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ロサンゼルスの渓谷でテストライドフェルトがマルチロード「VR」シリーズを発表 コースを選ばない自由な走破性能

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ドイツのバイクブランド「FELT」(フェルト)から、シチュエーションを選ばないマルチロードバイクの「VR」シリーズが新たに発表された。前作「Z」シリーズを踏襲し、アップライトなポジションながら、ディスクブレーキと太いタイヤを装着して走破性をアップ。新しいコンセプトのロードバイクを、メディアローンチが行われたアメリカ・ロサンゼルスの渓谷で確かめた。

フェルト「VR」 ©FELTフェルト「VR」 ©FELT

ディスク化による恩恵を生かしたフレーム

メディアローンチに並んだ「VR」 ©FELTメディアローンチに並んだ「VR」 ©FELT

 VR最大の特徴は前後に備えたディスクブレーキだ。天候を選ばず、油圧であれば軽い力で最大限のコントロール性能を発揮することができる。フラットマウント規格で、リアエンド付近の形状は扁平されている。スルーアクスルを採用し、ねじれ剛性が上がっていることも頼りになる。

 また、BB386の幅が広いボトムブラケットを採用。これはロードバイクの中では比較的太いタイヤの取り付けを想定しているからだ。左右のチェーンステー間が広くなり、国際標準化機構の基準では30mm、実際に装着可能なタイヤ幅は35Cまで取り付け可能になっている。

ディスクブレーキのストッピングパワーを考慮して設計されたステー Photo: Shusaku MATSUOディスクブレーキのストッピングパワーを考慮して設計されたステー Photo: Shusaku MATSUO
ヘッドチューブはFEAによりねじれ剛性向上を図って設計 Photo: Shusaku MATSUOヘッドチューブはFEAによりねじれ剛性向上を図って設計 Photo: Shusaku MATSUO

 ディスクブレーキになり、キャリパーを取り付ける必要がなくなったシートステーは設計の自由度が増加。トップチューブから流れるようなデザインのシートステーは有限要素解析(FEA)によって導き出され、振動吸収性を垂直方向に12%向上させたという。荒れた路面でのトラクションと、ライダーへの疲労軽減に貢献する。

 Zシリーズから引き継いだアップライトなポジションであり、一見するとダートに振ったバイクかと思ったが、創業者のジム・フェルト氏は「あくまでもロードバイクです。ロードバイクの俊敏性を失うことなく、誰でもどこでも楽しめるバイクを作りました。それがVRです」と話し、全く新しいコンセプトだと説明した。

 VRの開発を担当したブライアン・ノーベル氏は「コントロール性能を重視してアップライトにしていますが、ロードバイクの基本的なジオメトリーで設計しています。ショートホイールベースで気持ちの良い加速を実現しており、オンロードでももちろん楽しめます」と話し、「まさにマルチロードバイクです」と強調した。

「必ずエンジョイできるよ」とVRを持ち話したジム・フェルト氏 Photo: Shusaku MATSUO「必ずエンジョイできるよ」とVRを持ち話したジム・フェルト氏 Photo: Shusaku MATSUO

オンロードでも優れた走破性

 記者はレーサーとしてロードバイクに乗ってきた経験はあるが、ダート走行には不慣れ。渓谷沿いの「未舗装路区間を走る」と聞き若干の不安はあったが、フェルト氏の「必ずエンジョイできるはず」の言葉を信じ、VRに跨りロサンゼルスの郊外を走り始めた。

慣れない未舗装路も「楽しい」と感じさせた ©FELT慣れない未舗装路も「楽しい」と感じさせた ©FELT
ロサンゼルス郊外の渓谷へと向かった ©FELTロサンゼルス郊外の渓谷へと向かった ©FELT

 渓谷までの区間はアップダウンが連続するオンロード。記者の基準はロードバイクであり、太いタイヤを履かせたバイクはもっとゆったりとした乗り味かと思ったが、想像以上にキビキビと走る。アメリカの荒れた路面や大きめのグレーチングでも気にならない。

 ディスクブレーキもフレームとマッチして一体感があるフィーリングだ。ダイナミックな下りでは車並みのスピードが出たが、一気にブレーキングをしてもフレームが粘り、安全に速度を落としてくれる。握力はさほど必要ないこともロングライドに適しているだろう。

道中のオンロード区間では体力を使うことなく快適に走行 ©FELT道中のオンロード区間では体力を使うことなく快適に走行 ©FELT
走り慣れない未舗装路区間に、走行前は些か不安だった ©FELT走り慣れない未舗装路区間に、走行前は些か不安だった ©FELT

肩の力を抜いて楽しめる

 いよいよ未舗装路区間に入ると、慣れない挙動に悪戦苦闘。しかし、とても面白い。アップライトなポジションで、タイヤが滑ってもコントロールが容易だった。タイヤが路面を掴んでいることもわかりやすいので、記者のようなダートビギナーでもバイクを前に進ませやすいだろう。

 速度を抑えるため、ブレーキを引きずる機会も多かったが、ディスクブレーキが効果を発揮して腕に疲れを感じなかった。キャリパーブレーキであれば緊張により疲れて握力がなくなっていたはずだ。

一踏みごとにトラクションを感じることができた ©FELT一踏みごとにトラクションを感じることができた ©FELT

 VRを一言で表すと「肩の力を抜いて、ライドを純粋に楽しむバイク」だ。極端なトップスピードや悪路の走破性を求めているわけでは決してない。サイクリングロードでも、山道でもどこでも楽しめる。

トップチューブ上にはボトルケージ規格のボルト穴があり、フェンダーなどと合わせて拡張が可能 Photo: Shusaku MATSUOトップチューブ上にはボトルケージ規格のボルト穴があり、フェンダーなどと合わせて拡張が可能 Photo: Shusaku MATSUO

 通勤に使ってもいいだろう。フレームにはフェンダーやバッグの取り付けが想定されたボルト穴がいくつもある。スリック、ブロックパターンといったタイヤも自分好みにカスタマイズすることも可能だ。

 ドイツブランドでありながら、開発はロサンゼルスの本社で行っているフェルト。VRはまさに自由な発想から生まれた“カリフォルニアスタイル”のマルチロードバイクだ。日本の広くはない道路環境に縛られず、どこへでも走破してみたい。

フェルト「VR1」フレームキット ©FELTフェルト「VR1」フレームキット ©FELT


VR1フレームキット
税抜価格:288,000円
サイズ:430、470、510、540、560
カラー:マットアクア

フェルト「VR3」 ©FELTフェルト「VR3」 ©FELT


VR3(完成車)
税抜価格:378,000円
サイズ:430、470、510、540
重量:8.67kg(540mm)

フェルト「VR5」 ©FELTフェルト「VR5」 ©FELT


VR5(完成車)
税抜価格:298,000円
サイズ:430、470、510、540、560
カラー:マットカーボン/マーキュリー
重量:8.86kg(540mm)

フェルト「VR6」 ©FELTフェルト「VR6」 ©FELT


VR6(完成車)
税抜価格:268,000円
サイズ:430、470、510、540、560
カラー:マットブラック
重量:8.75kg(470mm)

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