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山口和幸の「ツールに乾杯! 2016」<1>新城幸也ゆかりの地、モン・サン・ミシェルから始まる21日間のフランス一周旅行

by 山口和幸 / Kazuyuki YAMAGUCHI
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 世界随一の観光大国フランスにあって、花の都パリの次に訪れてみたいところが世界遺産モン・サン・ミシェルだ。海に浮かぶ小島に作られた荘厳な修道院はその独特な景観が魅力で、パリから4時間かけて観光に向かう日本人も多い。

世界遺産モン・サン・ミシェル Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI世界遺産モン・サン・ミシェル Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

 国家的な大規模プロジェクトだったモン・サン・ミシェル周辺の海洋環境復元工事が完了し、現在は堆積した砂が取り除かれ、1年のうち半分は海に囲まれるようになった。3年がかりで完成した760mの木製の新しい橋は大潮になると水没してしまい、モン・サン・ミシェルがぐるりと海水で囲まれる姿が見られるのである。

ラ・マンシュ県がツール・ド・フランスの開幕地となり、特別仕様の自転車も Photo: Kazuyuki YAMAGUCHIラ・マンシュ県がツール・ド・フランスの開幕地となり、特別仕様の自転車も Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

 ツール・ド・フランスはかれこれ四半世紀以上以上取材しているが、モン・サン・ミシェルに行ったことは3回しかない。初めて訪れたのは2002年だ。ツール・ド・フランスが50kmほど離れたアブランシュにゴールした日の夜に日本人取材陣が10人ほど集まって、モン・サン・ミシェルまで仲よく観光に行った。

 到着してみるとツール・ド・フランス関係者のクルマがズラリと並んでいて、選手もチームスタッフも大会関係者も京都の修学旅行生のように楽しんでいた。ラ・メールプラールで名物のオムレツを人数分頼んだ。

スイスのチソが公式タイマーとして復活 Photo: Kazuyuki YAMAGUCHIスイスのチソが公式タイマーとして復活 Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのバナーがサルドプレスに設置されていた Photo: Kazuyuki YAMAGUCHIツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのバナーがサルドプレスに設置されていた Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのバナーがサルドプレスに設置されていた Photo: Kazuyuki YAMAGUCHIツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのバナーがサルドプレスに設置されていた Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

 このときは島に隣接した駐車場にクルマを置いたのだが、「午後8時には帰るよね」と係員に念を押されたことを記憶している。不思議に思っていたが、約束の時間にクルマに戻ってみるとヒタヒタと潮が満ちてきていて、あと30分もすれば駐車場が海の底になるのだと理解した。

 2011年の第6ステージにはおそらくツール・ド・フランス関係者の中でもボクだけがモン・サン・ミシェルに行ってきた。この日の46.5km地点に、直訳すると「きれいに見える」という意味のボーボワールを通過した。

 つまりモン・サン・ミシェルをツール・ド・フランスは素通りしたのである。たいていの取材陣はモン・サン・ミシェルを遠望するこの町で撮影などをしていたが、ボクだけコースから離脱して、修道院を見学してきた。

 2013年は個人タイムトライアルとして行われた第11ステージのゴール地点となった。新城幸也に追走する審判車にさいたま市の清水勇人市長が同乗し、声援を送っていたあの日だ。ゴール後の新城は「モン・サン・ミシェル、意外と小さかったな」と周囲を笑わせた。

開幕前日に意気込みを語った新城幸也 Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI開幕前日に意気込みを語った新城幸也 Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

 そして第103回ツール・ド・フランスはこのモン・サン・ミシェルからスタートする。6回目の出場となる新城幸也は、「今年はフランス観光親善大使になったので、21日間フランスを案内します」と大会前日の記者会見を冗談たっぷりのコメントから始めたが、このノルマンディー地方は新城が自転車ロードレースを始めたゆかりのある場所でもある。

「ノルマンディーはいい思い出ばかり。1日で太陽と雨と風を体験できる。雲行きを判断して、自転車選手としてどんな走りをしなくちゃいけないかを考える。そんなことを教えてくれた場所なんです」

山口和幸山口和幸(やまぐち・かずゆき)

ツール・ド・フランスをはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い続け、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、ナンバー、ターザン、YAHOO!などで執筆。国内で行われる自転車の国際大会では広報を担当。著書に「ツール・ド・フランス」(講談社現代新書)、「もっと知りたいツール・ド・フランス」(八重洲出版)など。

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