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ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第11ステージフルームが5年前の再現、山頂ゴールを制し区間優勝 キンタナ以外を全員振り切る

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージが8月31日に行われ、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が5年前にグランツール初勝利を挙げたペーニャ・カバルガの山頂ゴールを再び制して区間優勝した。総合首位のマイヨロホを着るナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が唯一タイム差なしでゴールし、その座を守っている。日本の別府史之(トレック・セガフレード)は72位、新城幸也(ランプレ・メリダ)は75位でそれぞれゴールした。

複合賞の白いジャージを繰り下がりで着用するクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が、山頂ゴールを制して区間優勝を飾った Photo: Yuzuru SUNADA複合賞の白いジャージを繰り下がりで着用するクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が、山頂ゴールを制して区間優勝を飾った Photo: Yuzuru SUNADA

23人が先行

 最初の休息日から明けて第2週目がスタートしたブエルタ。第11ステージはコルンガ ムセオ・フラシコからペーニャ・カバルガに至る168.6kmで行われた。スタートからゴール手前5.6kmまでは、小さなアップダウンがあるのみの平坦ステージだが、最後の最後で急な上りが待ち構える。

最後の上りを走る新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA最後の上りを走る新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 ゴールまでの平均勾配は9.8%。最大勾配18%が、上り口と残り2kmで現れる。5年前の2011年ブエルタ第16ステージで、フルームがグランツール初勝利を飾った山頂ゴールだ。フルームはこのブエルタで総合2位を獲得し、以来5年間、世界のトップステージレーサーとして活躍し続けている。

 レースはスタート直後から約1時間のアタック合戦の結果、23人の逃げ集団が形成された。メイン集団は大人数の逃げを警戒して大きなタイム差を与えず、リーダーチームのモビスター チームは最大5分差を容認するにとどまった。レース中盤からはティンコフ勢がメイン集団の先頭を固め、徐々にタイム差を縮め始めた。

勝負の上りへ

 両者ともハイペースで進みながら、逃げとメイン集団のタイム差は残り60kmで2分、残り30kmで1分と確実に削られていく。残り6kmでは20秒差と完全に射程圏内に収めたところで、いよいよ最後の上りがスタートした。

 アタック合戦で逃げ集団は一気に人数を減らし、最後まで先頭で粘ったのはベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシングチーム)ただ1人。しかしメイン集団はモビスターが再び先頭でペースアップし、残り3kmを切ったところでついにヘルマンスは捕えられた。

 一度小さな下り区間を経て、最大18%の急勾配区間に再び突入する。ここでアタックしたのは総合4位のヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)。一気に集団から10秒以上の差を付けて独走態勢を築いた。

アタックを仕掛けたチャベス Photo: Yuzuru SUNADAアタックを仕掛けたチャベス Photo: Yuzuru SUNADA

 10人ほどにまで人数を減らしたメイン集団は、レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ)が先頭でペースメイク。続いてポイント賞ジャージを着る総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、フルーム、キンタナ、そしてアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)と総合上位勢が続く。チャベスが単独先頭のまま、ゴールまで残り1kmを通過した。

思い出の地でガッツポーズ

チャベスを追うキンタナら Photo: Yuzuru SUNADAチャベスを追うキンタナら Photo: Yuzuru SUNADA

 残り1kmを切ったところで、メイン集団では首位のキンタナが満を持してアタックを仕掛けた。フルームが反応するが、コンタドールとバルベルデは若干離されてしまう。キンタナは急勾配区間で失速したチャベスを一気にかわして先頭に立ち、これにフルームのみが追いすがる。

 残り500mで今度はフルームがアタックする。キンタナは冷静に反応するが、余裕は見られない。しきりに後ろを気にしながら走るフルームだが、キンタナは前に出ることはせず、フルームに合わせている状態だ。

 先頭3人にボーナスタイムが付くため、タイム差だけでなくゴールの順位も重要となる。残り100mからフルームがスプリントを開始。キンタナは追うがフルームに並ぶことはなく、そのままフルームが先頭で、右拳を高く突き上げてゴールした。第1ステージのチームタイムトライアルでの勝利があるが、個人としては今大会初勝利だ。

総合首位を守ったキンタナ Photo: Yuzuru SUNADA総合首位を守ったキンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

 フルームはボーナスタイムで、キンタナとのタイム差を4秒縮めることに成功。バルベルデが若干遅れたことで、総合2位に浮上した。総合首位の座を守ったキンタナは山岳賞でもトップに立ち、個人総合、山岳賞、複合賞の3賞で首位をキープする。ポイント賞のバルベルデ、さらにチーム総合も含め、現在モビスター勢が各賞全てでトップに立つ強さを見せている。

第11ステージ結果
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 3時間44分47秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +0秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +6秒
4 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +6秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +8秒
6 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +13秒
7 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ プロチーム) +14秒
8 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +19秒
9 ピエールロジェ・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +22秒
10 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシングチーム) +30秒
72 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +5分55秒
75 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +6分1秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 42時間21分48秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +54秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分5秒
4 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +2分34秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +3分8秒
6 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +3分9秒
7 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +3分25秒
8 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分34秒
9 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ) +3分45秒
10 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシングチーム) +3分56秒
90 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +1時間21分44秒
101 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +1時間28分0秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 81 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 62 pts
3 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) 60 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 21 pts
2 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 20 pts
3 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 19 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 4 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 11 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 15 pts

チーム総合
1 モビスター チーム 126時間10分13秒
2 チーム スカイ +4分46秒
3 キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム +7分32秒

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