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ツール・ド・フランス2016 第3ステージカヴェンディッシュがタイヤ差で今大会2勝目 サガンはマイヨジョーヌをキープ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ツール・ド・フランス第3ステージは7月4日、グランヴィルからアンジェまでの223.5kmで争われ、スプリンターによるフィニッシュ前の勝負をマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)が制した。第1ステージに続くステージ優勝で、今大会2勝目。総合首位のマイヨジョーヌを着てスタートしたペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ)はステージ4位となり、ジャージを守っている。新城幸也(ランプレ・メリダ)は、トップと同タイムの67位で終えている。

きわどいゴールスプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ(右から2人目) Photo: Yuzuru SUNADAきわどいゴールスプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ(右から2人目) Photo: Yuzuru SUNADA

地元の期待を背負ったフォンセカが1人逃げ

 3日間続く200km超の長距離ステージ初日。グランヴィルをスタートした一行は、ノルマンディに別れを告げ、ブルターニュ地方を通過しながら南下する。序盤に4級山岳ポイントがあるほかは目立ったアップダウンはなく、戦前からスプリントステージとなることが予想された。

 アンジェのフィニッシュ前は道幅が狭いうえ、テクニカルなコーナーが連続。特にラスト300mに設けられた最終コーナーを何番手でクリアするかは、ステージ優勝を狙う選手には大きなポイントとなった。

ファーストアタックを決め、単独で逃げたアルミンド・フォンセカ Photo: Yuzuru SUNADAファーストアタックを決め、単独で逃げたアルミンド・フォンセカ Photo: Yuzuru SUNADA

 レースは、スタート直後にファーストアタックを決めたアルミンド・フォンセカ(フランス、フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト)が1人逃げ。フォルテュネオ・ヴィタルコンセプトのベースがブルターニュ地方とあり、地元の期待に応えた格好だ。街を通過する際には沿道のファンの声援を一身に浴び、フォンセカも手を振って反応するシーンが見られた。

 一方のメイン集団は、25km地点でフォンセカとの差を11分05秒となったのを境に、少しずつタイム差をコントロール。それでも、すぐにフォンセカに追いつくのを避けるため、しばしば時速35km程度にスピードを落としサイクリングペースで進んだ。集団では、リーダーチームもティンコフを筆頭に、ロット・ソウダル、ディメンションデータなど、エーススプリンターでの勝利を見据えるチームが前方へと顔を覗かせた。

包帯を巻いて走るアルベルト・コンタドール Photo: Yuzuru SUNADA包帯を巻いて走るアルベルト・コンタドール Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団内のあちこちで選手同士が談笑する姿が見られたが、その空気が一変したのは残り90kmを切ってすぐのタイミング。ゆっくりの進行に痺れをきらしたかのように、トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)が単独でアタック。やがて、前を行くフォンセカにも追いつき、2人での逃げが始まった。

熾烈な主導権争いからのスプリント勝負

 残り52.5km地点に設けられた中間スプリントポイントは、まずフォンセカが1位通過し、すぐ後ろでヴォクレールが続く。メイン集団は3位通過を狙って有力スプリンターが動いた。ここはマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が押さえた。

逃げの2人に集団が迫ってくる Photo: Yuzuru SUNADA逃げの2人に集団が迫ってくる Photo: Yuzuru SUNADA

 一時は1分を切ったタイム差だったが、メイン集団はすぐに追いつこうとはせず、ペースを調整しながら進んだ。前を行くヴォクレールとフォンセカも粘りを見せたが、それが許されたのはラスト7kmまで。スプリントに向けた準備を進めるチームが前方へと集まり、集団のペースが上がっているところで2人をキャッチした。

 勝負は大方の予想通り、スプリントに委ねられることとなった。エティックス・クイックステップやディメンションデータなどのリードアウトマンが熾烈な主導権争いを展開。ラスト1kmのフラムルージュを通過すると、今度はロット・ソウダルのトレインが前方へ。最終コーナーを抜け、抜群のポジションで加速したのはアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)だ。

 グイグイと前へ突き進むグライペルだが、その横からは緑のポイント賞ジャージであるマイヨヴェールを着るカヴェンディッシュが猛然と追い込む。そして横に並んだと同時に、両者ハンドルを投げてフィニッシュラインを通過。直後にグライペルが腕を挙げてガッツポーズ。カヴェンディッシュはどちらが勝ったか分からないといった表情で結果発表を待った。

 写真判定の末、カヴェンディッシュの勝利が発表されると、チームメイトやスタッフと抱き合って大喜び。その差数センチ、タイヤ1本分あるかないかといったところだった。今大会2勝目を挙げると同時に、この日はマイヨジョーヌを着るサガンに代わって繰り上げで着用したマイヨヴェールを、この日の勝利で真に自らのものとした。

通算勝利数2位タイの28勝目

スタート地点では、選手の安全祈願の想いを込めた千羽鶴がさいたま市役所の清水大樹さんからツール・ド・フランスの大会ディレクター、A.S.O.のクリスティアン・プリュドム氏に贈呈された。ステージではプリュドム氏自ら、「平和のシンボルである折り鶴をいただいた。ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムは本大会の上位選手だけが行けるレース。大変な混雑と人気」と紹介した Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAスタート地点では、選手の安全祈願の想いを込めた千羽鶴がさいたま市役所の清水大樹さんからツール・ド・フランスの大会ディレクター、A.S.O.のクリスティアン・プリュドム氏に贈呈された。ステージではプリュドム氏自ら、「平和のシンボルである折り鶴をいただいた。ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムは本大会の上位選手だけが行けるレース。大変な混雑と人気」と紹介した Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 カヴェンディッシュはこのステージ優勝で、ツールの通算勝利数28に伸ばし、ベルナール・イノー氏に並ぶ2位タイに浮上。1位は34勝のエディ・メルクス氏だが、イノー氏とともに個人タイムトライアルで勝利数を多く挙げていることもあり、スプリント勝利だけで見るとカヴェンディッシュが群を抜いている。長きに渡ってそのスピードと勝負強さを発揮してきたことの証明だ。

 レース後のインタビューでは、「(グライペルと)どちらが勝ったか分からなかった。フィニッシュラインを通過するまで何が起こるか分からないし、簡単に勝てるわけではないことも理解していた。グライペルの後ろからスプリントに持ち込みたいと考えていたが、それを実行できたのがよかった。チームメイトの働きも素晴らしかった」と答えた。

 結果的に、136位までがトップと同タイムでのフィニッシュとなった。総合争いで有力視される選手たちも大きなトラブルなくステージを終えている。

マイヨジョーヌを守ったペテル・サガン Photo: Yuzuru SUNADAマイヨジョーヌを守ったペテル・サガン Photo: Yuzuru SUNADA

第3ステージ結果
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 5時間59分54秒
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) +0秒
3 ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) +0秒
4 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) +0秒
5 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) +0秒
6 ソンドレ・ホルストエンゲル(ノルウェー、イアム サイクリング) +0秒
7 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +0秒
8 クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +0秒
9 ダニエル・マックレイ(イギリス、フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト) +0秒
10 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +0秒
67 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 8時間34分42秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ) +8秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +10秒
4 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +14秒
5 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +14秒
6 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +14秒
7 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ) +14秒
8 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル) +14秒
9 ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム) +14秒
10 ダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) +14秒
139 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +7分5秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ) 123pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ティンコフ) 116pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 79pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 4pts
2 ポール・ヴォス(ドイツ、ボーラ・ アルゴン18) 2pts
3 アルミンド・フォンセカ(フランス、フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト) 1pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ) 14時間34分44秒
2 ワレン・バルギル(フランス、チーム ジャイアント・アルペシン) +6秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +6秒

チーム総合
1 オリカ・バイクエクスチェンジ 43時間44分30秒
2 チーム スカイ +0秒
3 モビスター チーム +21秒

敢闘賞
トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)

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