世界40カ国で8000人が参加「ラファ Women's 100」女性サイクリストが広げた「楽しい!」の連鎖

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 世界中の女性たちが100kmの自転車ライドに挑戦する「Rapha Women’s 100(ラファ ウィメンズ ハンドレッド)」が、7月16日に世界各地で開催された。個人、またはチームを組んで走るグローバルなイベントで、ラファが運営するルートを含め、各国で約8000人もの女性サイクリストが参加した。日本国内でも、ラファが主催するライドイベントと「ライドリーダー」と呼ばれる女性サイクリストによるライドイベントが全国20カ所で開催された。

「Women's 100」スタート前に“気合”の花が咲いた(伊豆、下田にて) ©Rapha japan「Women's 100」スタート前に“気合”の花が咲いた(伊豆、下田にて) ©Rapha japan

世界で240イベントが自発的に発足

 「Women’s 100」は、その名の通り女性のみが参加できるサイクリングイベント。ラファが「女性サイクリストの自立と、女性サイクリスト同士のコミュニケーションを図る場」として提唱し、年に1度、全世界で同日一斉に開催される。

イギリス・ケントでは「CANYON//SRAM」のティファニー・クロムウェル(オーストラリア)が飛び入り参加 ©Rapha japanイギリス・ケントでは「CANYON//SRAM」のティファニー・クロムウェル(オーストラリア)が飛び入り参加 ©Rapha japan
世界中で女性サイクリストたちが走っている様子を「インスタグラム」を通じてリアルタイムで見られる ©Rapha japan世界中で女性サイクリストたちが走っている様子を「インスタグラム」を通じてリアルタイムで見られる ©Rapha japan
「Woman's 100」前夜。伊豆・下田では参加自由のバーベキューパーティーが催された Photo: Kyoko GOTO「Woman's 100」前夜。伊豆・下田では参加自由のバーベキューパーティーが催された Photo: Kyoko GOTO

 各地で開催されるグループライドに加わって仲間を見つけたり、自らライドイベントを主催することも可能で、自分のレベルや目的に合った楽しみ方で参加できるのが特徴だ。また「Instagram」(インスタグラム)などのSNSを利用し、共通のハッシュタグ「#womens100」を用いてライド風景の写真を共有することで、全世界で同じライドを楽しむ様子を共有できるのも面白さの一つだ。

 4回目となる今年は世界40カ国で240ものイベントが立ち上がり、およそ8000人が参加。日本国内でもラファが主催するオフィシャルライドの他に、独自に発足したライドイベントが札幌から鹿児島まで全国16カ所で開催された。

ビギナーから元選手まで それぞれの100km

 その1つ、静岡県の下田市で開催された「Women’s 100 Izu」には13人の女性サイクリストが参加した。参加者の顔ぶれはさまざまで、100kmに初挑戦する女性はもちろん峠に初挑戦する女性、楽しむ目的で参加したリピーター、20年ぶりに長距離を走るサイクリストなど様々だ。下田のコースプロフィールは100kmで獲得標高1800m。皆それぞれの思いを抱き、午前6時半に一斉にスタートを切った。

下田の海岸線沿いの道を走る。早朝の静かな波音が心地よい ©Rapha japan下田の海岸線沿いの道を走る。早朝の静かな波音が心地よい ©Rapha japan
走り慣れないコースに不安とわくわくが入り混じる Photo: Kyoko GOTO走り慣れないコースに不安とわくわくが入り混じる Photo: Kyoko GOTO
ペースは20km/hを切る程度。周りの景色を楽しむ余裕も ©Rapha japanペースは20km/hを切る程度。周りの景色を楽しむ余裕も ©Rapha japan

 最初は余裕だった皆の表情も、気温の上昇と繰り返すアップダウンに徐々に疲れがにじみ始める。坂にさしかかると現れる走力の差。そんなときも先輩ライダーがビギナーをサポートする。

 坂でペースダウンしても、ライドリーダーを含む先輩ライダーが声をかけ、声をかけられた方も笑顔で返す。100kmも峠も初挑戦という橘高彩さんは「坂が出てくるたびにもう無理!って思ったけれど、ライドリーダーの方が話しかけてくれて、気付いたら坂が終わっていた」という。

 「がんばってるのに『がんばって』と言われたくないことはわかってる。とにかく皆で楽しんで走れたら」と、励ましにも経験者ならではの心配りが見える。

リードリーダーの矢野麻利さんと100km初挑戦の橘高彩さん(右)。きつい坂でも話をしながらペダルを回せば楽しい坂に Photo: Kyoko GOTOリードリーダーの矢野麻利さんと100km初挑戦の橘高彩さん(右)。きつい坂でも話をしながらペダルを回せば楽しい坂に Photo: Kyoko GOTO

「みんながいたから完走できた」

棚田の激坂を駆け上がる小菅華菜さん。さすがの脚力 Photo: Kyoko GOTO棚田の激坂を駆け上がる小菅華菜さん。さすがの脚力 Photo: Kyoko GOTO

 かつて実業団チームに所属していたという小菅華菜さんは、自転車漬けの日々に走るモチベーションを失い、もう一度自転車で走る楽しさを思い出したくて「Women’s 100」に参加した。

 求めたのは同レベルの脚力ではなく、皆で走る瞬間を楽しむこと。坂にさしかかると実力の差は歴然だったが、全員が揃うのを待ち、上り切った頑張りを一緒に称えあっていた。「こんなふうにライドを楽しみたかった。参加してよかった」と、休憩時にニコニコしながらアイスを頬張る姿が印象的だった。

休憩時に記念撮影。一緒に走れば友達 Photo: Kyoko GOTO休憩時に記念撮影。一緒に走れば友達 Photo: Kyoko GOTO
初対面でも一緒に走ってごはんを囲めばこの通り Photo: Kyoko GOTO初対面でも一緒に走ってごはんを囲めばこの通り Photo: Kyoko GOTO
ゴールの白浜海岸で最高の笑顔を見せるメンバー ©Rapha japanゴールの白浜海岸で最高の笑顔を見せるメンバー ©Rapha japan

 夕方5時をまわるころ、ゴールの白浜海岸に到着。「100kmだよ!」というライドリーダーの声に皆の歓声があがった。100kmを初めて完走した女性たちからは、「完走できるなんて思わなかった。本当につらかったけど楽しかった!」と達成感があふれていた。

 ライドリーダーを務めた矢野さんは、「3年前、私もここで100kmに初挑戦して、いま、こうしてサポートできるようになった。今日走った人が、3年たってまたリーダーになってくれたらうれしい」と、無事リーダーを務め終えた感想を語った。

アフターパーティーで完走の喜び新たに

7月30日に催された「Women's 100」のアフターパーティーの様子。ドレスコードの「トリコロール」に身を包んだ女性たち ©Rapha japan7月30日に催された「Women's 100」のアフターパーティーの様子。ドレスコードの「トリコロール」に身を包んだ女性たち ©Rapha japan

 7月30日にはラファサイクルクラブ東京(CCTYO)で「Women’s 100 アフターパーティー」が開催された。東京近郊で開催された「Women’s 100」に参加したメンバー約20人が集まった。「トリコロール」がドレスコードだったパーティー会場は、青、白、赤のドレスに身を包んだ女性たちで華やかな雰囲気に包まれた。

 フードのクオリティーにも定評のあるラファ。この日のパーティーメニューでは女性の好みを意識した彩鮮やかなヘルシー料理がふるまわれ、その美味しさに女性たちは舌鼓を打ちながら、久々の再会を楽しんでいた。

白ワインのサングリア。ノンアルコール用にハイビスカスうめしそジュースも用意されていた Photo: Kyoko GOTO白ワインのサングリア。ノンアルコール用にハイビスカスうめしそジュースも用意されていた Photo: Kyoko GOTO
アボカドとサーモンを乗せたオートミールクッキー、ビーツと枝豆、とうもろこしのポタージュなどが並ぶ Photo: Kyoko GOTOアボカドとサーモンを乗せたオートミールクッキー、ビーツと枝豆、とうもろこしのポタージュなどが並ぶ Photo: Kyoko GOTO
メイン料理は丸鶏を使ったシンガポールチキンライス Photo: Kyoko GOTOメイン料理は丸鶏を使ったシンガポールチキンライス Photo: Kyoko GOTO
「Woman's 100」でライド仲間になった曽原里衣子さん(左)と稲葉亜紀さん Photo: Kyoko GOTO「Woman's 100」でライド仲間になった曽原里衣子さん(左)と稲葉亜紀さん Photo: Kyoko GOTO

 青い和服をまとっていた稲葉亜紀さんと、友人の曽原里衣子さんは、昨年の「Women’s 100」で出会って以来一緒にライドをするようになった間柄。「去年楽しかったから」と今年も2人そろってラファサイクルクラブ東京を拠点に行われた「Women’s 100」に参加し、さらに「これからも毎年一緒に走りたい」と楽しさの余韻に浸っていた。

 小林玲香さんは「ポタガール埼玉」として、「埼玉に女性サイクリストがたくさん訪れてほしい」という想いで「Women’s100 in SAITAMA」を立ち上げた。ルートを作成する上で、トイレ休憩やグルメスポットなど同性としての配慮を心掛けているという。「毎回、新しい女性サイクリストと出会えるのが楽しみ」とライドリーダーとしてのやりがいを語った。

最年少参加者の須崎かれんちゃん。「Women's 100」のジャージをプレゼントされてこの笑顔 Photo: Kyoko GOTO最年少参加者の須崎かれんちゃん。「Women's 100」のジャージをプレゼントされてこの笑顔 Photo: Kyoko GOTO

 さらにこの日のパーティーには、最年少参加者の須崎かれんちゃん(8)の姿もあった。母の奈保子さんと2人で参加し、16インチのBMXで100kmを完走した。かれんちゃんが「Women’s 100」を完走するのは2度目。「頑張ればできるということを実感してもらいたい」と父の須崎真也さん(ABOVE BIKE STORE経営)と完走した昨年に続き、今度は「先輩」として奈保子さんと、プールや動物園などに寄って休憩をはさみながら15時間半をかけて完走した。「ママがゆっくり走ってくれたから楽しかった」と話すかれんちゃんには、「最年少賞」としてラファから「Women’s 100」のジャージが贈られた。

偶然トリコロールで決まっていた3人。左から小菅華菜さん、土屋し乃さん、吾妻泰葉さん。全員下田で100kmを完走 Photo: Kyoko GOTO偶然トリコロールで決まっていた3人。左から小菅華菜さん、土屋し乃さん、吾妻泰葉さん。全員下田で100kmを完走 Photo: Kyoko GOTO

 下田の「Women’s 100」で100kmを初完走した土屋し乃さんは「つらかった。でもその分達成感がすごかった。一緒に走った人たちとこうして再会できて、改めて心から楽しかったって思える」と語り、同じく100km初挑戦だった吾妻泰葉さんも「みんなと一緒だったから走り切れた」と‟仲間”と走れた喜びを語った。

「今度また一緒に走ろう」

 そんな言葉が飛び交う夜、パーティーは幕を閉じた。

「Women's100」アフターパーティーの参加者で記念撮影(ラファCCTYOにて) Photo: Kyoko GOTO「Women's100」アフターパーティーの参加者で記念撮影(ラファCCTYOにて) Photo: Kyoko GOTO

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