ロサンゼルスでインタビューFELT創業者のジム・フェルト氏が語った、新型バイクとプロチームサポートの意義

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 アメリカ・カリフォルニアに本社を置く「FELT」(フェルト)が新型レーシングロードバイク「FR」シリーズと、マルチロードバイク「VR」シリーズのメディアローンチをロサンゼルスで開催した。フェルトが用いた技術が解説され、会場近くの本社では開発現場を取材することができた。創業者のジム・フェルト氏のインタビューと共にレポートする。

創業者のジム・フェルト氏 Photo: Shusaku MATSUO創業者のジム・フェルト氏 Photo: Shusaku MATSUO

100%カリフォルニアメイド

「全てのカテゴリーで常にベストを出せるよう考えた製品開発を行っている」と述べるジム・フェルト氏 Photo: Shusaku MATSUO「全てのカテゴリーで常にベストを出せるよう考えた製品開発を行っている」と述べるジム・フェルト氏 Photo: Shusaku MATSUO

 フェルト氏とのインタビュー取材に臨んだ記者は、まず「なぜ本社や開発拠点がカリフォルニアなのにドイツブランドなのか」と質問した。フェルト氏は「ロードバイクは“ヨーロピアンブランド”のほうが人気があります。日本でもそうでしょ? だからドイツで創業しました」と回答。また「プロダクトデザインやエンジニアリングは100%、ここカリフォルニアで行っています」と続けた。
 

 フェルト氏によると、新しく登場したアドベンチャーロードの「VR」シリーズは、アメリカ中部の牧場地帯を自由に走ることをヒントに生まれたという。「ロードバイクといえば『整備された道を、速く走らなくてはいけない』と思い込み、疲れている人も多いのではないでしょうか。VRは牧場が並ぶ田舎道で、あえてわき道にそれてショートカットしたり、悪路を楽しんでみたりするバイクで、アドベンチャーロードという全く新しいカテゴリーです」と話し、「日本の皆さんも“ノーリミッツ”なVRでエンジョイして欲しい」と訴えかけた。

サポートはフィロソフィーを重視

 一方、リアルレーシングロードの「FR」や、リオデジャネイロ五輪で自転車トラックレース女子アメリカ代表が使用した「TA FRD」についても言及。プロチームや最高峰のカテゴリーを走る選手の意見を開発に生かしていることを明かした。そして、「我々は競技力の高いバイクを提供し続ける姿勢は変わりません。そのために契約を結ぶチームと良いパートナーシップを築き、開発を続けてきました。アルゴス・シマノやガーミン・シャープなどがそうです」とチームとブランドとの関わりについて語り始めた。

バンク内の空気抵抗値を考慮し、車体左側にギアがついた「TA FRD」 Photo: Shusaku MATSUOバンク内の空気抵抗値を考慮し、車体左側にギアがついた「TA FRD」 Photo: Shusaku MATSUO

 「もともとUCIプロチームは資金が幾分潤沢でした。しかし、ここ数年のタイトルスポンサーが捻出する活動費は減る一方です。今年は特にひどい状況ですね。チームは資金を欲しています。バイクと資金を存分に提供し、プロモーションをかけているメーカーを、チームが頼らざるを得ない状況ともいえるでしょう。アルゴス・シマノ時代、フェルトからその他のメーカーへと変わったのはそういう理由があったからです」

プロのレースで磨かれた「FR」 ©FELTプロのレースで磨かれた「FR」 ©FELT

 「しかし、私たちは“バイクとお金をただ提供して終わり”ということはありません。大きなチームでなくても複数年契約を結び、ステップアップする過程をサポートしていくというフィロソフィーが根底にあります。また、フェルトは成長する可能性があるチームを見つけ出すことに長けています。現在は往年の選手、ジョージ・ヒンカピーが率いるコンチネンタルチームと共に成長している最中で、彼らはツアー・オブ・カリフォルニアに出場するなど活躍を見せています」と語り、「情熱がなければサポートしない」とフェルト氏は強調した。

 ロードバイクだけでなく、トライアスロン、トラック、マウンテンバイクなど多くのカテゴリーのラインナップがあるフェルト。ただ、商品展開を広げるだけでなく、一つ一つにストーリーと展望があっての製品が送り出されていることが取材を通して明らかになった。

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