新製品情報ミシュランが自転車ブランド「ヴェロ・ミシュラン」を立ち上げ 200台限定で来春発売

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 日本ミシュランタイヤは10月24日、国内向けの高級自転車ブランド「ヴェロ・ミシュラン」を新たに立ち上げ、第1弾のシティサイクル「Paris-Brest」(パリ・ブレスト)を2013年3月から200台限定で発売すると発表した。価格は税込9万9750円。

「パリ・ブレスト」は、ミシュランが新たに展開する自転車ブランド「ヴェロ・ミシュラン」の第1弾商品だ「パリ・ブレスト」は、ミシュランが新たに展開する自転車ブランド「ヴェロ・ミシュラン」の第1弾商品だ

 オーダーメードフレーム「LEVEL」(レベル)のブランドで知られるフレームビルダー、松田志行氏が設計。フレーム素材には、スポーツカーやオートバイにも用いられる英レイノルズ製の特注パイプを使い、「乗り味の楽しさにこだわった本物のシティサイクル」(松田氏)に作り上げたという。

日本ミシュランタイヤ社長:ベルナール・デルマス氏(右)と、日直商会社長:日向八郎氏(左)日本ミシュランタイヤ社長:ベルナール・デルマス氏(右)と、日直商会社長:日向八郎氏(左)

 衣料品や雑貨などを扱う仏ミシュランの子会社「ミシュラン・ライフスタイル」の製品として、長年ミシュランの自転車用タイヤを取り扱ってきた自転車専門商社の「日直商会」がライセンス生産・販売する。

 ミシュランはタイヤがもたらす「移動する楽しみ」を伝えるために、さまざまな関連事業を展開しており、レストランを紹介・評価する「ミシュランガイド」はその代表例として知られている。今回のようなブランドライセンス商品は世界85か国以上で展開しており、商品開発から設計、製造にいたるまであらゆる面でライセンシーと協力し、顧客にユニークな価値を提供できるよう、またミシュラン固有のブランド価値と理念を広く周知されるよう務めているという。

“職人”が設計した、こだわりの自転車

設計を担当したフレームビルダーの松田志行氏設計を担当したフレームビルダーの松田志行氏

 一般にこうしたライセンス商品は、すでに出来上がっている製品に、ブランドのロゴを付けるだけで作られる場合も少なくない。しかし今回のパリ・ブレストは、松田氏を設計者に迎え、まったくのゼロから作られている。松田氏は設計に際して、自転車の乗り心地を左右する要素である“フレームの寸法、強度、精度”にこだわったといい、職人の香りが感じられる自転車に仕上がった。

 フレームのデザインは、トップチューブとシートステーが前後一直線につながって見える部分が目を引く。極太のトップチューブはヘッド付近で縦につぶし加工がなされており、パイプの太さの変化も一直線につながるようになっている。一方ダウンチューブにはチェーンステーで使われる細身のパイプを2本つなげて使用し、デザイン上のアクセントとなっている。しなやかな見た目だが強度も十分あり、JIS規格はもちろんのこと、その約3倍の厳しさというヨーロッパのEN規格もクリアしている。

フロント下からフレームを見る。2本パイプのダウンチューブがよく分かるフロント下からフレームを見る。2本パイプのダウンチューブがよく分かる
シートステーの接合部。レイノルズのブランドステッカーが誇らしげに貼られるシートステーの接合部。レイノルズのブランドステッカーが誇らしげに貼られる
ヴェロ・ミシュランのヘッドバッジが取り付けられる。羽の生えたビバンダムヴェロ・ミシュランのヘッドバッジが取り付けられる。羽の生えたビバンダム

 取り付けられるパーツも十分に吟味されており、シルバーのディープリム、亀甲タイプの泥除けなど、落ち着いた雰囲気の選択がなされている。ミシュランのロゴやヘッドバッジもクラシカルなものだ。一方、ドライブトレーンにはシマノ・ネクサスの内装5段変速タイプを採用。最新のユニットで快適な走行性能を実現した。

 タイヤは700x28Cで、もちろんミシュラン製。「Pilot Sport」(パイロットスポーツ)はシティサイクリング用タイヤの中では最高グレードのモデルで、パンク防止テクノロジー「PROTEK HD」が使用されている。HDとは「High Density=高密度」の意味で、パンク防止素材を高密度でタイヤに織り込むことで、より高い耐パンク性を実現している。

 ライトやカゴは標準では装備されないが、ライト取り付け用のダボ小物がフォークに溶接されており、またカゴはステーを追加することで取り付けが可能だという。

インプレッション:“本物のシティサイクル”の乗り味を体感

実際に試乗して乗り心地を体感した実際に試乗して乗り心地を体感した

 発表会では実車に試乗する時間も設けられた。サドルにまたがる前にバイクを持ち上げてみたが、それほど軽いというわけではない(重くもない)。しかしペダルを踏み込んで、独特の感覚に驚かされた。乗車姿勢としては普段乗るシティサイクルと大差ないが、その乗り味といったら全くの別次元だ。

 まずカッチリとして軸がぶれないことに感動。設計者の松田氏も「芯出しにこだわった」と話していたが、走ってみるとそれを実感することができた。しっかりとした加速の一方で乗り心地は柔らかく、路面からの衝撃も非常にソフトに伝わる。数時間単位の本格的なサイクリングも、十分快適にこなせそうだ。

 700Cのホイールを採用したことで、路上での安定性も高い。ミシュランタイヤの乗り心地も上々だ。ギアは5段。シティユースには必要にして十分な段数となっている。決められた試乗コースはあっという間に終わってしまったが、そのままもっと遠くまで走りに行きたい気分が強くなり、試乗を終えるのが残念だった。

 乗り終えてみて、“本物のシティサイクル”という言葉の意味を考えさせられた。発表会では昨今のシティサイクルにおいて「価格とデザインが最優先」されることへのアンチテーゼ的な話もなされていた。こうした確かな価値のあるバイクが、ミシュランのブランドを介することで比較的廉価に手に入るようになるということは、非常に歓迎すべきことだろう。

 安くない? いえいえ、こんなバイク、10万円じゃなかなか手に入りませんよ。

(米山一輝)

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