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ツール・ド・フランス2016 レースプレビューフルームが軸のマイヨジョーヌ争い サガンはマイヨヴェール5連覇を目指す

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランス2016は7月2日、フランス北部の観光地モン・サン・ミシェルで開幕。ピレネー山脈を目指し南下する前半戦、アルプス山脈が勝負どころとなる後半戦が待ち受ける。全21ステージ、総走行距離3519kmの「フランス一周の旅」に22チーム・198選手が挑む。サイクルロードレース界の最高峰の戦いを経て、第103回の王者となるのは誰か。4賞ジャージの行方を中心に、3週間のレースを展望する。

総合上位陣が上りで睨み合う、そんなシーンが今年も見られるはずだ =ツール・ド・フランス2015第12ステージ、2015年7月16日 Photo: Yuzuru SUNADA総合上位陣が上りで睨み合う、そんなシーンが今年も見られるはずだ =ツール・ド・フランス2015第12ステージ、2015年7月16日 Photo: Yuzuru SUNADA

打倒フルームに燃えるキンタナ、コンタドールら

 まずは個人総合時間賞、ツールの華であるリーダージャージ「マイヨジョーヌ」争いから見てみたい。

 昨年、“ファンタスティック4”と呼ばれ、その呼び名に違わない走りを見せたクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)、ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)の4人が、今回もそろって出場。

 そのうち、今年のジロ・デ・イタリアを制したニバリはファビオ・アール(イタリア)のアシストに回る公算で、同時に8月のリオデジャネイロ五輪に向けた調整も兼ねて臨む。その点で前回とは様相が異なり、フルーム、キンタナ、コンタドールの3人が中心の展開が予想される。

ツール前哨戦、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネで強さを見せたクリストファー・フルーム =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第5ステージ、2016年6月10日 Photo: Yuzuru SUNADAツール前哨戦、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネで強さを見せたクリストファー・フルーム =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第5ステージ、2016年6月10日 Photo: Yuzuru SUNADA

 その中でも、フルームの力が一歩抜けている印象だ。今年は春のレースで落車を繰り返す場面こそあったものの、体調やレース参加時の気象条件などを見ながら無理なく調整してきた。

 エンジンがかかり始めたのは、ツール前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(フランス)。数字上は秒差での総合争いだったが、大会中盤にリーダージャージを獲得したあとはライバルの動きをチェックしながらの走りに終始した。調子のピークをツールに持っていくために、まだまだ力を使い切っていない印象だ。

 過去のツールの戦い方を見ると、第1週目からトップギアに入れてくる傾向にあり、今回も前半ステージで貯金を稼ぎ、その後の戦いを有利なものとしてくるかもしれない。ピレネーステージがポイントになってきそうだ。

 フルームを支えるアシスト陣の顔触れも、「チーム スカイ史上最高メンバー」といっても過言ではないほどのハイレベル。ミケル・ニエベ、ミケル・ランダ(ともにスペイン)、ゲラント・トーマス(イギリス)、セルヒオルイス・エナオ(コロンビア)、ヴァウテル・プールス(オランダ)に加え、個人TT世界王者のヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)も山岳では控える。

 このうちの数人は、フルームをアシストしながら自身の総合上位入りを狙ってくることも考えられる。また、イアン・スタナードとルーク・ロウ(ともにイギリス)の平地系スペシャリストもメンバー入りし、穴のない布陣はライバルを悩ませる。

過去2回の出場はともに総合2位のナイロアレクサンデル・キンタナ。今回こそ総合優勝をしたい =ツール・ド・フランス2015第20ステージ、2015年7月25日 Photo: Yuzuru SUNADA過去2回の出場はともに総合2位のナイロアレクサンデル・キンタナ。今回こそ総合優勝をしたい =ツール・ド・フランス2015第20ステージ、2015年7月25日 Photo: Yuzuru SUNADA

 総合を狙う有力選手陣は、フルームを倒すためにどのような戦いを挑むのかが、今大会のテーマといえよう。過去2回の出場はともに総合2位、今回も最強の挑戦者となるであろうキンタナは総合力を高め、力勝負に持ち込むか。

 シーズンインから好調で、3月のブエルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(スペイン)、4月から5月にかけてのツール・ド・ロマンディ(スイス)ではフルームらを破って総合優勝。5月以降は、恒例となった地元コロンビアでの高地トレーニングを行い、試運転となった6月中旬のルート・ドゥ・スッド(フランス、UCI2.1)で快勝。個人TTで勝利し、TTの比重が高くなりそうなツールに向けて手ごたえをつかんだ。

 山での強さは誰もが知るところ。“第3週目の男”と言われてきたように、大会終盤に圧巻の走りを見せる一方で、前半ステージでつまづくケースがあった。早い段階でフルームらにアドバンテージを与えないよう、常にライバルが見える位置でピレネー、アルプスの山へと向かいたい。山岳アシストも充実し、昨年ともに総合表彰台に上がったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)のメンバー入りも心強い。

7年ぶりのツール王座奪還を目指すアルベルト・コンタドール =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2016プロローグ、2016年6月5日 Photo: Yuzuru SUNADA7年ぶりのツール王座奪還を目指すアルベルト・コンタドール =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2016プロローグ、2016年6月5日 Photo: Yuzuru SUNADA

 2009年以来7年ぶりのツール王座奪還を目指すコンタドールは、ドーフィネでフルームに力負け。このツールに向けた調整段階であることを強調しており、その後の仕上がり具合が見ものだ。

 切れ味鋭いアタックは魅力的だが、直後に失速してしまうこともしばしばあり、フルームやキンタナらの実力的にアタック一発でねじ伏せることは難しい面がある。繰り返しの攻撃や、ライバルとの駆け引きの中からチャンスを見出したいところ。6月下旬に風邪をひき、大事をとってスペイン選手権を回避。すぐに回復したようだが、調整への影響も懸念される。

 コンタドール擁するティンコフは、フルームやキンタナと比べるとアシスト陣が手薄な印象。ポイント賞のマイヨヴェールを狙うペテル・サガン(スロバキア)とのバランスを図るためとはいえ、これがウイークポイントになるようでは苦しい。ラファウ・マイカ(ポーランド)、ロマン・クロイツィゲル(チェコ)、ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア)の奮起が求められる。

今シーズン元気のないファビオ・アールだが、ツールに調子を合わせられるか =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第3ステージ、2016年6月8日 Photo: Yuzuru SUNADA今シーズン元気のないファビオ・アールだが、ツールに調子を合わせられるか =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第3ステージ、2016年6月8日 Photo: Yuzuru SUNADA

 本来、ニバリに代わって“新・ファンタスティック4”の一角となるべき存在のアールだが、今シーズンの戦いぶりからすると物足りなさは否めない。ドーフィネでステージ1勝を挙げたとはいえ、主戦場である総合争いには加わることができなかった。シーズンを通してステージレースでの上位進出ができておらず、不安要素を抱えつつのツール初出場となってしまいそうだ。もちろん、ここまで蓄えた力を“本番”で爆発させることもあり得る。経験と実績が豊富なニバリに支えられながら、強い走りを取り戻したい。

“第5の男たち”は4人の牙城を崩せるか

 “新・ファンタスティック4”といえども、ひとたび隙を見せてしまえばその座は一瞬にして危ういものとなる。昨今のプロトンは、着々と階段を上がってきた選手たちがひしめき、群雄割拠の覇権争いとなりつつある。

 BMCレーシングチームは、リッチー・ポート(オーストラリア)とティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)のダブルエース体制。昨年までフルームのアシストを務め、すべてを知り尽くすポートがマイヨジョーヌをかけた戦いに身を投じる。ドーフィネではフルームに唯一食らいつき、その実力をしっかりとアピールした。

 前回、総合上位を走りながら体調不良で大会終盤にリタイアしたヴァンガーデレンも、ツール・ド・スイスの山岳ステージで勝利。まずは両者そろって総合成績を狙うが、展開次第でどちらかがアシストに回ることが考えられる。ローハン・デニス(オーストラリア)、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)、アマエル・モワナール(フランス)といった計算できるアシストがそろうのも強み。

フルームを知り尽くすリッチー・ポートの走りに注目 =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2016第2ステージ、2016年6月8日 Photo: Yuzuru SUNADAフルームを知り尽くすリッチー・ポートの走りに注目 =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2016第2ステージ、2016年6月8日 Photo: Yuzuru SUNADA
ツール・ド・スイス第7ステージで優勝したティージェイ・ヴァンガーデレンも好調 =2016年6月17日 Photo: Yuzuru SUNADAツール・ド・スイス第7ステージで優勝したティージェイ・ヴァンガーデレンも好調 =2016年6月17日 Photo: Yuzuru SUNADA

 将来性豊かなフレンチオールラウンダーたちも、地元ファンの期待を一身に背負う。ロマン・バルデ(アージェードゥーゼール ラモンディアル)は、攻撃的な走りに加え、しっかりと上位フィニッシュする安定感が持ち味。上りでのアタックもさることながら、ダウンヒルも得意としており、下りが勝負ポイントになるステージが楽しみ。

 ティボ・ピノー(エフデジ)は、6月23日のフランス選手権個人TTで初優勝したように、タイムトライアル能力が飛躍的に向上。ドーフィネではステージ狙いに専念したが、山岳とTTとをバランスよく走るのが本来のスタイル。2回ある個人TTステージでタイムを稼ぐようだと、ライバルに大きなプレッシャーを与えられる。

 ワレン・バルギル(チーム ジャイアント・アルペシン)も前哨戦のスイスで総合3位と好調。今シーズンはトレーニングキャンプ中の事故で出遅れたが、復帰後はまずまずの走りを見せており、ツールに向けた調整が順調に進んでいる印象だ。

 ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ)は、ツール初出場ながら大仕事をしそうな魅力を秘めた選手。アルデンヌクラシックでの活躍、さらにはツアー・オブ・カリフォルニア(アメリカ、UCI2.HC)総合優勝、ドーフィネでも総合6位となり、満を持してツールへと乗り込む。バルギルとともに新人賞のマイヨブラン候補筆頭に挙がる。

フランス期待のロマン・バルデ(左)とティボ・ピノー =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第6ステージ、2016年6月11日 Photo: Yuzuru SUNADAフランス期待のロマン・バルデ(左)とティボ・ピノー =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第6ステージ、2016年6月11日 Photo: Yuzuru SUNADA
ジュリアン・アラフィリップも一躍総合上位候補に浮上 =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第6ステージ、2016年6月11日 Photo: Yuzuru SUNADAジュリアン・アラフィリップも一躍総合上位候補に浮上 =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第6ステージ、2016年6月11日 Photo: Yuzuru SUNADA

 ツールのトップ10入り3回を数えるバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ドーフィネでは総合3位に入ったダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)、ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)、マティアス・フランク(スイス、イアム サイクリング)といった実力者も総合上位候補として押さえておきたい。

実力派スプリンターが集結

 スプリンターが目指す、グリーンのポイント賞ジャージ「マイヨヴェール」争いを見ていこう。

 昨年から新たなポイント配分となり、平坦ステージでの付与ポイントがアップ。ピュアスプリンターがポイントを獲得しやすくなった一方で、中間スプリントポイントの充実もあり、上れるスプリンターや逃げにも対応できるスピードマンによる“ポイント貯金”にも拍車がかかった。レギュレーションを味方につけ、サガンがマイヨヴェール4連覇中だ。

ポイント賞のマイヨヴェールはペテル・サガンが4連覇中 =ツール・ド・フランス2015第21ステージ、2015年6月26日 Photo: Yuzuru SUNADAポイント賞のマイヨヴェールはペテル・サガンが4連覇中 =ツール・ド・フランス2015第21ステージ、2015年6月26日 Photo: Yuzuru SUNADA

 ジャージをかけた争いにおいては、やはりサガンが最右翼。1996年から2001年にかけて6連覇したエリック・ツァベル(ドイツ)に続く、5連覇達成が期待される。昨年までと戦い方は同様に、平地でのスプリントでは上位を押さえ、中間スプリントでライバルに差をつけるスタイル。もちろん、ステージ優勝は悲願ではあるが、ジャージの獲得とは異なる意味合いを持つ。

 “サガン・スタイル”に対抗できる選手としては、上れるスプリンターの代表格の1人であるマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)と、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)が挙がる。マシューズはピュアスプリンターをも凌駕するスピードと勝負勘も備わる。ボアッソンハーゲンは定評のあるスピードとともに、大逃げを可能とする独走力が武器。上りにも強いだけに、エーススプリンターのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)と並んでの活躍が見込まれる。

上れるスプリンターの代表格、マイケル・マシューズ =パリ~ニース2016第4ステージ、2016年3月10日 Photo: Yuzuru SUNADA上れるスプリンターの代表格、マイケル・マシューズ =パリ~ニース2016第4ステージ、2016年3月10日 Photo: Yuzuru SUNADA
スプリント・逃げともに得意とするエドヴァルド・ボアッソンハーゲン =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2016第4ステージ、2016年6月9日 Photo: Yuzuru SUNADAスプリント・逃げともに得意とするエドヴァルド・ボアッソンハーゲン =クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2016第4ステージ、2016年6月9日 Photo: Yuzuru SUNADA

 ピュアスプリンターにとっては、スプリント勝負が期待される大会初日の第1ステージを制して、マイヨジョーヌの栄誉にあずかりたい。

2013年、2014年と第1ステージを制しマイヨジョーヌを着用したマルセル・キッテル =ツール・ド・フランス2014第1ステージ、2014年7月4日 Photo: Yuzuru SUNADA2013年、2014年と第1ステージを制しマイヨジョーヌを着用したマルセル・キッテル =ツール・ド・フランス2014第1ステージ、2014年7月4日 Photo: Yuzuru SUNADA

 2013年、2014年と大会最初のマイヨジョーヌ着用者となったマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が、2年ぶりにツールに戻ってくる。ジロで2勝を挙げるなど、復活のシーズンで好調をキープ。発射台のマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)のほか、ファビオ・サバティーニ(イタリア)、イイヨ・ケイス(ベルギー)、そしてトニー・マルティン(ドイツ)が形成するスプリントトレインは強力。

今年も勝利量産を狙うアンドレ・グライペル =ツール・ド・フランス2015第21ステージ、2015年7月26日 Photo: Yuzuru SUNADA今年も勝利量産を狙うアンドレ・グライペル =ツール・ド・フランス2015第21ステージ、2015年7月26日 Photo: Yuzuru SUNADA

 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)は、2011年から毎年ステージ勝利を挙げている。昨年は4勝し、パリ・シャンゼリゼでの最終ステージも優勝。賞レースへの色気は見せず、ステージ優勝に集中するスタンスだ。今年はジロでも3勝しており、その勢いのままツールへと乗り込む。こちらもスプリント狙いの布陣を敷いており、美しいロット・ソウダルトレインもスプリントステージの見どころとなる。

夢のマイヨジョーヌ着用に燃えるマーク・カヴェンディッシュ =ミラノ~サンレモ2016、2016年3月19日 Photo: Yuzuru SUNADA夢のマイヨジョーヌ着用に燃えるマーク・カヴェンディッシュ =ミラノ~サンレモ2016、2016年3月19日 Photo: Yuzuru SUNADA

 8月のリオ五輪では、トラック・オムニアム(6種目の混成競技)に出場が決定したカヴェンディッシュ。五輪での金メダルと並ぶ夢である、マイヨジョーヌ着用が最初の目標だ。その条件はただ1つ、第1ステージでの優勝。発射台のマーク・レンショー(オーストラリア)、リードアウトマンのベルンハルト・アイゼル(オーストリア)がメンバー入りし、カヴェンディッシュに力を与える。

 2年ぶりのステージ優勝を目指すアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、チーム カチューシャ)、トレーニングキャンプでの事故を乗り越え戦線に戻ったジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)、今シーズン13勝を挙げているブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)も有力だ。

 オランダチャンピオンのディラン・フルーネウェーヘン(チーム ロットNL・ユンボ)、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)も若手有望株。

 全体的に、コースが厳しいリオ五輪を回避し、ツールに全精力を注ごうというスプリンターが多い傾向にある。

ステージ、中間スプリントのポイント設定

【第1、2、3、4、6、11、14、16、21ステージ】
50、30、20、18、16、14、12、10、8、7、6、5、4、3、2ポイント

【第5、10、12ステージ】
30、25、22、19、17、15、13、11、9、7、6、5、4、3、2ポイント

【第7、8、9、12、13、15、17、18、19、20ステージ】
20、17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1ポイント

【中間スプリント】
20、17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1ポイント

※いずれも1位から15位まで
※合計ポイント数が同じ場合の順位決定方法は、ステージ優勝数、中間スプリントポイント1位通過数、個人総合順位の順で優先される
※タイムアウト救済措置の対象となった選手は、ステージ優勝者に与えられるゴールポイントと同数を減点される

ツールのニュースターを生む山岳賞、新人賞

 超級から4級までのカテゴリー山岳頂上にポイントを設け、その通過順位で得点を付与する山岳賞。その合計トップの選手が白地に赤の水玉があしらわれるマイヨアポワを着る。

前回はクリストファー・フルームが総合優勝と同時に山岳賞も獲得 =ツール・ド・フランス2015第21ステージ、2015年6月26日 Photo: Yuzuru SUNADA前回はクリストファー・フルームが総合優勝と同時に山岳賞も獲得 =ツール・ド・フランス2015第21ステージ、2015年6月26日 Photo: Yuzuru SUNADA

 この賞は、総合争いから何らかの理由で後退した選手や、山岳逃げのスペシャリストが獲得するケースが多い。また、頂上ゴールは得点配分が2倍となるため、マイヨアポワ争いにおける比重が偏り、総合上位に入った選手が獲得することもある。昨年のフルームが例に挙がる。

 また、2年前に獲得したマイカは、エースのコンタドールが落車リタイアしたため、アシストから山岳賞狙いにシフトし、大会終盤のステージを次々と制覇。その後の大ブレイクにつなげた例もある。

 今回も総合上位候補が、展開次第でこちらへと移ってくることが考えられる。

山岳賞のポイント設定

【超級山岳】
1位から10位まで:25、20、16、14、12、10、8、6、4、2ポイント

【1級山岳】
1位から6位まで:10、8、6、4、2、1ポイント

【2級山岳】
1位から4位まで:5、3、2、1ポイント

【3級山岳】
1位から2位まで:2、1ポイント

【4級山岳】
1位のみ:1ポイント

※頂上ゴールはポイントが2倍。適用されるのは第9(超級)、第12(超級)、第17(超級)、第19(1級)の4ステージ
※合計ポイント数が同じ場合の順位決定方法は、超級山岳トップ通過数、1級山岳トップ通過数、2級山岳トップ通過数、3級山岳トップ通過数、4級山岳トップ通過数、個人総合順位の順で優先される

 25歳以下が対象の新人賞は、総合最上位の選手が純白のマイヨブランを着用する。近年は、複数の対象選手が総合上位に加わり、マイヨブランをかけた戦いがハイレベルとなっている。“ゴールデンエイジ”と称された1990年生まれの選手たちは今年から対象外となったが、1991年以降生まれの選手から新たなヒーローが生まれるはずだ。

 候補選手は、バルギル、アラフィリップ、アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)、ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)あたり。

新城、カンチェッラーラ…その他の見どころ

 4賞ジャージ以外の見どころも忘れずに押さえておきたい。

けがを乗り越えツール出場を決めた新城幸也 =ツール・ド・スイス2016第5ステージ、2016年6月15日 Photo: Yuzuru SUNADAけがを乗り越えツール出場を決めた新城幸也 =ツール・ド・スイス2016第5ステージ、2016年6月15日 Photo: Yuzuru SUNADA

 何といっても、新城幸也(ランプレ・メリダ)のツール出場に尽きる。2年ぶりのツール“復帰”は、シーズン序盤のツアー・オブ・カタールで負った大腿骨骨折を乗り越えてのもの。ツアー・オブ・ジャパンで戦線復帰すると、いきなりの凱旋ステージ優勝。ツール・ド・スイスでも内容のある走りを見せ、堂々のツールメンバー入り。チーム加入前からの友人である、総合エースのコスタをアシストしながら、自身のチャンスも狙う。所属こそイタリアチームだが、自らのベースはフランス。勝手知ったるルートで奮起する。

キャリア最後のツールに臨むファビアン・カンチェッラーラ =ツール・ド・スイス2016第5ステージ、2016年6月15日 Photo: Yuzuru SUNADAキャリア最後のツールに臨むファビアン・カンチェッラーラ =ツール・ド・スイス2016第5ステージ、2016年6月15日 Photo: Yuzuru SUNADA

 今シーズン限りでの引退を表明し、最後のツールとなる見通しのファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード)は、その運命に導かれるように大会後半のスイスステージを待ちわびる。個人TTの第13ステージでは優勝候補に挙がり、勝利を収めて地元凱旋といきたい。首都ベルンにフィニッシュする第16ステージも、彼の走りに大いに注目が集まる。

個人TTの第13ステージの優勝候補、トム・デュムラン =ジロ・デ・イタリア第1ステージ、2016年5月6日 Photo: Yuzuru SUNADA個人TTの第13ステージの優勝候補、トム・デュムラン =ジロ・デ・イタリア第1ステージ、2016年5月6日 Photo: Yuzuru SUNADA

 カンチェッラーラ同様、個人TTステージではマルティンやトム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン)の走りが楽しみ。マルティン、デュムランともにその後のリオ五輪でのこの種目金メダルを視野に入れており、起伏に富んだコースである点も共通して前哨戦の色合いを見せるかもしれない。

 「大逃げ」もツールを盛り上げる要素の1つ。フランスの英雄、トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)は、かつて総合4位や山岳賞を獲得した実績を誇るが、いずれも逃げから呼び込んだ栄光だった。今回もトライする姿勢が見られるはずだ。

 また、ツールには4賞以外にも表彰があるので覚えておこう。

 各ステージでチーム内上位3選手のタイムを合算し、それを毎ステージ加算して順位を決定する「チーム総合時間賞」。トップに立ったチームは、イエローのゼッケンをつけて出走することが許される。チーム力が直接反映されるわけではないのがユニークなところで、大逃げが決まったステージなどでは、予想外のチームが上位に急浮上するケースも。大会終盤には、この賞をかけたチーム間の駆け引きも見られる。

2012年の第4ステージでは新城幸也が敢闘賞を獲得した =2012年7月4日 Photo: Yuzuru SUNADA2012年の第4ステージでは新城幸也が敢闘賞を獲得した =2012年7月4日 Photo: Yuzuru SUNADA

 TTステージを除く各ステージで、印象的な走りを見せた選手に「敢闘賞」が与えられ、次のステージでは赤いゼッケンをつけてレースに臨む。2009年の第21ステージでは別府史之(当時スキル・シマノ)が、2012年第4ステージでは当時チーム ヨーロッパカー所属だった新城が獲得している。さらに、大会を通じて最もインパクトを与えた選手には、「スーパー敢闘賞」がパリ・シャンゼリゼの総合表彰台で授与される。

 また、ゴール前3km以内での落車(巻き込まれた選手やアシストも含む)・パンク・メカトラブルにあった選手は、救済措置としてその時点で属していた集団と同じフィニッシュタイムが適用される。なお、ステージ順位はフィニッシュライン通過順となる(負傷の場合は通過しなくても完走扱い)。ただし上りゴールと個人TTの、第2、9、12、13、17、18、19ステージは救済が適用されない。

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