title banner

ツール・ド・フランス2016 第16ステージサガンがスプリントを制しハットトリック 地元凱旋のカンチェッラーラは6位

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
  • 一覧

 ツール・ド・フランス第16ステージは7月18日、モアラン・アン・モンターニュからベルンまでの209kmで行われ、ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)がアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)との写真判定の末、僅差の勝利。今大会3勝目を挙げた。総合首位のマイヨジョーヌは、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が守っている。新城幸也(ランプレ・メリダ)は、2分54秒差の120位でフィニッシュしている。

緑のマイヨヴェールを着るペテル・サガン(中央)がスプリントを制した Photo: Yuzuru SUNADA緑のマイヨヴェールを着るペテル・サガン(中央)がスプリントを制した Photo: Yuzuru SUNADA

第2週最終日はスイスへ入国

 前日に厳しい山岳ステージをクリアしたプロトンはこの日、一路スイスに向かって東へと針路をとった。カテゴリー山岳は終盤の4級1カ所のみと、アルプスの山々を目にしながらも、まずは細かいアップダウンと平坦区間とを進みながら、スイスの首都ベルンに設けられたフィニッシュ地点を目指した。

 今大会の最終週はアルプスでの山岳ステージが続くため、スプリンターにとってはパリ・シャンゼリゼでの最終ステージ前では、実質最後のチャンスとなる。とはいえ、終盤には距離こそ短いながらも急坂が待ち受けるほか、石畳区間もあるなど、一筋縄ではいかないコースでもある。

序盤からレースを先行したトニー・マルティン(左)とジュリアン・アラフィリップ Photo: Yuzuru SUNADA序盤からレースを先行したトニー・マルティン(左)とジュリアン・アラフィリップ Photo: Yuzuru SUNADA

 レースは序盤にトニー・マルティン(ドイツ)とジュリアン・アラフィリップ(フランス)のエティックス・クイックステップ勢が飛び出し、そのまま逃げの体勢に入る。途中、4人が追走集団を形成し逃げる2人を追いかけたが、これは失敗に終わった。先行を容認されたマルティンとアラフィリップは、メイン集団に対し5分前後のタイム差でリードを続けた。

 メイン集団はステージ勝利を狙うチームが主にコントロール。残り100kmを切ってから前を行く2人との差を徐々に縮めていく。その間、167.5km地点に設けられた中間スプリントポイントをアラフィリップが1位で通過。メイン集団はサガンが先頭を押さえ、3位通過。15ポイントを獲得した。

 結果的に、残り20kmを前に逃げていた2人はメイン集団に吸収された。逃げ切りはかなわなかったが、マルティンとアラフィリップ両者には敢闘賞が同時に授与された。

トニー・マルティン(左)とジュリアン・アラフィリップが同時に敢闘賞を受賞 Photo: Yuzuru SUNADAトニー・マルティン(左)とジュリアン・アラフィリップが同時に敢闘賞を受賞 Photo: Yuzuru SUNADA

人数が絞り込まれた集団をサガンが制する

レース後半に集団から飛び出したルイ・コスタ Photo: Yuzuru SUNADAレース後半に集団から飛び出したルイ・コスタ Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げが吸収された直後に、ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)がアタック。すでに総合で大きく遅れており、ステージ優勝を狙って早めに仕掛けた。メイン集団に対し10秒前後のタイム差で逃げ続けるが、残り10kmを切ってステージ優勝狙いのチームが本格的に追撃を開始。コスタも粘りを見せたものの、フィニッシュまで4.5kmのところで捕まった。

 フィニッシュ手前3kmは急坂と石畳が立て続けに現れる。ここでメイン集団からスプリンターが次々と遅れ、人数が一気に絞られた。石畳区間では、セップ・ヴァンマルク(ベルギー、チーム ロットNL・ユンボ)がアタック。数人が追いかけたが、メイン集団の勢いには勝てず。約30人と人数を減らした集団によるスプリント勝負に委ねられた。

 各選手がスプリントタイミングを見極めながらの最終局面。絶好のポジションから加速を開始したのはサガン。並ぶようにしてクリストフが踏み込む。逆サイドからはソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イアム サイクリング)が伸びる。ハンドルを投げ、フィニッシュラインを通過する選手たち。肉眼では誰が勝ったか分からないほど僅差の勝負は、写真判定の末サガンに軍配。今大会3勝目となった。

フィニッシュ付近に詰めかけたペテル・サガンの応援団 Photo: Yuzuru SUNADAフィニッシュ付近に詰めかけたペテル・サガンの応援団 Photo: Yuzuru SUNADA

 そのサガンは自らの勝利を驚いている様子。レース直後のインタビューでは、「2位だとばかり思っていた。勝ったなんて信じられない。チームメイトの仕事ぶりには感謝したい」と述べる。スプリントの場面については、「誰もが私をマークしていて、とても不思議な雰囲気だった。(2位の)クリストフはスプリントでミスを犯していたようだ。彼が加速するタイミングが遅れたことが、結果的に私の勝利の要因となった」と説明した。

 そのほか、総合上位陣はいずれもメイン集団でフィニッシュ。マイヨジョーヌはフルームが守っている。

凱旋のカンチェッラーラは6位フィニッシュ

 このステージで大きな注目を集めたのは、ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード)。近郊の町で生まれ育ち、現在はこの日のフィニッシュ地点であるベルンに拠点を置く。この街にとっては10年来のツール誘致がようやく実現し、現役最終シーズンであるカンチェッラーラにとっても並々ならぬ思いで臨んだレースだ。

 終盤の上りをクリアしたカンチェッラーラは、スプリントに参戦。前から10番手あたりをキープして最終局面を迎えたが、6位でのフィニッシュとなった。

 レースを終えて、「うまくいかなかった。最高のライダーがそろっていたこともあり、前方で戦うことは非常に難しかった。結果的に私より強い選手がいたことがすべて」と悔しさをにじませる。それでも、地元でのフィニッシュは充実したものだったといい、「明日は休息日なので、今夜はビールでも飲むよ。まぁ、ワインはシーズンが終わってからのお楽しみということにしておくよ」と明るいコメントを残している。

◇         ◇

 ツールは第2週の戦いが終了。19日はスイス・ベルンで2回目の休息日となり、アルプス決戦が控える第3週は20日から戦いが始まる。

第16ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 4時間26分2秒
2 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
3 ソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イアム サイクリング) +0秒
4 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) +0秒
5 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +0秒
6 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード) +0秒
7 セップ・ヴァンマルク(ベルギー、チーム ロットNL・ユンボ) +0秒
8 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、エティックス・クイックステップ) +0秒
9 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +0秒
10 フレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +0秒
120 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +2分54秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 72時間40分38秒
2 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +1分47秒
3 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +2分45秒
4 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2分59秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分17秒
6 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分4秒
7 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +4分27秒
8 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +4分47秒
9 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) +5分3秒
10 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +5分16秒
130 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +2時間37分7秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 405pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 291pts
3 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 228pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) 127pts
2 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)90pts
3 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 69pts

新人賞(マイヨブラン)
1 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) 72時間43分23秒
2 ルイ・メインティス(南アフリカ、ランプレ・メリダ) +3分3秒
3 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +16分30秒

チーム総合
1 モビスター チーム 218時間3分31秒
2 チーム スカイ +6分29秒
3 BMCレーシングチーム +9分1秒

敢闘賞
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
トニー・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)

この記事のタグ

ツール・ド・フランス2016 ツール2016・レースレポート

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

サイクリストTV

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載

連載