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2012 JAPAN CUPバッソが歓喜のジャパンカップ初優勝 海外トッププロが表彰台を占める

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 宇都宮にヨーロッパの風が吹き抜けた。世界のトッププロが参戦したジャパンカップ・サイクルロードレースが10月21日、宇都宮森林公園で行われ、4人によるゴールスプリントを制したイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が優勝した。日本人では清水都貴(ブリヂストン・アンカー)の6位が最高だった。

表彰式の上位3人。左から2位のマーティン、優勝のバッソ、3位のマイカ表彰式の上位3人。左から2位のダニエル・マーティン、優勝のイヴァン・バッソ、3位のラファル・マイカ

 “ジャパンカップを愛する男”が念願の初勝利だ。ジロ・デ・イタリアを2度制した正真正銘のトップレーサーは、2008年のジャパンカップ初出場時から日本好きを公言し、チームが出場しなかった2010年を除いて4回も出場してきた。しかし自身の順位は2008年の3位が最高。久々に上った表彰台で、ついに一番高い場所へ立った。

 レースは14.1kmの周回を10周と、最終周回のみショートカットの10.3kmを回る、合計151.3kmの距離で行われた。序盤はスタート直後にアタックで抜け出した日本人選手が逃げ集団を作り、海外プロチームがメーン集団のペースを作るという、例年通りの展開となった。

朝10時にレーススタート。68人のトップ選手が出走した朝10時にレーススタート。68人のトップ選手が出走した
古賀志林道の厳しい上りをゆくメーン集団古賀志林道の厳しい上りをゆくメーン集団
レース前半を逃げ続けた日本人8人の集団レース前半を逃げ続けた日本人8人の集団
大観衆の中を上るメーン集団。先頭は海外プロチームの選手が固める大観衆の中を上るメーン集団。先頭は海外プロチームの選手が固める
前半の山岳賞争いは、中根英登と初山翔の争いに。1回目、2回目ともに中根が制した前半の山岳賞争いは、中根英登と初山翔の争いに。1回目、2回目ともに中根が制した

 8人の逃げ集団は井上和郎(ブリヂストン・アンカー)、内間康平、中根英登、小森亮平(チームNIPPO)、福島晋一、六峰亘(日本ナショナルチーム)、阿部‎嵩之(シマノレーシング)、初山翔(宇都宮ブリッツェン)。NIPPOが3人を送り込み、途中3周目と6周目の山岳賞を中根が獲得した。メーン集団は先頭と3分弱の差を保ちながら淡々と前半戦をこなし、レース後半になって徐々に前との差を詰め始めた。

コスモス畑の横を走るメーン集団。隊列は長く伸びて追い込み体制だコスモス畑の横を走るメーン集団。隊列は長く伸びて追い込み体制だ

 メーン集団の追走を受ける先頭集団は徐々に人数を減らし、9周目には井上と内間のみが前に残る形に。この周の山岳賞を井上が取る一方、メーン集団は上りで急激にペースアップ。15人弱が後続を振り切る形で山岳ポイントを通過する。井上と内間も下りで追走集団に吸収され、さらにアタックがかかって先頭は10人弱となる。この中に残る日本人選手は、序盤から逃げ続けた井上と、平塚吉光(シマノレーシング)の2人だけとなった。

 9周目の最後の上りでジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)がアタック。独走で残り2周に突入し、20秒差で7人の集団が追いかける展開となった。さらに1分差で大きな集団が追走。この集団の先頭に立ってペースを上げるのは宮澤崇史(サクソバンク・ティンコフバンク)だ。宮澤のアシストを受けてチームメイトのラファル・マイカが古賀志の上りで発射。マイカは一気に前の集団に追い付いた。

 アレドンドは吸収され、さらに後方集団からもペテル・サガン(リクイガス・キャノンデール)がバッソら数人を引き連れて先頭集団に合流した。しかし、ほぼ同時にアタックが掛かり、先頭グループは再構成される。

最終的に絞られた4人の先頭集団最終的に絞られた4人の先頭集団

 先頭はバッソ、アレドンド、マイカ、清水都貴、ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ)、クリスチャン・メイヤーとサイモン・クラーク(オリカ・グリーンエッジ)の7人だ。この中ではグリーンエッジの2人と清水が苦しそうな表情を見せる。

 いよいよ最終周回。古賀志の上りではバッソとマイカ、アレドンドが後ろを引き離す。しかし山頂直前で猛烈にスピードを上げて追い付いたマーティンが、3人を追い抜いてカウンターアタック。2010年にも独走でジャパンカップ勝利を獲得しているマーティンが、自らの得意パターンに持ち込んで優勝を狙う。

 バッソら3人も協調して追走し、下りからの平坦区間でマーティンを捕える。ゴールまでの約3kmは互いを牽制する睨み合い状態となり、アタックが掛からないまま距離を刻んでいく。そんな中で時折バッソが先頭に出ない場面が見られるようになる。

イヴァン・バッソ(リクイガス・キャノンデール)が、ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ)に僅差で競り勝ち、ジャパンカップ初優勝を飾ったイヴァン・バッソ(リクイガス・キャノンデール)が、ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ)に僅差で競り勝ち、ジャパンカップ初優勝を飾った
雄叫びを上げてガッツポーズするバッソ雄叫びを上げてガッツポーズするバッソ

 残り1kmの上り坂でもアタックは掛からず、勝負はゴールスプリントに持ち込まれた。先頭でスピードを上げたマーティンに、バッソが競りかかる。途中で前に出たバッソが粘るマーティンを退け、先頭でゴールラインを切った。バッソは雄叫びを上げてガッツポーズ。見事ジャパンカップ初優勝を飾った。

 10位以内の日本人は、6位の清水と、9位の畑中勇介(シマノレーシング)の2人。2010年、2011年と2年連続で日本人選手が表彰台に上がっていたが、今年は手が届かなかった。ラスト3周の攻防は非常に激しく、最終的にUCIプロチームのトップ選手3人が表彰台を占めるなど、世界レベルの“本気のレース”が堪能できたジャパンカップとなった。

表彰式でスポンサーから飛行機の模型をプレゼントされ、ご満悦のバッソ表彰式でスポンサーから飛行機の模型をプレゼントされ、ご満悦のバッソ
山岳賞表彰。中根英登(左、チームNIPPO)と井上和郎(右、チームブリヂストン・アンカー)山岳賞表彰。中根英登(左、チームNIPPO)と井上和郎(右、チームブリヂストン・アンカー)
6位に入った清水都貴がアジア最優秀賞を獲得6位に入った清水都貴がアジア最優秀賞を獲得
U23最優秀選手賞、ルイス・レムス・ダヴィラ(ジェリーベリーサイクリング)。弱冠20歳のメキシコチャンピオンだU23最優秀選手賞、ルイス・レムス・ダヴィラ(ジェリーベリーサイクリング)。弱冠20歳のメキシコチャンピオンだ

2012ジャパンカップ結果(14.1km×10+10.3km=151.3km)
1 イヴァン・バッソ(リクイガス・キャノンデール) 4:01:58
2 ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ) +0
3 ラファル・マイカ(サクソバンク・ティンコフバンク) +0
4 ジュリアン・デビッド・アレドンド(チームNIPPO) +0
5 クリスチャン・メイヤー(オリカ・グリーンエッジ) +46
6 清水都貴(チームブリヂストン・アンカー) +59

(文 米山一輝・写真 早坂洋祐)

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