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ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第8ステージ35歳ラグティンがグランツール初優勝 キンタナが急勾配を独走してマイヨロホ獲得

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージが8月27日に行われ、逃げ集団での争いを制したセルゲイ・ラグティン(ロシア、チーム カチューシャ)がグランツール初優勝を飾った。総合争いではメイン集団から急勾配山頂ゴールで単独抜け出した、ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が首位のマイヨロホを獲得。日本の別府史之(トレック・セガフレード)は84位、新城幸也(ランプレ・メリダ)は104位でそれぞれゴールしている。

ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がメイン集団の単独先頭でゴールして、総合首位のマイヨロホを獲得した Photo: Yuzuru SUNADAナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がメイン集団の単独先頭でゴールして、総合首位のマイヨロホを獲得した Photo: Yuzuru SUNADA

11人の逃げ切りが確実に

 ブエルタは第1週の最後を飾る山頂ゴール3連戦が始まった。初日となる第8ステージはビリャルパンドからラ・カンペローナ バリェ・デ・サベロに至る181.5kmのレース。スタートから残り10km地点までの170kmはほぼ平坦だが、最後に突き抜けるような1級山岳・カンペロナ峠を駆け上ってゴールする。

ゴール直前の別府史之 Photo: Yuzuru SUNADAゴール直前の別府史之 Photo: Yuzuru SUNADA

 カンペロナ峠は最初緩斜面から始まるが、残り5kmで斜度25%の短い急勾配が一度登場し、さらに残り3kmからは20%勾配がゴールまで延々続くという、非常に破壊力のある上りだ。ステージ優勝もさることながら、総合成績争いにおいても非常に注目されるステージとなった。

 レースは序盤10km地点を前に11人の逃げが決まった。総合争いに関係のない選手で構成された逃げは容認され、最初の1時間でメイン集団から6分あまりの差を稼ぎ、その後もタイム差を広げていった。マイヨロホのホンダルウィン・アタプマ(コロンビア)を抱えるBMCレーシングチームが集団をコントロールするものの、差を詰めるほどの動きは見られない。

 残り45kmで10分に達した差は、残り25kmを通過してもそのままで、先行する11人の逃げ切りは確実な情勢となった。

チャンスを待ったラグティンが勝利

 残り10kmを切った緩斜面区間で、先頭グループからジーコ・ワイテンス(ベルギー、チーム ジャイアント・アルペシン)が最初にアタックを仕掛けた。上り口にあるスプリントポイントを先頭通過するが、これを追ったガティス・スムクリス(ラトビア、アスタナ プロチーム)、ホナタン・レストレポ(コロンビア、チーム カチューシャ)がワイテンスを捕らえ、さらにカウンターアタックでレストレポが単独先頭に立った。

 逃げに唯一2人を送り込んだチーム カチューシャは、もう一方のラグティンが後方集団内で力を溜める一方で、レストレポは快調なペースで残り3kmの急勾配区間に先頭で飛び込んだ。道幅が一気に狭くなり、勾配20%という止まりそうな急坂がゴールまで続く。追走集団からはペリグ・ケムヌール(フランス、ディレクトエネルジー)が単独アタックしてレストレポを追いかける。

ゴール直前でアタックしたラグティンが区間優勝を獲得 Photo: Yuzuru SUNADAゴール直前でアタックしたラグティンが区間優勝を獲得 Photo: Yuzuru SUNADA

 レストレポはダンシングを織り交ぜながら先頭を走るが、残り1.5kmでは若干蛇行気味になり苦しい表情。後方集団から一気に差を詰めたピーテル・スライ(ベルギー、エティックス・クイックステップ)、アクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、そしてラグティンとケムヌールが、レストレポに取って代わり先頭に立った。

 残り1kmでケムヌールがアタックするとスライが遅れ、残り400mではドモン、ラグティン、ケムヌールの隊列。慎重に仕掛けどころを測っていたラグティンだが、残り200mでついにアタックを仕掛けると、追いすがるドモンを振り切ってそのまま先頭でゴールに飛び込んだ。「夢がかなった」とゴール後に語ったラグティン。35歳のベテランが嬉しいグランツール初勝利を挙げた。

モビスターが盤石の攻め

 一方メイン集団では、残り10kmを前に徐々に総合勢の位置取り争いが激化していった。スペインチャンピオンのホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム)が強力に集団先頭を牽引し、チームメイトを挟んでエースのキンタナは3番手と、盤石の体制で勝負どころの急勾配区間へと突入していく。

 ライバル勢はアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)はすぐ近くに付けるものの、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は上り口で集団後方に埋没してしまい、急勾配区間序盤では一度集団先頭から遅れてしまうピンチに陥ってしまう。マイヨロホのアタプマもここで脱落し、首位陥落が決定的となった。

 残り2kmでモビスター勢はルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター チーム)が集団先頭を引き、その後ろにキンタナ、さらに第2エースのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が続く完璧な布陣。一度遅れたフルームだが、アシストに引き連れられて集団先頭にまで引き上げられてきた。

独走でゴールを目指すキンタナ Photo: Yuzuru SUNADA独走でゴールを目指すキンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

キンタナがフルームを打ち破ってマイヨロホ

 追い付いたフルームは残り1.5kmで起死回生のアタック。これに反応したのはキンタナ、コンタドールの2人だが、苦しそうなコンタドールは徐々に遅れていく。アタックを仕掛けたフルームもダンシングが多く苦しそうな表情だ。フルームの攻撃に難なく反応したキンタナがここで逆にアタックを仕掛けると、フルームは追随できず、残り1kmでキンタナがメイングループの単独先頭に躍り出た。

キンタナ、フルームから遅れをとったが、ゴール前でフルームを逆転したコンタドール Photo: Yuzuru SUNADAキンタナ、フルームから遅れをとったが、ゴール前でフルームを逆転したコンタドール Photo: Yuzuru SUNADA

 キンタナはスムーズな走りのまま後続を引き離してゴール。続いてキンタナから25秒差でゴールしたのは、なんと前日の落車の包帯が痛々しいコンタドール。さらに8秒遅れてフルーム、バルベルデらが続いた。この結果、キンタナがマイヨロホを奪取。チームメイトのバルベルデが総合2位、フルームが3位という順位となった。前日総合12位だったコンタドールも、7位に順位を上げている。

第8ステージ結果
1 セルゲイ・ラグティン(ロシア、チーム カチューシャ) 4時間9分30秒
2 アクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +10秒
3 ペリグ・ケムヌール(フランス、ディレクトエネルジー) +17秒
4 マッティーア・カッタネオ(イタリア、ランプレ・メリダ) +24秒
5 ピーテル・スライ(ベルギー、エティックス・クイックステップ) +40秒
6 ジャック・イャンスファンレンスブルフ(南アフリカ、ディメンションデータ) +55秒
7 スコット・スウェイツ(イギリス、ボーラ・アルゴン18) +1分11秒
8 ガティス・スムクリス(ラトビア、アスタナ プロチーム) +1分30秒
9 ホナタン・レストレポ(コロンビア、チーム カチューシャ) +1分30秒
10 ロイック・シェトゥ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +1分44秒
84 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +10分49秒
104 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +13分37秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 29時間55分54秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +19秒
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +27秒
4 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +57秒
5 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +1分16秒
6 ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム) +1分36秒
7 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +1分39秒
8 ダニエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム) +1分44秒
9 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) +1分46秒
10 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシングチーム) +1分46秒
99 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +52分38秒
112 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +58分23秒

ポイント賞(プントス)
1 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) 60 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 50 pts
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) 39 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 セルゲイ・ラグティン(ロシア、チーム カチューシャ) 10 pts
2 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、エフデジ) 10 pts
3 ルイスアンヘル・マテ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 9 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 26 pts
2 ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム) 32 pts
3 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター チーム) 64 pts

チーム総合
1 エティックス・クイックステップ 88時間46分40秒
2 モビスター チーム +1分7秒
3 チーム スカイ +4分0秒

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