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ツール・ド・フランス第1ステージノルマンディー待望のツール開幕 スタート地点にはスマホ充電や“プリクラ”サービスも

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ヴィラージュに初めてお目見えしたバッテリーチャージサービス。「歓迎する気持ちを表した」とスタッフの女性 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAヴィラージュに初めてお目見えしたバッテリーチャージサービス。「歓迎する気持ちを表した」とスタッフの女性 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 ツール・ド・フランスの第1ステージが7月2日、モン・サン・ミッシェルからユタ・ビーチの188kmで行われ、スタート地ではツール・ド・フランス開幕を祝う観客や招待客らで賑わった。毎ステージ前にスタート地にオープンし、招待客やレース関係者のみが入れるエリア「ヴィラージュ」(村)は、デジタルを駆使するなどしたもてなしで満員御礼。また、モン・サン・ミシェルのある風景を訪ねた。

“ツール版プリクラ”が大盛況

 ヴィラージュに入場し最初に目に飛び込んできたのは、無料で利用できるバッテリーチャージャー。オーガナイザーが提供するサービスで、初めての試みだという。「歓迎する気持ちを表したかった」とスタッフの女性がほほ笑む。ただし12のチャージロッカーのうち、利用されていたのはひとつだけだった。「日本にこういったシステムがあるのは知っている。フランスではみんなチャージャーを携帯している。なにより新しいサービスなので、どうやって使ったらいいかまだ分からないみたい」

 1903年に第1回のツール・ド・フランスが行われた際にはよもや想像もしなかったであろうサービスに感慨深さを覚えていると、今度はヘッドマウントディスプレイを装着して何かを体験しているブースを見かけた。装着すると、小型ウェアラブルカメラ「GoPro」で撮影したサイクリング時の動画を見られるという。「やってみるべきだよ」と実際に体験した男性から勧められるままに装着。3Dではないようで、左右の映像が分断して見えたのが気になったが、パノラマに広がる風景の中を進む様子にサイクリングへ出かけたい欲求に駆り立てられた。

バッテリーチャージサービスが浸透していないフランスでは、利用者はほとんどいなかった Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAバッテリーチャージサービスが浸透していないフランスでは、利用者はほとんどいなかった Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
ゴーグルを筆者も装着。外見のインパクトの割に、映像の満足度は…そこそこ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAゴーグルを筆者も装着。外見のインパクトの割に、映像の満足度は…そこそこ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
GoProで撮影しだ動画をパノラマビジョンで体験できるゴーグル Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAGoProで撮影しだ動画をパノラマビジョンで体験できるゴーグル Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
トレーニングバイク「プロフォーム」を体験する男性 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAトレーニングバイク「プロフォーム」を体験する男性 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 同じくGoProのブースでは、ツール・ド・フランスの公式トレーニングバイクという「プロフォーム」が設置されていた。2003年の100回大会時に発売された製品で、グーグルマップのストリートビューをディスプレイに映し出して日本を含め各地を“走行”しながらトレーニングできる。最大の特徴は、ストリートビューの位置によって道路の斜度など実際の路面状況に応じた角度へバイクの角度も自動的に変化するシステム。ぜひ東京の風景を信号待ちなしで走行してみたかったが、残念ながらオフラインだったため登録ビデオでの走行となった。峠道では、ペダルの重さが身にしみた。

 またその場で写真を撮影し、プリントして持ち帰ることができる機械が設置され、食べ物のブースに次いでひときわ賑わっていた。同ブースは実はコニカミノルタが4年、ことしは大日本印刷が初めてスポンサーとしてサービス提供している。合成画像の機能や画像をEメール送信できる機能が装備されている上、気に入った写真が撮れるまで何度も撮影し直すカップルを見ていると、プリクラが思い出された。

大日本印刷が提供するフォトサービス。各種機能はプリクラの様相だ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA大日本印刷が提供するフォトサービス。各種機能はプリクラの様相だ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
筆者もツール・ド・フランス版“プリクラ”を体験した Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA筆者もツール・ド・フランス版“プリクラ”を体験した Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
地元のテロワールが提供する洋ナシ酒は、甘さの中にほんのりとした苦味があった Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA地元のテロワールが提供する洋ナシ酒は、甘さの中にほんのりとした苦味があった Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 ヴィラージュにはもちろん、アナログなサービスも展開。昨年初登場し、選手らにも人気を博したステーショナリーブランド「ビック」の床屋ブースも健在だった。ローカルフード・ドリンクを試食・試飲できるブースでは、ノルマンディーの特産品であるリンゴ酒に加えて、洋ナシ酒も並んだ。甘さの中にほんのりとした苦味があり、後味は紛れもなく洋ナシ。アルコール度数は17%とリンゴ酒に比べて低く、食前酒として楽しめる。

「ビック」のバーバーショップは健在だ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA「ビック」のバーバーショップは健在だ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
試食ブースにはもちろんたくさんのチーズが並んだ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA試食ブースにはもちろんたくさんのチーズが並んだ Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

土井雪広も会場入り

モン・サン・ミッシェルの会場には土井雪広(マトリックスパワータグ)の姿も Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAモン・サン・ミッシェルの会場には土井雪広(マトリックスパワータグ)の姿も Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 選手が出走を控えるバスの駐車エリアでは、土井雪広(マトリックスパワータグ)の姿も見かけた。日本からのツアーに同行した渡仏だったが、かつてのチームメンバーらとの挨拶へとフットワーク軽く会場を回っていた。出走前の新城幸也を激励しにランプレ・メリダのチームバスも訪れたものの、選手らは念入りなミーティングの真っ只中で、再会はならなかった。新城は前日のインタビューの中で、骨折後の復帰トレーニングパートナーとして共に走行した土井へ感謝を述べている。

 出走サインを行うステージ周辺には、お目当ての選手を見ようと熱心なファンが集った。ファンからは、フランス人選手にひときわ多くの声がかかる。ジェローム・クザン(コフィディス ソリュシオンクレディ)は、名前を呼ばれればペダルを止め、快くサインと写真撮影に応じていた。

昨年総合優勝したクリストファー・フルームが所属するチーム スカイのバス前は大混雑 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA昨年総合優勝したクリストファー・フルームが所属するチーム スカイのバス前は大混雑 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
子供から大人まで、名前を呼ばれれば快く対応していたジェローム・クザン(コフィディス ソリュシオンクレディ) Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA子供から大人まで、名前を呼ばれれば快く対応していたジェローム・クザン(コフィディス ソリュシオンクレディ) Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

富士山のようなモン・サン・ミッシェル

ツール・ド・フランス第1ステージのスタートライン。ステージ優勝をしたマーク・カヴェンディッシュ(左、チーム・ディメンションデータ)や昨年総合優勝のクリストファー・フルーム(中央左、チーム スカイ)ら選手がモン・サン・ミッシェルを背景に並んだ ©ASO/A.Broadwayツール・ド・フランス第1ステージのスタートライン。ステージ優勝をしたマーク・カヴェンディッシュ(左、チーム・ディメンションデータ)や昨年総合優勝のクリストファー・フルーム(中央左、チーム スカイ)ら選手がモン・サン・ミッシェルを背景に並んだ ©ASO/A.Broadway

 10km以上離れた場所からでもその姿を望むことができるモン・サン・ミッシェルは、日本の富士山のように、地域の人たちの心に宿る存在で親しみを覚える。スタート地点からでなくても、沿道からモン・サン・ミッシェルの佇まいを確認できた。地元の家族は、「ノルマンディー開催はやっぱり嬉しい」と写真に収まった。

 また、仕事&サイクリング仲間のティム・グルームブリッジさん(Tim Groombridge)とマーク・ジャクソンさん(Mark Jackson)はイギリスから愛車を持参して沿道観戦。去年同じように観戦をしてからやみつきになったという。沿道で選手を見送った後は、「モン・サン・ミッシェルまで走って、コーヒータイムにするつもりだよ」と楽しそうに語った。

沿道でツール・ド・フランスのノルマンディー開催を喜ぶ地元の家族 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA沿道でツール・ド・フランスのノルマンディー開催を喜ぶ地元の家族 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
スタート前にはモン・サン・ミッシェルにフランス国旗のトリコロールカラーの飛行機雲がかかった Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAスタート前にはモン・サン・ミッシェルにフランス国旗のトリコロールカラーの飛行機雲がかかった Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
イギリスからバイク持参で訪れたティム・グルームブリッジさん(右)とマーク・ジャクソンさん Photo: Aki SCHULTE-KARASAWAイギリスからバイク持参で訪れたティム・グルームブリッジさん(右)とマーク・ジャクソンさん Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

 プロのようにロードバイクでなくても、ゆっくりとサイクリングを楽しめる道路が計700kmつながるノルマンディー。モン・サン・ミッシェルを含む推奨コースには、第1ステージのように北部のビーチエリアをつなぐ210kmコース、パリとつなぐ442km(ノルマンディーエリアは232km)コースなど7つのメインコースが用意されている。コース沿いにはバイクフレンドリーな宿が豊富にラインナップされているため、数日かけて自転車の旅にもチャレンジできる。

朝に夕に美しい表情を見せるモン・サン・ミッシェル Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA朝に夕に美しい表情を見せるモン・サン・ミッシェル Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA
計700kmのコースが整備され、サイクリングも楽しめるノルマンディー地方 Photo: Joel Damase計700kmのコースが整備され、サイクリングも楽しめるノルマンディー地方 Photo: Joel Damase

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