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ツール・ド・フランスを楽しむ4ステップ<4>これがあるからツールは面白い…大会終盤の名場面であなたも歴史の目撃者に

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 4回にわたってお届けしてきた「ツール・ド・フランスを楽しむ4ステップ」の最終回。今回は、大会終盤で起きた大逆転や名勝負、名場面をピックアップする。勝負の行方はパリ・シャンゼリゼのゴールにたどり着くまで分からない、それは過去102回の歴史が教えてくれたことでもある。ぜひスカパー!の生中継でツールをご覧いただき、誰もが予想だにしなかった驚きと出会ってほしい。

ツール・ド・フランス2015第19ステージ。マイヨジョーヌのクリストファー・フルーム(右から2人目)とナイロアレクサンデル・キンタナ(右から3人目)が最後まで熾烈な争いを繰り広げた =2015年7月24日 Photo: Yuzuru SUNADAツール・ド・フランス2015第19ステージ。マイヨジョーヌのクリストファー・フルーム(右から2人目)とナイロアレクサンデル・キンタナ(右から3人目)が最後まで熾烈な争いを繰り広げた =2015年7月24日 Photo: Yuzuru SUNADA

ツール史上最小タイム差は8秒

ピレネー、アルプスの山岳でシーソーゲームを演じたグレッグ・レモン(左)とローラン・フィニョン。勝負は最終日までもつれ、レモンに軍配 =ツール・ド・フランス1989第10ステージ、1989年7月10日 Photo: Yuzuru SUNADAピレネー、アルプスの山岳でシーソーゲームを演じたグレッグ・レモン(左)とローラン・フィニョン。勝負は最終日までもつれ、レモンに軍配 =ツール・ド・フランス1989第10ステージ、1989年7月10日 Photo: Yuzuru SUNADA

 ツールの最終日は、戦いを終える選手や関係者を称えるため、パリ・シャンゼリゼまでパレード走行となるのが慣例だ。だが、1989年大会はそれに倣わず、ベルサイユからシャンゼリゼまでの個人タイムトライアルが最終日に設けられた。

 この大会の主役は、1986年大会でアメリカ人として初めてツールを制したグレッグ・レモンと、1984年大会以来の総合優勝を狙っていたローラン・フィニョン(フランス)だった。

 第2週と第3週の山岳ステージでシーソーゲームを演じた両者だったが、第20ステージを終えて、フィニョンがレモンに対し50秒のリードをもってマイヨジョーヌを保持していた。

 そして迎えた最終ステージ。先にスタートしたレモンが驚異的なスピードで飛ばした。最終走者として登場したフィニョンも気迫を見せたが、レモンが58秒差で勝利。わずか8秒差での大逆転劇を演じてみせた。このときにレモンが叩き出した平均時速54.545kmは、いまだに破られていない。

 この8秒差は、ツールの総合成績における最小タイム差となっている。なお、この年以降、個人タイムトライアルが最終日に設けられることはなくなったが、フランスの英雄がまさかの形で敗れたことも一因だと言われている。

南半球に初の栄冠をもたらした魂の走り

最終日を残しマイヨジョーヌを獲得。総合優勝をほぼ手中に収め、感慨に浸るカデル・エヴァンス =ツール・ド・フランス2011第20ステージ、2011年7月23日 Photo: Yuzuru SUNADA最終日を残しマイヨジョーヌを獲得。総合優勝をほぼ手中に収め、感慨に浸るカデル・エヴァンス =ツール・ド・フランス2011第20ステージ、2011年7月23日 Photo: Yuzuru SUNADA

 個人タイムトライアルでの大逆転劇は、2011年にも起こっている。

 この年のツールのヒーローは、カデル・エヴァンス(オーストラリア)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク)。数年前からトップシーンをにぎわせながらも、あと一歩でツールの頂点に立てずにいた両者が、大会終盤を迎えてついに栄光をつかもうというところまでやってきていた。

 第18ステージのツール名物の超級山岳、ガリビエ峠でシュレクが驚異的な逃げ切り勝利を挙げた。シュレクはその翌日も好走し、マイヨジョーヌを獲得。残すところは2ステージとなった。

 最終日はパレード走行となるため、勝負は実質第20ステージの個人タイムトライアルのみとなった。ここで力を発揮したのがタイムトライアル(TT)を得意とするエヴァンスだ。一方、シュレクはTTが苦手で、この大事な局面でもブレーキ。エヴァンスの逆転を許してしまった。

 エヴァンスは2005年の初出場から苦節6年、悲願のツール制覇となった。その間、落車やトラブルでチャンスを失い続けていただけに、逆転が決まった瞬間に涙を流した。南半球に初のツール王者が誕生したと同時に、戦後最年長の34歳での総合優勝でもあった。

南半球に初のツール総合優勝をもたらしたエヴァンスの走り。苦労を重ねてようやくつかんだ栄光だった =ツール・ド・フランス2011第20ステージ、2011年7月23日 Photo: Yuzuru SUNADA南半球に初のツール総合優勝をもたらしたエヴァンスの走り。苦労を重ねてようやくつかんだ栄光だった =ツール・ド・フランス2011第20ステージ、2011年7月23日 Photo: Yuzuru SUNADA

ニュースターの誕生

ツール2013第20ステージを勝利したナイロアレクサンデル・キンタナ。ニュースターの誕生を告げる圧勝劇だった =2013年7月20日 Photo: Yuzuru SUNADAツール2013第20ステージを勝利したナイロアレクサンデル・キンタナ。ニュースターの誕生を告げる圧勝劇だった =2013年7月20日 Photo: Yuzuru SUNADA

 劇的なマイヨジョーヌ争いもさることながら、新たなスターが大会終盤に誕生することも多い。

 今年のツールでも活躍を見せているナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)は、プロ2年目だった2013年にツール初出場。当初はさほど下馬評は高くなかったが、ステージが進むにつれて注目度が高まっていった。本来エースだったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が大会中盤に遅れ、チームの作戦が変更になったことも味方した。

 そして、最後の山岳ステージとなった第20ステージで脅威のクライミングを見せる。マイヨジョーヌを着ていたクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)らを置き去りにしてのステージ優勝を挙げたのだ。総合2位を確保したと同時に、山岳賞のマイヨアポワと新人賞のマイヨブランを獲得した。

 この活躍は、長きに渡ってフルームとのライバル関係になるであろうことを、ファン・関係者ともに確信させるものとなった。

別府が逃げでシャンゼリゼを熱狂の渦に

ツール2009第21ステージ、シャンゼリゼ通りで逃げた別府史之は日本人選手初の敢闘賞を獲得 =2009年7月26日 Photo: Yuzuru SUNADAツール2009第21ステージ、シャンゼリゼ通りで逃げた別府史之は日本人選手初の敢闘賞を獲得 =2009年7月26日 Photo: Yuzuru SUNADA

 日本人選手も、ツールの最終週に印象的な活躍を見せている。

 2009年、別府史之と新城幸也がそろってツール初出場・初完走を果たし、日本自転車界に歴史を刻んだ大会となった。

 その最終日、パレード走行を終えて選手たちはパリ・シャンゼリゼへと到達。そこからフィニッシュまでは、ほんの少しだけ勝負をかけた“レース”が行われる。その始まりとともに真っ先に飛び出したのが別府だった。

 追ってきた数人とともに、別府はシャンゼリゼで逃げた。3週間を走ってきたというのに、疲れを感じさせないその走りは、逃げグループ内でも群を抜く強さだった。結果的に、そのステージで最も印象的な走りを見せた選手に与えられる「敢闘賞」を、日本人として初めて獲得。ラスト1周を目前にメイン集団に吸収されたが、日本人でもツールで戦えることを証明したシーンとなった。

そろってツール初出場・初完走を果たした別府史之(左)と新城幸也。第21ステージでの別府の敢闘賞のほか、新城も第2ステージ5位と健闘した =ツール・ド・フランス2009第21ステージ、2009年7月26日 Photo: Yuzuru SUNADAそろってツール初出場・初完走を果たした別府史之(左)と新城幸也。第21ステージでの別府の敢闘賞のほか、新城も第2ステージ5位と健闘した =ツール・ド・フランス2009第21ステージ、2009年7月26日 Photo: Yuzuru SUNADA

 ツール・ド・フランスの魅力、そして感動を味わうのならば、今からでも遅くはない。ツール2016終盤戦、これからどんなドラマが待ち受けているのか。スカパー!の生中継から、「歴史の目撃者」となろうではないか。

スカパー!でツール・ド・フランスを独占生中継

タイトル :ツール・ド・フランス2016
放送日時 :7月2日(土) ~ 7月24日(日)
チャンネル:J SPORTS 4(BS245)

全21ステージ独占生中継!

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