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ツール・ド・フランス2016 第4ステージ連日の僅差のスプリント争い キッテルがコカールとの競り合いを制して今大会初勝利

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ツール・ド・フランス第4ステージが7月5日、ソミュールからリモージュに至る237.5kmで行われ、集団スプリントをマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が制して今大会初勝利を挙げた。総合首位のペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)はステージ3位に入りマイヨジョーヌをキープ。新城幸也(ランプレ・メリダ)は112位で集団ゴールしている。

中央のマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)がゴールスプリントを制して今大会初勝利。右のブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)との差はわずか数cmだった Photo: Yuzuru SUNADA中央のマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)がゴールスプリントを制して今大会初勝利。右のブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)との差はわずか数cmだった Photo: Yuzuru SUNADA

追い風に乗り淡々とした展開

 今大会最長となる第4ステージは途中に4級山岳が1つあるのみの平坦ステージ。しかしツール・ド・リムザンのゴール地点として知られるリモージュに至るレース後半は、プロフィールに表れない細かなアップダウンが連続する、気の抜けないコースだ。レースは静かなスタートを切ったが、徐々に抜け出し狙う動きが始まり、30km地点を前に4人の逃げが容認された。

自転車にモーターが入っていないか、UCI(国際自転車競技連合)による検査が行われた Photo: Yuzuru SUNADA自転車にモーターが入っていないか、UCI(国際自転車競技連合)による検査が行われた Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げグループを形成したのはアレクシー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、マルケル・イリサル(スペイン、トレック・セガフレード)、オリヴル・ナーセン(ベルギー、イアム サイクリング)、アンドレアス・シリンガー(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)。メイン集団は早々に逃げグループに5分のタイム差を与えて、レースの半分までは淡々としたペースで進んだ。

 追い風に乗り、想定よりも速いペースで進むレース。後半に入り徐々にスプリンターを擁する各チームのアシストがメイン集団をコントロールし、先頭とのタイム差は2分程度に詰めて保たれた。

 先頭では中間スプリントをシリンガーが獲得。続くメイン集団での中間スプリント争いは、エティックス・クイックステップのアシストをかわして早く仕掛けたサガンが先頭で通過した。前日ポイント賞のマイヨヴェールを手放したサガンだが、5年連続の獲得に向けて手を抜かずポイントを取っていく姿勢だ。

スプリンターチームが1人ずつアシストを先頭に置いてメイン集団をコントロール Photo: Yuzuru SUNADAスプリンターチームが1人ずつアシストを先頭に置いてメイン集団をコントロール Photo: Yuzuru SUNADA

ジェットコースターのような終盤戦

 唯一の4級山岳ポイントは、逃げグループのイリサルが獲得。メイン集団ではロット・ソウダルがチーム全体で先頭付近を占めるなど、徐々に位置取り争いが始まる。逃げとのタイム差は1分弱に縮まり、残り38kmでグジャールが遅れて先頭は3人になった。

 レース終盤になり、ツール・ド・リムザンで見られる小刻みなアップダウンとコーナーの連続が、集団を縦に横に揺さぶる。残り10kmを切り、1kmほどの小さな急勾配の丘で、ついに逃げは集団に全て吸収された。

スタート前の新城幸也(左)とルイ・コスタ。新城はツール・ド・リムザンで総合優勝の経験がある Photo: Yuzuru SUNADAスタート前の新城幸也(左)とルイ・コスタ。新城はツール・ド・リムザンで総合優勝の経験がある Photo: Yuzuru SUNADA

 各チームが位置取り争いの隊列をそれぞれ築くなか、コースはランドアバウトや中央分離帯が断続的に現れ、集団は緊張感を高めつつも淡々と残り距離を減らしていった。集団先頭はロット・ソウダルが、スプリンターのアンドレ・グライペル(ドイツ)を引き連れて牽引する形だ。

 いよいよ残り1kmとなり、広がった道路で一気にスプリント争いの動きが活発化した。残り500mで先頭に出たのはアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)擁するチーム カチューシャ。しかし後ろからグライペル、キッテル、サガンらもスプリントを仕掛ける。猛然と先頭に躍り出たのはキッテル。しかしその後ろから強力な追い込みをみせたのは、ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)だった。

連日の“タイヤ差”争い

 体を大きく左右に揺らしながらキッテルに迫るコカール。限界ギリギリの戦いに互いに上半身を接触させながら、最後はゴールラインでハンドルを投げ合った。前日の第3ステージに続く数cmの超僅差のスプリント。双方ガッツポーズはなく、ゴール後のキッテルは疲労と不安から路上にうずくまる。ようやく1分後に勝者キッテルが告げられると、キッテルは一気に満面の笑顔となりガッツポーズで立ち上がった。

マイヨジョーヌのサガン(左)がマイヨヴェールのカヴェンディッシュとスタート前に話し込む Photo: Yuzuru SUNADAマイヨジョーヌのサガン(左)がマイヨヴェールのカヴェンディッシュとスタート前に話し込む Photo: Yuzuru SUNADA

 キッテルは前年のツールを体調不良で欠場し、長年所属したチームから移籍して今年の大会に臨んでいた。第1ステージでの優勝とマイヨジョーヌの獲得を狙っていたが、その目標は果たせず落胆していたという。しかし勝利への意欲は失わず、4日目にして今大会初勝利を挙げた。「とにかく嬉しい。勝利のために戦ってくれたチームをとても誇りに思う」とレース後のキッテルは語った。

 「早く仕掛けすぎた」というサガンはスプリント後半が伸びずに3位。しかしマイヨジョーヌを堅守するとともに、前日一旦手放したマイヨヴェールを再び手に取り戻した。その他の有力選手もトラブルなくゴールしている。

第4ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 5時間28分30秒
2 ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) +0秒
4 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +0秒
5 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ) +0秒
6 ソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イアム サイクリング) +0秒
7 ダニエル・マックレイ(イギリス、フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト) +0秒
8 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チーム ディメンションデータ) +0秒
9 サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +0秒
10 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +0秒
122 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +52秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 20時間3分2秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ) +12秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +14秒
4 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +18秒
5 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +18秒
6 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ) +18秒
7 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +18秒
8 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +18秒
9 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +18秒
10 ピエール・ローラン(フランス、キャノンデール・ドラパック チーム) +18秒
133 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +8分1秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 147 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チーム ディメンションデータ) 142 pts
3 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 137 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 4 pts
2 ポール・ヴォス(ドイツ、ボーラ・アルゴン 18) 2 pts
3 アルミンド・フォンセカ(フランス、フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト) 1 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ) 20時間3分14秒
2 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +6秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +6秒

チーム総合
1 オリカ・バイクエクスチェンジ 60時間10分0秒
2 チーム スカイ +0秒
3 モビスター チーム +21秒

敢闘賞
オリヴル・ナーセン(ベルギー、イアム サイクリング)

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