第5回は「しまなみ」の玄関口で初開催尾道の参道を駆け下りた「レッドブル・ホーリーライド2016」 永田隼也が初優勝

  • 一覧

 エナジードリンクブランドの「レッドブル」が主催するマウンテンバイク(MTB)のダウンヒル大会「Red Bull Holy Ride 2016」(レッドブル・ホーリーライド2016)が8月28日、広島県尾道市で開催された。4人が一度にスタートして競う決勝ファイナルを競り勝った永田隼也(AKI FACTORY/OAKLEY)が、大会初優勝を勝ち取った。 (中尾亮弘)

レッドブル・ホーリーライド2016は、永田隼也(AKI FACTORY/OAKLEY)が初優勝を飾った Photo: Akihiro NAKAOレッドブル・ホーリーライド2016は、永田隼也(AKI FACTORY/OAKLEY)が初優勝を飾った Photo: Akihiro NAKAO

寺から寺へ 急坂と階段を駆け下りる

 レッドブル・ホーリーライドは大会名の通り「ホーリーライド=神聖な道を走る」というコンセプトのもと、神社や寺院の境内からダウンヒルバイクに乗って参道の階段を駆け下りるレース。4人での対戦形式で繰り広げられる熱い戦いに、2010年に行われた初回から常に注目されるイベントだ。5回目の開催地はサイクリストから人気の高い「しまなみ海道」の本州側の起点、尾道市となった。

スタート会場から尾道の街が展望できる Photo: Akihiro NAKAOスタート会場から尾道の街が展望できる Photo: Akihiro NAKAO
古い町並みが残る観光名所 Photo: Akihiro NAKAO古い町並みが残る観光名所 Photo: Akihiro NAKAO

 コースは尾道を展望できる千光寺から、観光名所でもある千光寺新道を経て、麓の宝土寺へと下る全長約1100m。高低差は約100mで最大斜度22度に石階段320段と、民家の軒先を掠める狭いコースレイアウトで、思わず「ここで自転車に乗って下りれるの?」と疑問符がつくほどのエキサイティングなものである。

 2年ぶりの開催とあって150人のエントリー枠は、開始からわずか40分で締め切られるほどの人気ぶり。北は宮城県から南は沖縄県と全国から選手が集まった。レースはまず全ての選手によるタイムトライアルを行い、上位32人が4人ずつの4X(フォークロス)形式のトーナメントレースを、2人勝ち抜き形式で戦っていく。

 レース中は心配された雨もなく、観客は会場に設置された大型ジャンプ台や、大会初となる公道区間の千光寺新道の階段といったポイントに集まり、選手たちが果敢に攻める走りに歓声を上げていた。

巨大テーブルトップには人だかりができた Photo: Akihiro NAKAO巨大テーブルトップには人だかりができた Photo: Akihiro NAKAO
観戦者は間近でレースを観ることができた Photo: Akihiro NAKAO観戦者は間近でレースを観ることができた Photo: Akihiro NAKAO
転倒する選手も多い Photo: Akihiro NAKAO転倒する選手も多い Photo: Akihiro NAKAO

「日本遺産のまち」で自転車新文化に挑戦

平谷祐宏・尾道市長 Photo: Akihiro NAKAO平谷祐宏・尾道市長 Photo: Akihiro NAKAO

 尾道市は昨年「日本遺産」に認定され、しまなみ海道でサイクリストが国内外かも多く訪れるようになり、観光都市として脚光を浴びている。今回コースに使用された千光寺新道は、作家の志賀直哉が住んだ志賀直哉旧居があり、尾道にゆかりのある日本文学に思いを馳せることができる文学記念室がある。

 平谷祐宏・尾道市長は初開催に至った経緯を、「(尾道の)ロケーションを見ていただいて、レッドブルの関係者の方がこの地を選んでいただことです。あと公道を使うということで地元の人の理解がないとできません。理解をいただき開催に至るという流れでした」と語る。

 「尾道水道という中世から紡いできた箱庭的都市の中心を走り、この大会を行うことで、世界へメディアを使って尾道が発信され、街の景観が映し出されることが大きいです」と大会の意義を語る平谷市長。これまで尾道でのサイクルスポーツはロードバイクやクロスバイクが中心だったが、「今回新しくMTBが加わり、石段も走れるという新しい自転車文化にチャレンジできる」と語り、自転車での地域振興をさらに進める考えを示した。

千光寺で大会の成功を祈願する Photo: Akihiro NAKAO千光寺で大会の成功を祈願する Photo: Akihiro NAKAO
会場でレースを観戦していたリオデジャネイロ・オリンピックBMX代表の長迫吉拓さん Photo: Akihiro NAKAO会場でレースを観戦していたリオデジャネイロ・オリンピックBMX代表の長迫吉拓さん Photo: Akihiro NAKAO

永田隼也がベテラン井手川直樹に競り勝つ

決勝レースは4人での対戦形式 Photo: Akihiro NAKAO決勝レースは4人での対戦形式 Photo: Akihiro NAKAO

 予選トップ通過は、前回の優勝者で広島県出身のベテラン井手川直樹。予選2位の安達靖(SRAM/LITEC/PRIVATE PARK)を約2秒離す1分35秒689をマークした。トーナメントは安達や過去に優勝経験がある青木卓也(TEAM GIANT)が、早々に破れる波乱の展開となった。決勝レースは井手川とチームメイトである永田隼也との激しいトップ争いとなり、永田が念願の初勝利を勝ち取った。

 初めての優勝となった永田は、「コースが長くてスタートで前に出ても安心できないけど、余裕を持ってレースができました」とレースを振り返った。過去3度の出場では毎回落車でファイナルに残れず、今回は安全に走ることを意識したという。「(レッドブル・ホーリーライドは)とても認知度が高いし、これをきっかけにMTBを知ってほしい。このレースを続けてもらって、盛り上げ役として走れたらと思います。次はディフェンディングチャンプとして守りたい」とアピールした。

階段からテーブルトップへと迫力あるレースが繰り広げられた Photo: Akihiro NAKAO階段からテーブルトップへと迫力あるレースが繰り広げられた Photo: Akihiro NAKAO
決勝までリジッドバイクで上がった増田直樹 Photo: Akihiro NAKAO決勝までリジッドバイクで上がった増田直樹 Photo: Akihiro NAKAO
石畳と階段が続く千光寺新道を駆け下りる Photo: Akihiro NAKAO石畳と階段が続く千光寺新道を駆け下りる Photo: Akihiro NAKAO

 地元レースとして意気込んだ井手川は、「スタートで永田選手に前に出られて、ぶつかるうちに前に出れなくて、最後に勝負をかけましたが、そのまま終わった感じでした」と悔しがる。また前回大会の優勝など、これまで5回中4回で表彰台に上がっているベテランとして、「敷地内から外に出るということで高速コーナーも多いし、変化が多くてこれはこれで新しいと感じ、難しくて楽しかったと思います」と今回の新コースを評価した。

(左から)2位の井手川直樹、1位の永田隼也、3位の鈴木京太 Photo: Akihiro NAKAO(左から)2位の井手川直樹、1位の永田隼也、3位の鈴木京太 Photo: Akihiro NAKAO

■Red Bull Holy Ride 2016
優勝 永田隼也(AKI FACTORY/OAKLEY)
2位 井手川直樹(AKI FACTORY/STRIDER)
3位 鈴木京太(TEAM NARO/rokkoracing)

この記事のタグ

MTBレース ダウンヒル

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載