホットスポットを1位通過。そのままスピードに乗せ、快調にタイム差を広げる。追走グループに対し、最大2分5秒のリードを築いた。

 増田を捕まえる必要に迫られた追走グループは、以下のメンバー。

ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
ベンジャミン・プラデス(スペイン、チームUKYO)
ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、アイラン・フェルナンデス(同)
トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、ダミアン・モニエ(同)
中根秀登(愛三工業レーシングチーム)
ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)、リカルド・ガルシア(スペイン、同)
鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
吉岡直哉(那須ブラーゼン)
マイケル・シーハン(アメリカ、ジェリベリー p/b マキシス)
ダニエル・ボネロ(オーストラリア、セントジョージ・メリダサイクリングチーム)
マッテオ・バディラッティ(ヴェロクラブ メンドリシオ)、シリル・ティエリー(スイス、同)

 増田と追走グループとのタイム差は2分前後を行ったり来たり。その流れのまま65・4km地点に設けられた2つ目のKOMを迎え、増田が1位で通過した。追走グループではトリビオが脱落。14人がフィニッシュまでに増田に追いつこうとペースアップを試みた。

鮮やかな勝利に、清水裕輔監督(手前)と抱き合って喜ぶ増田成幸 Photo: Sonoko TANAKA鮮やかな勝利に、清水裕輔監督(手前)と抱き合って喜ぶ増田成幸 Photo: Sonoko TANAKA

 だが、増田の勢いは衰えなかった。フィニッシュまで10kmを切ってさすがにタイム差は1分を割ったが、追走グループの牽制もあって大きな貯金を守りきる形となる。

 最後のコーナーを抜け、残りの500mはウイニングランならぬウイニングライド。フィニッシュラインを目前にガッツポーズを見せ、最後は左手人差し指を高々と掲げて勝利をアピールした。

44秒のリードを持って残る2ステージへ

 最終的に増田と2位以下との差は42秒。2位争いは14人のスプリントとなり、モニエが先着。増田のチームメートである鈴木が3位を確保した。

14人による2位争いはダミアン・モニエ(左端)が先着 Photo: Sonoko TANAKA14人による2位争いはダミアン・モニエ(左端)が先着 Photo: Sonoko TANAKA

 リーダージャージで出走したアベラストゥリがトップから6分41秒差のグループでフィニッシュしたことから、増田が総合首位に浮上。グリーンジャージに袖を通すこととなった。総合2位につけたティエリー、同3位のプラデスとは44秒差で翌日の第3ステージを迎える。

 9月2日の第3ステージは、倶知安町ヒラフスキー場前を出発し、周辺6町村をめぐったのちヒラフスキー場前に戻ってくる180kmで争われる。KOMこそ1カ所のみだが、最終局面は上り基調で、ラスト約500mは頂上フィニッシュの趣きも感じさせる難コースだ。また、“蝦夷富士”こと羊蹄山の麓を走る美景コースでもあることから、今大会のハイライトとなる可能性は高い。

総合首位に立った増田成幸。2位に対し44秒のリードを確保した Photo: Sonoko TANAKA総合首位に立った増田成幸。2位に対し44秒のリードを確保した Photo: Sonoko TANAKA
ステージ上位3選手表彰 Photo: Sonoko TANAKAステージ上位3選手表彰 Photo: Sonoko TANAKA
ポイント賞はシリル・ティエリーが手にした Photo: Sonoko TANAKAポイント賞はシリル・ティエリーが手にした Photo: Sonoko TANAKA

ツール・ド・北海道2016第2ステージ(111km)結果
1 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 2時間39分56秒
2 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +42秒
3 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +42秒
4 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +42秒
5 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ) +42秒
6 吉岡直哉(那須ブラーゼン) +42秒
7 中根秀登(愛三工業レーシングチーム) +42秒
8 シリル・ティエリー(スイス、ヴェロクラブ メンドリシオ) +42秒
9 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チームUKYO) +42秒
10 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +42秒

個人総合時間賞
1 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 2時間41分9秒
2 シリル・ティエリー(スイス、ヴェロクラブ メンドリシオ) +44秒
3 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チームUKYO) +44秒
4 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +45秒
5 中根秀登(愛三工業レーシングチーム) +47秒
6 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +47秒
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +47秒
8 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +48秒
9 マイケル・シーハン(アメリカ、ジェリーベリー p/b マキシス) +49秒
10 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ) +50秒

ポイント賞
シリル・ティエリー(スイス、ヴェロクラブ メンドリシオ) 12pts

山岳賞
増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 14pts

チーム総合
1 宇都宮ブリッツェン 8時間11分5秒
2 キナンサイクリングチーム +42秒
3 ヴェロクラブ メンドリシオ +44秒

この記事のタグ

ツール・ド・北海道2016

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

サイクリストTV

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載