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ツール・ド・フランス2016 第14ステージカヴェンディッシュがキッテルをかわし今大会4勝目 ツール通算30勝の大台に

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ツール・ド・フランス第14ステージが7月16日、モンテリマールからヴィラール・レ・ドンブ・パルク・デ・オワゾーに至る208.5kmで行われ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が集団スプリントを制して今大会4勝目を挙げた。総合上位陣に波乱はなく、新城幸也(ランプレ・メリダ)は先頭と同タイムの集団内81位でゴールした。

スプリントを圧倒したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が今大会4勝目をアピール Photo: Yuzuru SUNADAスプリントを圧倒したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が今大会4勝目をアピール Photo: Yuzuru SUNADA

向かい風に阻まれスローペースに

 この日は個人タイムトライアルと超級山岳ステージに挟まれた、比較的平坦基調のコース設定。スプリンター勢の活躍とともに、小さなアップダウンが続くことから逃げも考えられるステージだったが、強い向かい風でスピードが上がらず、動きが少ない一日になった。

4人の逃げグループ Photo: Yuzuru SUNADA4人の逃げグループ Photo: Yuzuru SUNADA

 スローペースが予想されたため、レースは当初の予定より15分早くスタートが切られた。スタート直後のアタック合戦はなく、序盤20.5km地点の4級山岳ポイントは、山岳賞ジャージを着るトマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)が先頭で通過した。平均時速30kmほどという、スピードが上がらない最初の1時間が終わろうという頃、ようやく4人の逃げが決まった。

 集団から抜け出したのはマルティン・エルミガー(スイス、イアム サイクリング)、アレックス・ハウズ(アメリカ、キャノンデール・ドラパック チーム)、ジェレミー・ロワ(フランス、エフデジ)、チェーザレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・アルゴン18)の4人。集団は逃げを容認し、すぐに4分以上の差が開いた。メイン集団はスプリンターを抱えるエティックス・クイックステップ、ディメンションデータ、チーム カチューシャのアシストが1人ずつ先頭に入ってコントロールされた。

地元ロワが敢闘賞を獲得

 中盤の2つの4級山岳ポイントは、先頭4人は特に争うことなくハウズ、ベネディッティがそれぞれ先頭で通過。その後も山岳ポイントの付かない小さなアップダウンが続くが、逃げと集団の間は3分前後に保たれて淡々とレースは続いた。

ヒマワリ畑を行く集団 Photo: Yuzuru SUNADAヒマワリ畑を行く集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 145.5km地点に設けられた中間スプリントでは、逃げグループでもスプリントが行われ、ベネディッティが先頭で通過した。メイン集団でも総合ポイント賞争いの上位選手が5番手を争い、現在ポイント賞のマイヨヴェールを着るペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)が順当に先頭を獲った。

アシストに守られて走るマイヨジョーヌのクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) Photo: Yuzuru SUNADAアシストに守られて走るマイヨジョーヌのクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) Photo: Yuzuru SUNADA

 スプリントポイントを機に徐々にペースが上がったメイン集団は、先頭との差を急速に縮め、残り50kmで約1分差となった。しかし早い段階で逃げを吸収することを集団は嫌い、タイム差が保たれるペースコントロールが続いた。スプリンターチームだけでなく、総合上位争いのチームもそれぞれ隊列を組んで道一杯に広がり、徐々にレース終盤に向けて緊張感が高まっていった。

 集団はフランス第2の都市、リヨンの街をかすめてゴールに向かう。残り20kmでタイム差は20秒とわずか。向かい風で圧倒的に不利な状況で逃げ続けた4人だが、まずハウズが残り14kmの小さな上りで脱落。続いてベネディッティが残り10kmで先頭から遅れた。残るロワとエルミガーは最後まで協力して逃げ続けたが、残り3.5kmでついに集団に飲み込まれた。吸収される瞬間に2人は握手。地元フランスのロワがこの日の敢闘賞に選ばれた。

カヴェンディッシュが圧倒

 最終段階はスプリンターチームの競演となった。各チームの位置取り争いから、最終的にスプリントを先導したのはエティックス・クイックステップ。アシストに導かれて残り200m直前でマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が先頭に立ったが、その後ろにつけていたカヴェンディッシュが鋭く加速すると、一気にキッテルを追い抜いた。

 一瞬競り合う2人だが、勢いはカヴェンディッシュに軍配。2人のライン取りが交錯しかかり、危うく避けたキッテルがアピールする姿もみられたが、すでに勝負は決していた。カヴェンディッシュが先頭でゴールして今大会4勝目。2位にアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)、3位にサガンが続いた。

昨年まで長年所属したチーム(現ディレクトエネルジー)のジョンルネ・ベルノドーGMと語らう新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA昨年まで長年所属したチーム(現ディレクトエネルジー)のジョンルネ・ベルノドーGMと語らう新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 ツールでの通算勝利数を30勝の大台に乗せたカヴェンディッシュ。今季はトラックレースに復帰し、8月のリオデジャネイロでは金メダルを狙う。「トラックレースへの復帰が好調の要因かと聞かれるが、身体能力的には変わっていない。ただ昨年より忍耐強くなっているんだ」と今大会の好調について語るカヴェンディッシュ。「キッテルが残り2kmでわずか4人のアシストに先導されているのを見て、最後までもたないと思った。自分は彼のスピードが少し落ちるのを待ったんだ」と勝因を語った。

 121位までがトップと同タイムでゴール。総合上位勢に波乱はなく、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が順当にマイヨジョーヌを守っている。

 翌第15ステージは、ブール・ガン・ブレスからのキュロズまでの159kmで行われる。途中6つの山岳ポイントが設定され、1級山岳が2つと、超級山岳グラン・コロンビエの上りが待ち受ける。ほとんどが上りと下りで構成され、上りでの争いはもちろん、下りのテクニックも勝負を分けることになりそうだ。

第14ステージ結果
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 5時間43分49秒
2 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) +0秒
4 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) +0秒
5 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +0秒
6 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) +0秒
7 ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) +0秒
8 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
9 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +0秒
10 サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +0秒
81 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 63時間46分40秒
2 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +1分47秒
3 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +2分45秒
4 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2分59秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分17秒
6 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +3分19秒
7 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分4秒
8 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +4分27秒
9 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) +5分3秒
10 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +5分16秒
137 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +2時間14分40秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 340 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 278 pts
3 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 228 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 90 pts
2 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) 77 pts
3 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ) 68 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) 63時間49分25秒
2 ルイ・メインティス(南アフリカ、ランプレ・メリダ) +3分3秒
3 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +5分38秒

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 191時間18分28秒
2 モビスター チーム +2分30秒
3 チーム スカイ +8分10秒

敢闘賞
ティボ・ピノー(フランス、エフデジ)

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