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栗村修の“輪”生相談<80>48歳男性「いまだにSPD-SLのシューズをうまくはめることができません」

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自転車に乗って10年目を迎えましたが、いまだにSPD-SLのシューズをペダルに、うまくはめることができません。初心者の頃は、何かの本で、「慣れてきたら足の感覚ではめられるようになる」みたいなことが書いてあった気がしますが、足もとを見ないと、まず一発ではできません。

 通勤で信号待ちの度に悲しい思いをしたり、はめ損なった勢いで弁慶の泣き所をペダルにぶつけたこともあります。クリテリウムレースでは、スタートしてはめられないと命取りで、あっという間に集団に置いて行かれます。SPDペダルなら、簡単にはめられます。SPD-SLをスマートに、足下を見ないでカチッとできるいい方法はありませんか。

(48歳男性)

 「ロードバイクあるある」だと、たぶん立ちごけと並んでトップクラスに位置するご質問ですね、「ペダルがハマらない問題」は。

 一言でいうと、慣れです。なぜかというと、実はプロも、使用するペダルシステムなどが変わったばかりで慣れないうちは意外と失敗するものだからです。クリストファー・フルームやファビアン・カンチェッラーラにも、慣れないペダルシステムで脛を強打して泣いた過去があるに違いありません。だから安心(?)してください。練習すれば大丈夫ですよ。

ツール・ド・フランス2016の総合優勝、クリストファー・フルームもSPD-SLユーザーだ Photo: Yuzuru SUNADAツール・ド・フランス2016の総合優勝、クリストファー・フルームもSPD-SLユーザーだ Photo: Yuzuru SUNADA

 と、これで回答を終えてしまうところだったのですが、改めてご質問を読んだ僕は、冒頭の「自転車に乗って10年目」というくだりを見落としていたことに気付きました。

 10年、というのは、これは大変申し上げにくいのですが、「ペダルをはめるセンス」が若干、不足しているのかもしれません。ヒルクライムやスプリントの能力に個人差があるように、ペダリング、もといペダルはめテクニックにも個人差があっておかしくないですから。

 あるいは、ドツボにはまってしまっているのかもしれません。僕もテレビのお仕事などで一度NGを出すと、その後もNGを連発してしまう経験があります。同じように、失敗の癖がついてしまったのかも…。

 いずれにせよ、対策は必要ですね。

 とりあえずは、ペダルのバネの締め付けを緩目にセットしてはいかがでしょうか(僕もそうしていました)。また、初心に返って固定ローラー上でペダルにはめる練習を行うのも良いと思います。その際、「つま先を引っ掛ける(SPD-SLの場合)」⇒「ステップインする」という2つの基本動作を分けて意識すると上達するはずです。両方苦手なのか?それともどちらかが苦手なのかを分析してみましょう。

ロードのビンディングシステムは、つま先側を先に引っ掛けてからステップインする、二段階の固定動作が必要なものが多い Photo: Kenta SAWANOロードのビンディングシステムは、つま先側を先に引っ掛けてからステップインする、二段階の固定動作が必要なものが多い Photo: Kenta SAWANO

 意外と多いのは、つま先は入っているのに、ステップインする時の力の方向がズレていてなかなかはまらないというパターンです。あくまでも引っかかっているつま先側に少し重心が行きつつ(ペダルとクリートのつま先側に隙間がない状態で)ステップインする必要があります。SPDは大丈夫だけど、SPD-SLで苦労されているとあるので、たぶんどちらかができていないのだと思います。固定ローラーに乗りつつ横に鏡を置いて視覚的にペダルとクリートの位置関係やペダルがはまる仕組みをチェックしながら練習するとより効果的でしょう。

 あと、少し慣れてきたら、レースのスタート用(上級編)として、三本ローラーが役に立つかもしれません。あれは実走より不安定ですから、シューズをはめるときには、プロでもけっこう気を使います。

 それと、思ったんですが、慌てているというか、ちょっと力みすぎかもしれませんね。「はめ損なった勢いで弁慶の泣き所を…」とありますが、そこまで勢いよく踏み込まなくても、普通ははまるはずです。走り出して即、はめようとせずに、少し落ち着いて数回転まわしながらはめてみてはいかがでしょうか。数秒程度時間がかかっても、致命的な問題にはならないと思いますよ。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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