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ツール・ド・フランス2016 第21ステージフルームが3回目の総合優勝 シャンゼリゼでのスプリントはグライペルが勝利

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 第103回ツール・ド・フランスは7月24日に最終日を迎え、第21ステージを113kmで実施。パリ・シャンゼリゼ通りにフィニッシュするスプリント勝負では、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が今大会初勝利。昨年に続くシャンゼリゼでの勝利を挙げた。マイヨジョーヌを賭けた個人総合では、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が2年連続3回目の優勝。そして、日本からただ1人出場していた新城幸也(ランプレ・メリダ)は53位でフィニッシュし、6度目の完走を果たした。

第103回ツール・ド・フランスの4賞。左からポイント賞のペテル・サガン、総合優勝のクリストファー・フルーム、新人賞のアダム・イェーツ、山岳賞のラファウ・マイカ Photo: Yuzuru SUNADA第103回ツール・ド・フランスの4賞。左からポイント賞のペテル・サガン、総合優勝のクリストファー・フルーム、新人賞のアダム・イェーツ、山岳賞のラファウ・マイカ Photo: Yuzuru SUNADA

プロトンはパリ市街地までパレード走行

 7月2日に「西洋の驚異」モン・サン・ミシェルをスタートしたツール・ド・フランス2016。ピレネーを目指し南下した前半戦。東へと針路をとりスイスに入国後、アルプスの山々に挑んだ後半戦。3週間のフランス一周の旅は、ついに終わりのときを迎える。選手たちは午前中に、前日のフィニッシュ地であるモルジーヌから空路で移動。最終ステージのスタートの街・シャンティイ入りした。

 大会最後のステージでは、総合争いを行わないのがツールの慣例。前日までにマイヨジョーヌを賭けた戦いは終え、最終日はその労を選手・チームスタッフ・大会関係者とねぎらい合いながら、パリを目指す。

 今大会はマイヨジョーヌのほか、ポイント賞のマイヨヴェール、山岳賞のマイヨアポワ、新人賞のマイヨブランの4賞いずれもが大差となり、実質獲得者が決定した状態でのスタートとなった。マイヨジョーヌのフルームを筆頭に、マイヨヴェールのペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)、マイヨアポワのラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ)、マイヨブランのアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)の4人が、シャンティイを出発後しばらくは並んで集団の先頭を走った。

ビールで総合優勝を祝うクリストファー・フルーム(中央)らチーム スカイの選手たち Photo: Yuzuru SUNADAビールで総合優勝を祝うクリストファー・フルーム(中央)らチーム スカイの選手たち Photo: Yuzuru SUNADA

 その後も選手たちは思い思いに集団内を走行。リーダーチームのチーム スカイは、出場した9人全員が完走を濃厚とし、横一列に並んでのフォトセッションタイムも。このステージでは特別に、マイヨジョーヌカラーをあしらったデザインのジャージで出走。ビールやシャンパンで乾杯するシーンもあり、お祝いムードの中を選手たちが走行した。

 スタートから50kmを過ぎたところで、パリ市街地へと入ったプロトン。チーム スカイを先頭とした隊列は、シャンゼリゼ通りをメインとするサーキットコースに入る直前に、8月のリオデジャネイロ五輪を最後に現役を引退するホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)を先頭へと送り出す。ロドリゲスに敬意を表してのパレードライドの後、このステージの優勝者を決めるレースが本格的に始まった。

大会の最後にグライペルのスプリントが炸裂

 シャンゼリゼのサーキットは9周回。まずは8人が飛び出した。メイン集団は逃げを容認しつつも、残り距離が少ないこともありその差を約20秒にとどめながら進行する。残り20kmを切ると逃げが一度吸収され、代わってフレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)とアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)が先行する。その間、膝の痛みに苦しんでいたトニー・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)がリタイア。このステージの優勝候補でもあるマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)は、メカトラブルによりバイク交換を余儀なくされている。

 逃げはラスト1周に入ったところで吸収。各チームのトレインが前方へとポジションを移し、スプリントに備える。有力選手では、ソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イアム サイクリング)、ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)がそれぞれパンクなどバイクトラブルで脱落。

 残り2kmを切ると、ロット・ソウダルのトレインが先頭へ。さらには、ラスト1kmを切ったところでチーム カチューシャが前方を確保。コンコルド広場の最終コーナーを過ぎると、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)がスプリントを開始した。

ゴールスプリントはアンドレ・グライペル(左から2人目)が制した Photo: Yuzuru SUNADAゴールスプリントはアンドレ・グライペル(左から2人目)が制した Photo: Yuzuru SUNADA

 先手で勝利を目指したクリストフだが、それをチェックしていたグライペルがタイミングを計って一気に加速。後方からサガンが猛追したが、それをかわしてフィニッシュラインを通過。今大会、ここまで勝てずにいたグライペルが最後の最後でチャンスをものにした。

 その後ろでは、フルームがアシストとともにゆっくりとフィニッシュへ。再び9人で横一列となり、総合優勝決定の瞬間を分かち合った。

愛息に捧げるマイヨジョーヌ

 2013年、2015年に続く3度目のツール制覇を成し遂げたフルーム。シャンゼリゼ通りに設けられたポディウムに登壇し、感激の面持ちだ。壇上では、「わが息子であるケランにこの勝利を捧げたい」とスピーチ。また、今大会期間中に南仏のニースで起きたテロにも触れ、「悲劇により命を落とした人々に寄り添いたい。スポーツの力は自由な社会を得るうえで非常に重要なものであると考える」と言葉に力を込めた。

総合上位3選手。左から2位のロマン・バルデ、優勝のクリストファー・フルーム、3位のナイロアレクサンデル・キンタナ Photo: Yuzuru SUNADA総合上位3選手。左から2位のロマン・バルデ、優勝のクリストファー・フルーム、3位のナイロアレクサンデル・キンタナ Photo: Yuzuru SUNADA
チーム総合1位となったモビスター チーム Photo: Yuzuru SUNADAチーム総合1位となったモビスター チーム Photo: Yuzuru SUNADA

 また、サガン、マイカ、イェーツも無事にフィニッシュし、晴れてポディウムで表彰を受けた。サガンは同時に、今大会で最も印象的な走りを見せた選手に贈られるスーパー敢闘賞を獲得。そのほか、チーム総合ではモビスター チームが1位となり栄誉にあずかった。

 そして、2月のレース中に負ったけがを克服し、ツールのスタートラインに立った新城も6度目の完走。最終順位は116位だった。

 ツール2017年大会は、ドイツ・デュッセルドルフで開幕。各ステージのスタート・フィニッシュ地など、コースの詳細は秋に発表される予定だ。

第21ステージ結果
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 2時間43分8秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) +0秒
3 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
4 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +0秒
5 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +0秒
6 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) +0秒
7 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +0秒
8 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +0秒
9 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18) +0秒
10 レイナールト・イャンスファンレンスブルフ(南アフリカ、ディメンションデータ) +0秒
53 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 89時間4分48秒
2 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分5秒
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +4分21秒
4 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +4分42秒
5 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +5分17秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +6分16秒
7 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +6分58秒
8 ルイ・メインティス(南アフリカ、ランプレ・メリダ) +6分58秒
9 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) +7分4秒
10 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ) +7分11秒
116 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +3時間57分6秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 470pts
2 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 228pts
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ) 199pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) 209pts
2 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)130pts
3 ハルリンソン・パンタノ(コロンビア、イアム サイクリング) 121pts

新人賞(マイヨブラン)
1 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) 89時間9分30秒
2 ルイ・メインティス(南アフリカ、ランプレ・メリダ) +2分16秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・アルゴン18) +42分58秒

チーム総合
1 モビスター チーム 267時間20分45秒
2 チーム スカイ +8分14秒
3 BMCレーシングチーム +48分11秒

スーパー敢闘賞
ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)

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