積極的な動きで初日には敢闘賞もフランスチームに移籍の與那嶺恵理 初戦は総合7位でUCIポイント獲得

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 全日本女子ロードレース・個人タイムトライアルの2冠女王、與那嶺恵理(ポワトゥー-シャラント・フュテュホスコープ・86)が、チーム移籍初戦となるフランスでのステージレース「トロフィドール・フェミナン」(フランス、8月21~24日、UCI2.2)に出場し、トップから1分1秒差の総合7位で4日間のレースを終えた。

第2ステージでは敢闘賞を獲得し、表彰台に登った與那嶺恵理 Photo: Poitou-Charentes.Futuroscope.86第2ステージでは敢闘賞を獲得し、表彰台に登った與那嶺恵理 Photo: Poitou-Charentes.Futuroscope.86

世界選に向け後半戦がスタート

 リオデジャネイロ五輪後、合宿地のアメリカ・コロラドでしばしオフを過ごしたという與那嶺は、久々のレースに「楽しくレースに臨むことができました」と振り返る。今季のもう一つの目標である、世界選手権個人タイムトライアルでの10位以内獲得に向け、一旦コンディションを底の状態まで落としてからの再スタートだ。

 シーズン後半は戦いの場を本場ヨーロッパに移し、所属するのはフランス唯一の女子UCIチーム。與那嶺はチームについて、「とにかくしっかりと作戦を練ってレースに臨むスタイル。チームオーダーを徹底しながら仕事をする喜びというか、何が評価の対象かはっきりしていますので、安心感もありますね」と好印象を語る。

チームには20歳の個人TT元ジュニア世界チャンピオンや、トラック・スクラッチの元世界チャンピオンが所属。学ぶことが多いという Photo: Poitou-Charentes.Futuroscope.86チームには20歳の個人TT元ジュニア世界チャンピオンや、トラック・スクラッチの元世界チャンピオンが所属。学ぶことが多いという Photo: Poitou-Charentes.Futuroscope.86

 一方で今回総合優勝を果たした強豪ロット・ソウダルと比べると、「チームとしてはもう一段レベルを上げる必要がある」と力の差を率直に認める。今シーズンはチーム唯一の外国人選手となり、與那嶺にかかる期待も大きい。チーム内の公用語はフランス語だが、英語に訳してもらいながらコミュニケーションを取っているという。

 フランスを代表する強豪女子チームのため、予算や装備、設備といった面も潤沢だ。與那嶺が住むアパートも、多くのジュニアエリート選手が合宿所として使用している場所で、設備も新しく快適だという。

 チームの拠点はフランスのスポーツ基地の一角に位置し、すぐ近くに走りやすい農道が広がる。タイムトライアルバイクでの練習も可能だという。「大きいチームに所属したんだなぁという実感があります」と語る與那嶺。フランス国内ではチームへの応援も大きく、注目されていることを感じるという。

 合流初戦となったUCIレースは4日間で5ステージを走るステージレースで、與那嶺のほかにも日本ナショナルチームが欧州遠征で参戦する。

初のフランスで課題も

初日は個人タイムトライアルとロードレースの2レースが行われた Photo: Poitou-Charentes.Futuroscope.86初日は個人タイムトライアルとロードレースの2レースが行われた Photo: Poitou-Charentes.Futuroscope.86

 レースでは国内唯一のUCIチームとして、與那嶺も集団牽引に多く加わったという。初日のロードレースでは積極的に動いて敢闘賞を獲得。第2ステージ以降はエーススプリンターを守りながら攻撃に参加し、横風区間ではチーム全員で攻めて集団を分断したり、スプリントトレインを組むなどの動きに加わった。

 だが最終ステージでは苦い経験もした。前日まで総合2位につけるエースを抱えるなか、当日のミーティングで「今日はエリが狙え」と指示を受けた。残り約10kmから集団を活性化させ、4人の逃げを成功させたが、このなかに総合上位の選手が入ってしまったのだ。そのまま逃げを決める動きを続けた與那嶺らは集団から7秒差で逃げ切り、與那嶺はステージ4位でゴールしたが、この動きによりチームのエースが、総合2位から4位に最終順位を落とす結果となってしまった。

 当然、エースはカンカン。作戦変更はフランス語で伝えられたものの、UCI2クラスのレースで無線がなく、英訳も間に合わず與那嶺自身には伝わっていなかった。與那嶺も強豪チームの選手を把握しておらず、大きな失敗につながってしまった。コミュニケーションの問題から與那嶺自身は、早くフランス語を習得する必要性を強く感じたという。

今季UCIランキング80位が目標

 8月は続いて26日にフランスカップ、翌27日に女子ワールドツアーの「GPプルエイ」に出場する。與那嶺は「コンディションも上がり始めていますので、チームに貢献し、少しでもUCIポイントを獲得できるよう楽しみます」と抱負を語っている。初戦では課題を残したものの、チームのGMや監督からは高い評価を得られているという。

 8月21日時点の與那嶺の女子UCIランキングは、日本人最上位の108位につけており、これをシーズン終了時には80位まで上げたいと目標を語っている。

■Trophée d’Or Féminin 個人総合成績
1 エリーズ・デルゼンヌ(フランス、ロット・ソウダル・レディース) 10時間29分40秒
2 クラウディア・リヒテンベルグ(ドイツ、ロット・ソウダル・レディース) +31秒
3 デイヴァ・タスレイト(リトアニア、インパ・ビアンキ) +37秒
7 與那嶺恵理(ポワトゥー-シャラント・フュテュホスコープ・86) +1分01秒
29 坂口聖香(日本ナショナルチーム) +3分37秒
30 上野みなみ(日本ナショナルチーム) +3分50秒
42 梶原悠未(日本ナショナルチーム) +12分27秒
58 吉川美穂(日本ナショナルチーム) +19分30秒
63 合田祐美子(日本ナショナルチーム) +23分17秒
70 牧瀬翼(日本ナショナルチーム) +29分10秒

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