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ツール・ド・フランス2016 第18ステージフルームが山岳個人TTで逆転優勝 デュムランを20秒差で制し総合首位堅守

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 ツール・ド・フランス第18ステージは7月21日、今大会2度目の個人タイムトライアル(TT)で争われ、最終走者で総合首位のクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が30分43秒で優勝し、総合首位のマイヨジョーヌも堅守した。暫定トップだったトム・デュムラン(ベルギー、チーム ジャイアント・アルペシン)を最後に逆転する勝利で、総合優勝に向け、2位のバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)とのタイム差を1分30秒近く広げることに成功した。新城幸也(ランプレ・メリダ)は5分1秒遅れの141位でゴールした。

第18ステージ、最終走者で優勝タイムを叩き出しガッツポーズで喜ぶクリストファー・フルーム  Photo: Yuzuru SUNADA第18ステージ、最終走者で優勝タイムを叩き出しガッツポーズで喜ぶクリストファー・フルーム  Photo: Yuzuru SUNADA

 アルプスの町、サランシュからメジェーブまでの17kmの山岳TT。スタートから約4km平坦で、そこから一気にコート・ド・サランシュまで上り第1計測ポイントを迎える。ここを1位通過した選手には「ベルナール・イノー賞」として5000ユーロが贈られる。フランスが誇る英雄が、1980年の世界選手権でこの坂でアタックし、世界一になったことにちなんだ賞。しばらく上りが続き、最後はゴールまで下るアップダウンの激しいTT。TTバイクかノーマルバイクか。ノーマルホイールか、ディスクホイールか。機材の選択も興味深いステージとなった。

 総合成績の下位選手から、次々と2分おきにスタート。中盤までは次々と記録が塗り替えられる展開で100番目に出走した2015年世界選手権TT銅メダルのジェローム・コッペル(フランス、イアム サイクリング)が前走のジェレミー・ロイ(フランス、エフデジ)をゴール前でパス。31分58秒という32分を切ったタイムで首位に立ち、一つの指標になった。

好タイムでクリストファー・フルームに抜かれるまで暫定トップだったトム・デュムラン Photo: Yuzuru SUNADA好タイムでクリストファー・フルームに抜かれるまで暫定トップだったトム・デュムラン Photo: Yuzuru SUNADA

 そして第13ステージの個人TTで圧勝したデュムランがTTバイクでスタート。前後ディープホイールでスタート直後から深く安定したTTポジションでスピードを上げた。最初の4kmを平均約55kmのペースで飛ばした。第1チェックポイントを11分42秒でトップ通過すると、第2チェックポイント付近で前走のヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアル)をパス。最後の下りでも時速75kmを出すなど、スピードを緩めずゴール。それまで1位のトーマス・デヘントを40秒近く上回る31分04秒でぶっちぎりの暫定トップのタイムを叩き出した。

33秒差で3位に入ったファビオ・アール Photo: Yuzuru SUNADA33秒差で3位に入ったファビオ・アール Photo: Yuzuru SUNADA

 終盤の総合上位陣は好タイムを連発。ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)は31分16秒。リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)はデュムランを上回る11分33秒で第1計測地点を暫定1位で通過。最後まではリードを守れなかったが、暫定2位でゴールした。

10位に入ったナイロアレクサンデル・キンタナ Photo: Yuzuru SUNADA10位に入ったナイロアレクサンデル・キンタナ Photo: Yuzuru SUNADA
2位を守ったバウケ・モレマ Photo: Yuzuru SUNADA2位を守ったバウケ・モレマ Photo: Yuzuru SUNADA

 そしてマイヨ・ジョーヌを着た最終走者のクリス・フルームが気合十分の表情でスタート。フロントはバトンホイール、後輪はディスクホイールの通常の平坦TTと変わらないTTバイクを淡々と漕いでいく。途中の計測ポイントではデュムランに遅れを取っていたが、最後の5kmでスピードを上げた。残り3km付近では10%近い上り坂もTTポジジョンで軽快に上ると、第3チェックポイントでは暫定トップのデュムランを逆転。13秒近く上回り、最後の下りでも時速80km超でペダルを漕ぎ続けた。 
 
フルームは残り大観衆の待つゴール前では500mでもダンシングもしながらもがき、最後はハンドルを前に投げるようにゴール。ゴールラインを過ぎると右手でガッツポーズを力強く決めた。「トム(デュムラン)に勝てるとは思わなかった」。フルームは、2位のモレマとのタイム差を1分30秒近く広げ、3分52秒差とし、残る3ステージでの総合優勝に近づく個人TTとなった。

第18ステージ(個人TT)結果
1. クリスファー・フルーム (イギリス、チーム スカイ)30分43秒
2. トム・デュムラン(ベルギー、チーム ジャイアント・アルペシン) +21秒
3. ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +33秒
4. リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)+33秒
5. ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +42秒
6. トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)+1分02秒
7. ヨン・イサギレ(スペイン、モビスター チーム) +1分03秒
8. ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +1分05秒
9. ルイ・メンティス(ポルトガル、ランプレ・メリダ) +1分08秒
10. ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分10秒
141. 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +5分01秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1. クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 77時間55分53秒
2. バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +3分52秒
3. アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +4分16秒
4. ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +4分37秒
5. ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分57秒
6. リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +5分00秒
7. ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +5分35秒
8. アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +6分00秒
9. ルイ・メインティス(南アフリカ、ランプレ・メリダ) +7分15秒
10. ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) +7分18秒
114. 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +3時間00分24秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1. ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 425 pts
2. マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 228 pts
3. ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) 156 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1. ラファウ・ マイカ(ポーランド、ティンコフ) 173 pts
2. トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 90 pts
3. イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ) 78 pts

新人賞(マイヨブラン)
1. アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) 78時間00分09秒
2. ルイ・メインティス(南アフリカ、ランプレ・メリダ) +2分59秒
3. ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +31分38秒

チーム総合
1. モビスター チーム 233時間58分34秒
2. チーム スカイ +3分23秒
3. BMCレーシングチーム +17分21秒

敢闘賞

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