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ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第6ステージサイモン・イェーツが鮮やかなアタックで独走勝利 総合上位陣に変動なし

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ2016は8月25日、第6ステージが行われ、ラスト4kmでアタックを成功させたサイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)が初のステージ優勝を挙げた。総合首位の証であるマイヨロホは、ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム)がキープしている。別府史之(トレック・セガフレード)は125位、新城幸也(ランプレ・メリダ)は147位と、ともにイェーツから23分1秒差のグルペットでフィニッシュしている。

ラスト4kmからのアタックで第6ステージを制したサイモン・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADAラスト4kmからのアタックで第6ステージを制したサイモン・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

別府が逃げにトライも成功には至らず

 開幕以来、時計回りにめぐってきたスペイン北西部・ガリシア州はこのステージで最後。モンフォルテ・デ・レモスからルイントラ.リベラ・サクラまでの163.2kmのコースは、カテゴリー山岳こそ中盤の2級1カ所のみだが、山岳にカテゴライズされない上りが多く、それらがレース展開にどう影響するかが注目された。

イタリアで起きた大地震に対し、スタートラインで1分間の黙祷が捧げられた Photo: Yuzuru SUNADAイタリアで起きた大地震に対し、スタートラインで1分間の黙祷が捧げられた Photo: Yuzuru SUNADA

 そんなレイアウトこそチャンスとばかりに、スタートから逃げ狙いのアタックが頻発。ここに別府も加わり、一時は約10人のグループで逃げが決まりかけた。しかし、メイン集団がそれを許さず、別府も吸収されてしまった。約1時間の攻防の末、11人がリードを許された。

 とはいえ、マイヨロホを着るアタプマ擁するBMCレーシングチームがメイン集団のペースメイクを担ったことで、先を行く11人とは2分から2分30秒差と、常に射程圏内に捉えながら進行していった。2級山岳の上りが始まると、オリカ・バイクエクスチェンジがその役割を引き受け、いつでも逃げメンバーをキャッチできる態勢をさらに整えた。

スタートに向かう別府史之。序盤は逃げにトライした Photo: Yuzuru SUNADAスタートに向かう別府史之。序盤は逃げにトライした Photo: Yuzuru SUNADA

 一方の逃げグループは、昨年山岳賞を獲得したオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)が上りを利用して抜け出し、独走を開始。頂上付近に設けられたスプリントポイントと山岳ポイントをそれぞれ1位で通過した。

 また、当初フライレらと逃げていたメンバーの中から、マティアス・フランク(スイス、イアム サイクリング)、ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、アンドレイ・ツェイツ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)が追走を試み、残り19kmでフライレに合流。その直後にフランクがカウンターアタックを成功させ、単独で逃げ切りを試みた。

イェーツが一発で勝利を射止める

レース中盤の逃げ集団 Photo: Yuzuru SUNADAレース中盤の逃げ集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 レースが終盤に差し掛かると、メイン集団の主導権をモビスター チームが握り、前を行く選手たちとの差を少しずつ縮めていった。そして、残り5kmを切ったところで、ただ1人逃げていたフランクの姿が見えるとダニエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム)がアタック。これをチェックしたイェーツがすぐにカウンターアタックを仕掛けた。

 残り4kmを切ったところでイェーツがフランクに合流。少し呼吸を整えると、さらにペースを上げてフランクを引き離した。

落車に巻き込まれ、ゴールで救急車を待つバルト・デクレルク Photo: Yuzuru SUNADA落車に巻き込まれ、ゴールで救急車を待つバルト・デクレルク Photo: Yuzuru SUNADA

 イェーツはそのまま勢いに乗り、後続との差をあっという間に20秒近く引き離した。モレノもフランクを捕まえ、さらにメイン集団からベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシングチーム)ら数人が合流。しかし、イェーツには届かない。

 最後までペースを落とすことのなかったイェーツが、そのまま独走でフィニッシュラインを通過。力強いガッツポーズで勝利の瞬間に浸った。

 1992年生まれ、24歳のサイモン・イェーツは、7月のツール・ド・フランスで総合4位に入り、新人賞のマイヨブランを獲得したアダムと双子の兄弟として知られる。今シーズンは3月のパリ~ニース出場時のドーピング検査で、禁止薬物であるテルブタリンの陽性反応を示し、一時レースから離れていた。だが、チームがTUE(治療目的使用に係る除外措置)申請を怠っていたとの主張が認められ、本人には7月11日まで4カ月間の資格停止にとどめられていた。アダムとのツール出場はかなわなかったが、レース復帰以降1勝を挙げ、満を持して臨むブエルタでも好走を続けている。

 勝利にあたっては、チームのエースでもあるヨアンエステバン・チャベス(コロンビア)が「サイモン向けのコースで、ステージ優勝がきっと狙えるはずだ」と背中を押してくれたことを明かし、「私たちは素晴らしい関係にあるし、どうしてもその期待に応えたかった」とレース後に話した。

 トップから20秒後、追走グループに加わっていたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)が2位でフィニッシュ。その他追走メンバーも次々とやってきた。さらに9秒後にメイン集団がフィニッシュラインを通過。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)を筆頭に、総合上位陣はいずれもこの中に含まれている。

 これを受けて、総合上位陣には大きな変動がなく1日を終えることとなった。アタプマが引き続きマイヨロホに袖を通し、次のステージへと向かう。

第6ステージ結果
1 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) 4時間5分0秒
2 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +20秒
3 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +22秒
4 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシングチーム) +22秒
5 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) +22秒
6 ダニエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム) +22秒
7 マティアス・フランク(スイス、イアム サイクリング) +22秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +29秒
9 ロマン・アルディ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +29秒
10 サイモン・クラーク(オーストラリア、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +29秒
125 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +23分1秒
147 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +23分1秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム) 21時間45分21秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +28秒
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +32秒
4 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +38秒
5 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +38秒
6 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシングチーム) +1分7秒
7 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +1分12秒
8 ピーター・ケノー(イギリス、チーム スカイ) +1分14秒
9 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) +1分22秒
10 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +1分28秒
99 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +40分15秒
122 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +47分8秒

ポイント賞(プントス)
1 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) 51 pts
2 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 36 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 34 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、エフデジ) 10 pts
2 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 8 pts
3 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 6 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム) 18 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 20 pts
3 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター チーム) 53 pts

チーム総合
1 モビスター チーム 64時間16分35秒
2 BMCレーシングチーム +53秒
3 キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム +1分9秒

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