ツール・ド・シンカラ 2016<中>キナンの伊丹健治が第5ステージで3位、マルコス・ガルシアが第6ステージで3位表彰台

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 キナンサイクリングチームが出場する、全8ステージで行われるインドネシアのステージレース「TOUR DE SINGKARAK」(ツール・ド・シンカラ、UCIアジアツアー2.2)は、8月9〜11日に第4〜6ステージが行われた。キナンは第3ステージでマルコス・ガルシア(スペイン)がステージ優勝とともに総合首位を奪取し、リーダーチームとして中盤戦に臨んだ。 (加藤智)

スタートラインに並んだリーダージャージのリカルド・ガルシアとキナンサイクリングチームのメンバー Photo: Satoru KATOスタートラインに並んだリーダージャージのリカルド・ガルシアとキナンサイクリングチームのメンバー Photo: Satoru KATO

第4ステージ クイーンステージは首位キープならず

●8月9日 パダンパンジャン-アガン 151.6km

 第4ステージは、コース終盤に標高1200m超の山頂にゴールするツール・ド・シンカラのクイーンステージ。キナンサイクリングチームは、前日に獲得したリカルド・ガルシアのリーダージャージを守る事を第一の目標とし、上りに強いピシュガマンサイクリングチームのイラン勢の動きを警戒しながらレースを進める作戦で臨んだ。

コースと作戦を確認するジャイ・クロフォード、リカルド・ガルシア、石田監督 Photo: Satoru KATOコースと作戦を確認するジャイ・クロフォード、リカルド・ガルシア、石田監督 Photo: Satoru KATO
この日のコースプロフィールと、要注意選手のゼッケン+タイム差を書き込んだテープ。各選手のバイクのハンドル部に貼り付ける Photo: Satoru KATOこの日のコースプロフィールと、要注意選手のゼッケン+タイム差を書き込んだテープ。各選手のバイクのハンドル部に貼り付ける Photo: Satoru KATO
スタート前、サドルを調整する伊丹健治 Photo: Satoru KATOスタート前、サドルを調整する伊丹健治 Photo: Satoru KATO
スタートラインに向かうキナンサイクチーム Photo: Satoru KATOスタートラインに向かうキナンサイクチーム Photo: Satoru KATO
リーダージャージを着てスタートサインをするリカルド・ガルシア Photo: Satoru KATOリーダージャージを着てスタートサインをするリカルド・ガルシア Photo: Satoru KATO
多くの観衆が集まった中をスタートしていく Photo: Satoru KATO多くの観衆が集まった中をスタートしていく Photo: Satoru KATO

 スタート直後の2級山岳を越え、海岸沿いの平坦区間までは決定的な動きは起こらず。序盤に2人が飛び出し、その後1人が逃げ続けるが、キナンサイクリングチームが集団をコントロールしながら終盤の上り区間に突入する。逃げが吸収された後、ピシュガマンサイクリングチームの3人が飛び出す。これをジャイ・クロフォードが追走し、マルコス・ガルシアのエスコートでリカルド・ガルシアも続く。しかし、先行するピシュガマンの3人を捕まえる事ができず、アミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)がステージ優勝。リーダージャージを着たリカルド・ガルシアは、約3分遅れの6位でゴール。総合首位はコラドウズに移った。

アミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)が第4ステージ優勝 Photo: Satoru KATOアミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)が第4ステージ優勝 Photo: Satoru KATO
リカルド・ガルシアは6位 Photo: Satoru KATOリカルド・ガルシアは6位 Photo: Satoru KATO

●リカルド・ガルシアのコメント
昨日獲得したリーダージャージをチームとして守る一日だったが、最後の上りでイラン(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)の3人に行かれてしまい、ジャージを失ってしまった。でも、この後まだ厳しいステージはあるし、強いチームだから、挽回のチャンスはあるはずだ。ジャージを失った事に落ち込んではいないし、むしろレースコントロールをする必要が無くなったから良かったと思っている。

●阿曽圭佑のコメント
初めてリーダーチームとして闘いましたが、結果としてはリーダーを失いました。でも、今日は序盤に逃げを容認してコントロールし、上りでマルコスとリカルドを行かせるという、作戦通りの展開ができました。最後の場面はできればもう1人欲しかったところです。今年初めてこの上りを走りましたけれど、44回曲がる事は知っていましたが、勾配もきつくて大変でした。
明日以降はリーダーチームではなくなるので楽に走れると思うし、まだ挽回のチャンスはあるので、しっかり仕事をしていきます。

リカルド・ガルシアをアシストしたマルコス・ガルシア Photo: Satoru KATOリカルド・ガルシアをアシストしたマルコス・ガルシア Photo: Satoru KATO
ピシュガマンサイクリングチームの3人を追ったジャイ・クロフォード Photo: Satoru KATOピシュガマンサイクリングチームの3人を追ったジャイ・クロフォード Photo: Satoru KATO
ゴールする阿曽圭佑 Photo: Satoru KATOゴールする阿曽圭佑 Photo: Satoru KATO

●野中竜馬のコメント
今日は2人を逃がした後は大きな動きもなく、集団をコントロールしながらゆっくりとレースを進め、上りに入ったところで自分の仕事を終えました。リーダージャージを失いましたけれど、まだ総合3位だし、明日以降はイラン(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)がコントロールするので、大幅に順位を落とす事は無くなったのかなと。そういう意味では良い展開なのかなと思います。

コースを確認するリカルド・ガルシア Photo: Satoru KATOコースを確認するリカルド・ガルシア Photo: Satoru KATO
選手のマッサージの様子は現地の人達の関心を惹く Photo: Satoru KATO選手のマッサージの様子は現地の人達の関心を惹く Photo: Satoru KATO
スタート前に他チームの選手と情報交換 Photo: Satoru KATOスタート前に他チームの選手と情報交換 Photo: Satoru KATO

■第4ステージ結果
1 アミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) 3時間59分13秒
2 レザ・ホセイン(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +14秒
3 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)
21 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +5分45秒
39 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +9分39秒
65 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +16分51秒
82 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +23分30秒
83 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)

第5ステージ 伊丹健治が逃げ切って3位

●8月10日 ペシシルセラタン-パリアマン 153.1km

スタート前、くつろぐ選手たち Photo: Satoru KATOスタート前、くつろぐ選手たち Photo: Satoru KATO

 前日までの山岳ステージの連続から一転、海岸沿いを走る平坦ステージだ。

 朝から良く晴れ、日差しが痛く感じる一日。序盤からアタック合戦が始まり、9人が抜け出す。この中に、キナンサイクリングチームから伊丹健治が加わる。メイン集団はリーダージャージのアミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)を擁するピシュガマンサイクリングチームがコントロールし、タイム差は最大で3分30秒まで開く。

 個人総合順位に影響のない逃げだった事から、レース終盤になってもピシュガマンサイクリングチームは追走の意思を見せない。残り20kmを過ぎたところで他チームがペースアップを図り、タイム差は縮まり始める。しかし逃げ集団を捕まえる事ができず、勝負は先行する9人に絞られる。

コースプロフィールなどを自転車に貼る石田監督 Photo: Satoru KATOコースプロフィールなどを自転車に貼る石田監督 Photo: Satoru KATO
スタートサインの文字に性格が表れるというが…? Photo: Satoru KATOスタートサインの文字に性格が表れるというが…? Photo: Satoru KATO
スタートしていくリカルド・ガルシア Photo: Satoru KATOスタートしていくリカルド・ガルシア Photo: Satoru KATO
スタートしていく阿曽圭佑 Photo: Satoru KATOスタートしていく阿曽圭佑 Photo: Satoru KATO
スタートしていく野中竜馬 Photo: Satoru KATOスタートしていく野中竜馬 Photo: Satoru KATO
スタートしていくジャイ・クロフォード Photo: Satoru KATOスタートしていくジャイ・クロフォード Photo: Satoru KATO

 残り10kmを切ったあたりからアタック合戦が始まり、伊丹を含む3人が残る。残り1kmを切ると3人での最後の勝負が始まり、クリサダ・チャンパド(タイ、シンガ・インフィニテ・サイクリングチーム)が優勝。伊丹は3位に入った。

 個人総合の上位勢はメイン集団内でゴールしたため、順位に変動は無かった。キナンサイクリングチームは、野中竜馬が序盤に落車。その後パンクに見舞われるアクシデントがあったものの、大事には至らず完走。他のメンバーはメイン集団内でゴールしている。

 第6ステージは、標高1000m超の1級山岳を含むステージ。第7、第8ステージは差がつきにくいステージになる事から、総合優勝争いをする上で最後の逆転のチャンスとなる。

ステージ3位に入った伊丹健治(右) Photo: Satoru KATOステージ3位に入った伊丹健治(右) Photo: Satoru KATO
サインに応じる伊丹健治 Photo: Tetsuya ISHIDAサインに応じる伊丹健治 Photo: Tetsuya ISHIDA

●伊丹健治のコメント
今日は今大会一番の平坦ステージだったので、逃げに乗るチャンスがあると考えていました。前日がチームでレースコントロールしていたので、今日はスタート直後は脚が重く感じていました。でも、逃げに乗ってからは一定間隔でローテーションが回っていたので、脚が回るようになってきました。3位という結果は悔しいですが、逃げに乗るという最低限の事はできたので良かったと思います。明日以降、イラン勢(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)がリーダーなら、またチャレンジする事ができると考えています。

●野中竜馬のコメント
序盤の逃げが決まりそうな時、追走していたグループの中で落車に巻き込まれてしまいました。その後10kmくらい走って集団に復帰したんですけれど、今度はパンクしてしまいました。今日は逃げに乗るつもりでいたのですが、ついてなかったですね。明日の第6ステージで個人総合が決まると思うので、その結果次第では残りのステージでチャンスがあると思っています。

■第5ステージ結果
1 クリサダ・チャンパド(タイ、シンガ・インフィニテ・サイクリングチーム) 3時間38分44秒
2 サムエル・ボルカス(オーストラリア、データ#3シスコレーシングチームP/Bスコディ) +2秒
3 伊丹健治(キナンサイクリングチーム)  +5秒
26 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +1分33秒
29 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
50 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
60 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +1分45秒
84 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +10分50秒

第6ステージ マルコス・ガルシアが先行して3位

●8月11日 パダンパリアマン-サワルント 151.1km

前日に今季限りの引退発表をした伊丹健治「今日もいつも通りレースを走ります」 Photo: Satoru KATO前日に今季限りの引退発表をした伊丹健治「今日もいつも通りレースを走ります」 Photo: Satoru KATO

 第6ステージは、コースのほぼ中間に標高1132mの1級山岳がある151.1km。1級山岳の他にもゴール前10kmほどは勾配が急な細かいアップダウンが繰り返されるハードなコース。この日の結果で事実上総合成績が決まる。

 スタート直後に20人の逃げ集団が形成され、その中にマルコス・ガルシア、リカルド・ガルシア、ジャイ・クロフォードの3人が入る。1級山岳への上りで、マルコスを含む4人が抜け出して先行。山頂をマルコスがトップ通過する。その後下りきったところで、後続との差が約6分まで開く。

池の上の東屋でレース前の準備 Photo: Satoru KATO池の上の東屋でレース前の準備 Photo: Satoru KATO
スタート前やゴール前には、地元の踊りや音楽などが披露される Photo: Satoru KATOスタート前やゴール前には、地元の踊りや音楽などが披露される Photo: Satoru KATO

 先行する4人の中には、総合6位のモハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)が入っており、この時点でバーチャル3位。チームは逃げグループのマルコス・ガルシアにローテーションに加わらない事を指示し、リカルド・ガルシアがいる後続集団とのタイム差短縮を図る。一方後続集団では、クロフォードがペースアップを図り、総合2位のダディ・スリャディ(トレンガヌサイクリングチーム)も自分の順位が脅かされる事から追走に協調。タイム差は1分程度まで縮まる。

3位でゴールしたマルコス・ガルシア Photo: Satoru KATO3位でゴールしたマルコス・ガルシア Photo: Satoru KATO

 マルコス・ガルシアがローテーションに加わらなくなったことで協調が崩れた先頭集団では、マルコス・ガルシアとラジャブルーが牽制しあう一方で、ジャン・ジュング(韓国、コレイル・サイクリングチーム)とロイック・デリアック(フランス、シンガ・インフィニティサイクリングチーム)の2人が先行。最後はジャンが単独で先行してステージ優勝。ラジャブルーを振り切ったマルコス・ガルシアが3位に入った。

 リカルド・ガルシアは総合首位のアミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム)と、スリャディと共にゴールし、総合3位を死守。追走に尽力したクロフォードは36位。阿曽圭佑、野中竜馬、伊丹健治は、後方集団で完走して翌日に繋げている。

総合1位から3位までがまとまってゴール Photo: Satoru KATO総合1位から3位までがまとまってゴール Photo: Satoru KATO
今日も全員無事ゴールした Photo: Satoru KATO今日も全員無事ゴールした Photo: Satoru KATO
第6ステージ表彰式 Photo: Satoru KATO第6ステージ表彰式 Photo: Satoru KATO

●マルコス・ガルシアのコメント
厳しい上りのあるコースだったけれど、下ってからはチームの指示で前に出る必要が無くなったので、自分にとってはそれほど難しいレースではなかった。3位に入れた事は良かったと思う。明日以降はピシュガマンがコントロールして何人かが逃げるような展開になるだろう。

●リカルド・ガルシアのコメント
今日は難しい展開だったので、総合3位を維持できて良かった。これで総合順位はほぼ決まったと思うけれど、あと2日は上位2人の動きに注意しつつ、安全に走る事を考えてレースをしていきたい。

●ジャイ・クロフォードのコメント
難しいステージだった。山岳で数名が先行して、その中に総合順位に影響しそうなピシュガマンの選手が入っていたので長い時間追いかけた。おかげでリカルドの総合3位を守った上、マルコスがステージ3位に入ってくれたので良い一日になった。ピシュガマンはとても強い。誰もが知っている事だけど、何もできないね。
残り2日は野中、伊丹、阿曽に逃げるチャンスがある。このレースには強いスプリンターがいないから、他のチームも逃げたがるだろうしね。

●阿曽圭佑のコメント
チームのオーダーは、僕が逃げに乗ってマルコス、リカルド、ジャイの脚を残す事でした。でも、上りでピシュガマンのアタックをチェックしていたら脚が終わってしまいました。マルコスが逃げに乗って、一緒にピシュガマンの選手も行ってしまい、ジャイとリカルドが追走しなければいけないくらいタイム差がついてしまいました。僕が逃げに乗っていたら、リカルドとマルコスが疲れずに済んだのかなと。
ジャイさんには明日も明後日も逃げるチャンスはあると言われている。脚も回ってきているので、気持ちを切り替えてやっていきます。

36位でゴールしたジャイ・クロフォード Photo: Satoru KATO36位でゴールしたジャイ・クロフォード Photo: Satoru KATO
グルペットでゴールする阿曽圭佑 Photo: Satoru KATOグルペットでゴールする阿曽圭佑 Photo: Satoru KATO
グルペット後方でゴールする野中竜馬と伊丹健治 Photo: Satoru KATOグルペット後方でゴールする野中竜馬と伊丹健治 Photo: Satoru KATO

■第6ステージ結果
1 ジャン・ジュング(韓国、コレイル・サイクリングチーム) 3時間43分54秒
2 ロイック・デリアック(フランス、シンガ・インフィニテサイクリングチーム) +4秒
3 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +33秒
18 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +2分2秒
36 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +6分20秒
56 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +20分4秒
71 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +20分4秒
72 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +20分4秒

■個人総合順 第6ステージ終了時
1 アミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) 19時間46分11秒
2 ダディ・スリャディ(インドネシア、トレンガヌサイクリングチーム) +1分22秒
3 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +2分55秒
4 レザ・ホセイン(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +4分24秒
5 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +4分28秒
6 モハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +7分20秒
7 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +9分4秒
28 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +26分29秒
46 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +47分37秒
67 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +1時間5分56秒
77 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +1時間13分17秒

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