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ツール・ド・フランス2016 第6ステージ好調のカヴェンディッシュが大会3勝目 スタートから逃げた新城幸也は敢闘賞を獲得

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
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 ツール・ド・フランス第6ステージが7月7日、アルパジョン・シュル・セールからモントーバンまでの190.5kmで争われ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)がゴールスプリントを制し今大会3勝目を挙げた。新城幸也(ランプレ・メリダ)はレース開始直後から残り20km近くまで逃げ続け、2012年以来2度目の敢闘賞を獲得し表彰台に立った。

集団ゴールスプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) Photo: Yuzuru SUNADA集団ゴールスプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) Photo: Yuzuru SUNADA

けがを負った新城のチャレンジ

 フランス北部から南下してきたプロトンが、ピレネーを目指しさらに南西へ向かうステージ。62km地点に3級山岳が設定され、そこから続くアップダウンのなかで、4級山岳と中間スプリントポイントが登場する。149km地点の3級山岳を越えると、最後の30kmはほぼ平坦路となるスプリンター向けのコースだ。

 レースがスタートすると、新城とヤン・バルタ(チェコ、ボーラ・アルゴン18)がファーストアタックで逃げを決めた。新城は第1ステージで落車により左手を負傷し、前日の第5ステージでも落車に巻き込まれ同じ箇所を痛めていた。調子が上がっていないことも示唆していたなか、意外なタイミングでのチャレンジだ。第1ステージでも逃げたバルタは、2012年から4年連続で国内選手権のタイムトライアルを制するなど独走力がある。

長距離を逃げ続けた新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA長距離を逃げ続けた新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団前方には、リーダーチームであるBMCレーシングチームの列車の前に、ディメンションデータ、エティックス・クイックステップ、ロット・ソウダルがアシスト選手を送り込んだ。有力なスプリンターチームが、そろってステージ優勝を狙う意思を示した。

 逃げとメイン集団とのタイム差は最大で5分を超えた。第1山岳をバルタ、新城の順で通過すると、第2山岳は新城が先頭通過した。上り基調の中間スプリントポイントでは、バルタがアタックするも、新城は反応せずトップを譲った。

 メイン集団ではマイヨヴェールを巡ってポイント賞争いの上位勢がスプリント勝負を繰り広げた。マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)、ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)が先行したが、ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)が追い上げて先着。伸びのある上りスプリントを披露したコカールを、第4ステージで優勝を争ったキッテルが笑顔で称える姿が見られた。

逃げ続けた2人の駆け引き

マイヨジョーヌのフレッヒ・ヴァンアーヴルマート  Photo: Yuzuru SUNADAマイヨジョーヌのフレッヒ・ヴァンアーヴルマート<br /> Photo: Yuzuru SUNADA

 リラックスした様子の集団とは対照的に、新城とバルタは黙々と走り続ける。日差しが強く、新城は頭から水をかぶったりコーラを飲んだりと、暑さを感じていることがうかがえた。時速40kmを下回るペースでレースが進むなか、集団との差は縮まっていった。

 最後の山岳が近づくと、逃げと集団のタイム差は1分を切った。3級山岳の頂上付近でバルタがアタックし1位通過。そこから2人はペースアップを図り、タイム差はまた少し広がった。集団は、新城が所属していたディレクトエネルジー(旧チーム ヨーロッパカー)がコカールのステージ優勝のため、キャプテンのトマ・ヴォクレール(フランス)を中心にトレインを組んで追い上げた。

 残り30kmを過ぎると、協調してきた2人の間で最後の駆け引きが始まった。新城はコーナーの連続する町中で引き離すが、バルタは直線で追い上げる。バルタが横風の吹く直線でアタックすると、今度は新城も食らいつく。2人は互いに譲らず走り続けたが、残り22kmで集団に吸収された。その後も新城は集団内でゴールを目指し、敢闘賞を受賞したことがレース終了前に発表された。

ツール通算29勝目

炎天下を走るプロトン Photo: Yuzuru SUNADA炎天下を走るプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 集団前方では、スプリンターチームと総合系チームのトレインが入り乱れるお馴染みの光景が広がった。しかし残り5kmを過ぎると、やはりスプリンターチームの姿が目立つようになっていった。ここまで望むような結果を残せていないアンドレ・グライペル(ドイツ)のロット・ソウダルやアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)のチーム カチューシャなどが激しい位置取りを展開した。

 そして残り1kmでエティックス・クイックステップも争いに加わった。キッテルを集団前方に送り込んだエティックスのトレインは、ファビオ・サバティーニ(イタリア)が発射台として最後のスピードアップ。コカール、グライペル、サガン、キッテル、カヴェンディッシュという並びでスプリントの体勢に入った。

 早がけになったコカールとグライペルが失速するなか、先頭に出たのはカヴェンディッシュとキッテル。チームメイトに引かれたクリストフや、カヴェンディッシュのスリップストリームを利用したダニエル・マックレイ(イギリス、フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト)も迫る。しかし最後は今大会でステージ優勝を上げている2人の競り合いとなり、カヴェンディッシュがキッテルを上回った。

敢闘賞を獲得し表彰式に登場した新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA敢闘賞を獲得し表彰式に登場した新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 カヴェンディッシュは今大会3勝目を挙げ、ツール通算29勝を達成。ポイント賞でトップに再浮上し、マイヨヴェールに袖を通した。マイヨジョーヌはフレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)がキープしている。敢闘賞を受賞した新城は、レース後には「タイム差が減っていくなかでも、まだステージ優勝を目指して走っていた」とコメント。翌第7ステージで赤ゼッケンをつけられることを喜びながらも、ステージ優勝にかける強い思いをうかがわせた。

第6ステージ結果
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 4時間43分48秒
2 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +0秒
3 ダニエル・マックレイ(イギリス、フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト) +0秒
4 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
5 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +0秒
6 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) +0秒
7 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +0秒
8 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) +0秒
9 ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) +0秒
10 シェイン・アーチボルド(ニュージーランド、ボーラ・アルゴン 18) +0秒
132 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +4秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 フレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) 30時間18分38秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ) +5分11秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +5分13秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ) +5分14秒
5 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +5分17秒
6 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +5分17秒
7 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +5分17秒
8 ピエール・ローラン(フランス、キャノンデール・ドラパック チーム) +5分17秒
9 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +5分17秒
10 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) +5分17秒
137 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +33分7秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 204 pts
2 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 182 pts
3 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 175 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 13 pts
2 フレッヒ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) 11 pts
3 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 5 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ) 30時間23分49秒
2 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +6秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +6秒

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 91時間8分23秒
2 チーム スカイ +3分36秒
3 モビスター チーム +4分12秒

敢闘賞
新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)

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