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はらぺこサイクルキッチン<64>健康指数の高い国、スリランカ。食の魅力と強靭な肉体を持つ男達

by 池田清子 / Sayako IKEDA
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 池田祐樹(トピークエルゴンレーシングチームUSA)は、スリランカを舞台とした4日間のステージレース「ランブル・イン・ザ・ジャングル(Rumble in the jungle)」に恒例「夏のワールドツアー」第1戦目として出場しました。

 2年ぶり第2回目の開催にして、総合優勝を手にすることができました。今回私は日本に滞在していたのですが、アジア圏では比較的食事が体に合うことが多く、レース前からスリランカの食に魅了され、現地の野菜や果物などを堪能していましたよ。『健康指数の高い国』としても評されたスリランカの人々。実際に、スリムな体に強靭な肉体という姿を目にする機会も多いのです。今回は池田祐樹が自身の目線で気になった、スリランカの食の魅力をお伝えします。臨場感あふれるレースムービーもぜひ合わせてご覧ください.

盛大に行われた表彰式。池田祐樹が念願の優勝を手に入れました。選手にとって最高の瞬間、このために生きていると言っても過言ではありません。スリランカ航空のCEOがプレゼンターを務められました  Photo: Albert Kikstra盛大に行われた表彰式。池田祐樹が念願の優勝を手に入れました。選手にとって最高の瞬間、このために生きていると言っても過言ではありません。スリランカ航空のCEOがプレゼンターを務められました  Photo: Albert Kikstra

池田祐樹「ランブル・イン・ザ・ジャングル」初優勝

レース翌日、スリランカの新聞に「IkedaがRumble in the Jungle 2016を制した」という見出しで一面に掲載されました。マウンテンバイクレースへの注目度、関心の高さがうかがえますレース翌日、スリランカの新聞に「IkedaがRumble in the Jungle 2016を制した」という見出しで一面に掲載されました。マウンテンバイクレースへの注目度、関心の高さがうかがえます

 近年「海外のMTBステージレースに挑戦してみたいのだけど、どんなレースがオススメですか」と聞かれる機会が多くなりました。最初のレースとしてもオススメなのが、今大会です。その理由は4日間という比較的短い日数であること、そして宿泊先が全てホテル、ということが挙げられます。  
 
 テント生活もアドベンチャー要素が詰まって楽しいのですが、洗濯や水シャワー、ゴロゴロ岩の下で寝なくてはいけないなど、レース以外でも大変なことが多いので、最初はホテル生活ですと、比較的レース後もゆっくりと体を休めることができるでしょう(開催年によっても変わります)。

表彰式での集合写真。4日間の過酷なレースを共に頑張った仲間達です。皆、達成感に満ちた本当に良い笑顔です Photo: Sayako IKEDA表彰式での集合写真。4日間の過酷なレースを共に頑張った仲間達です。皆、達成感に満ちた本当に良い笑顔です Photo: Sayako IKEDA
表彰式のディナー会場。真剣勝負を繰り広げたライバル達もレース後は親友 Photo: Sayako IKEDA表彰式のディナー会場。真剣勝負を繰り広げたライバル達もレース後は親友 Photo: Sayako IKEDA

 今回はスリランカ航空にお世話になりましたが、日本からスリランカへ直行便でいくことが可能ですので、飛行機の乗り継ぎに慣れていない方にも安心です。(余談ですが知人は新婚旅行がスリランカを自転車で縦断する旅でした。奥様すごい・・・)今回レース終了後の翌日、現地の新聞には「Rumble In The Jungle Ikedaが勝利」と池田祐樹の写真が一面で飾られていました。大会にはスリランカ航空のCEOも駆けつけるなど、国を挙げての一大イベント出会ったことが伺えます。

 毎日場所を転戦していくステージレースでは基本的に試走をすることが困難なので、レース前はスタートから近い場所(街からスタートし、徐々に山を登っていくパターンが多いです)を走ります。レース前に滞在した街、ニゴンボには魚や野菜の市場があります。

休日の路上でのフィッシュマーケット。所狭しと干物が並びます Photo: Sayako IKEDA休日の路上でのフィッシュマーケット。所狭しと干物が並びます Photo: Sayako IKEDA
ニゴンボの魚市場で大量の干物を作っています。 Photo: Albert Kikstraニゴンボの魚市場で大量の干物を作っています。 Photo: Albert Kikstra

魚が常温で売られている町

 魚が常温で売られているのは、ここでは当たり前の風景。私も2年前に訪れましたが、多くの魚とそれを狙いながら上空を飛び回る鳥、そして魚のにおい(嫌いじゃないです)、全てが圧巻でした。市場は海のすぐそばにあって、海岸沿いには大量の魚が干してありました(干物になります)。

自転車の後ろにショーケースを取り付け、中のパンやスナックが傾かせずに器用に乗りこなしていました。すごいハンドリングスキルです Photo: Sayako IKEDA自転車の後ろにショーケースを取り付け、中のパンやスナックが傾かせずに器用に乗りこなしていました。すごいハンドリングスキルです Photo: Sayako IKEDA

 そして今回夫が市場で見かけた、食品の売り子さん。見慣れたママチャリに手作りの棚を括り付けて、移動販売車として活用していました。中にはパンなどが並んでいて、上手く乗りこなす姿に「中身が傾かない様にするには、そうとうスキルが必要」と夫。自転車には、日本のメーカーの文字。中古車は、海を渡ってこんなところでも活用されているのですね。

レースの朝食。新鮮フルーツとロティ(ココナッツと米粉のパン)と全粒粉のパン Photo: Sayako IKEDAレースの朝食。新鮮フルーツとロティ(ココナッツと米粉のパン)と全粒粉のパン Photo: Sayako IKEDA

 スリランカの果物の中でもメジャーなのが、日本ではあまりお目にかかれないパパイヤ。池田の大好物でもあり、毎日2−3個はペロリと食していたそう。特にパパイヤ、スイカ、パイナップルの三つはレース中の主食とも言える存在だったそうです。

3日目のディナーのバフェ。この日は種類が豊富でついつい欲張ってしまいました Photo: Sayako IKEDA3日目のディナーのバフェ。この日は種類が豊富でついつい欲張ってしまいました Photo: Sayako IKEDA
食事は基本バフェスタイル。スパイスをふんだんに使ったカレーや漬物など美味しいものがたくさん並んでいました。ついつい欲張ってしまいます Photo: Sayako IKEDA食事は基本バフェスタイル。スパイスをふんだんに使ったカレーや漬物など美味しいものがたくさん並んでいました。ついつい欲張ってしまいます Photo: Sayako IKEDA

 パパイヤ搾りたて100%ジュースも朝食時に振舞われました。フルーツは人間の体人は欠かせない酵素、ビタミン、エネルギーが豊富。内臓に優しく、消化が速い反面、レース中の朝食はフルーツだけではエネルギー不足になってしまうため、パンとココナッツオイルなどをプラス。昼食には、スリランカ風フライドライス(炒めたご飯)をほぼ毎日注文。山の様に盛られ、ドライカレーの様な味付けが定番だったそう。

搾りたての100%パパイヤジュース。とても美味しい上に、レースへの上質なエネルギーとなります Photo: Sayako IKEDA搾りたての100%パパイヤジュース。とても美味しい上に、レースへの上質なエネルギーとなります Photo: Sayako IKEDA
新鮮で栄養満点のパパイヤがいつも食卓に並びます Photo: Sayako IKEDA新鮮で栄養満点のパパイヤがいつも食卓に並びます Photo: Sayako IKEDA
新鮮なフルーツをその場でカットしてサーブしてくれます。フルーツ大好きな池田にとってはたまりません Photo: Sayako IKEDA新鮮なフルーツをその場でカットしてサーブしてくれます。フルーツ大好きな池田にとってはたまりません Photo: Sayako IKEDA

 今夫は、肉、魚、卵、乳製品を基本的に摂取しない『プラントベースダイエット』を実行中なのですが、野菜が豊富なスリランカではあまり苦労しません。フレッシュなものが多かったのでその栄養価は抜群。スリランカの新鮮フルーツと野菜が今回の優勝の立役者かもしれませんね。

 レースが終わると全員で列車(電車と呼ぶよりもしっくりきます)に乗って、街に戻ります。4時間の列車移動は、決して短くはありません。途中、スナックなど軽食を売りに、売り子さんが車内に乗ったり降りたり行き交います。今回夫が購入したスナックは香ばしいダル(豆)スナック・ワデ、そしてトッピングはなんと唐辛子。油で揚げて塩味が効いた、シンプルなものです。

列車の中で売り子から購入した香ばしいダル(豆)スナック・ワデ。食感はカリッと、中には唐辛子も入っていてスパイシーで美味しかったです Photo: Sayako IKEDA列車の中で売り子から購入した香ばしいダル(豆)スナック・ワデ。食感はカリッと、中には唐辛子も入っていてスパイシーで美味しかったです Photo: Sayako IKEDA
列車内で購入した豆のスナック・ワデのトッピングはなんとカリッと揚げた唐辛子。すごく辛いけれどクセになります Photo: Sayako IKEDA列車内で購入した豆のスナック・ワデのトッピングはなんとカリッと揚げた唐辛子。すごく辛いけれどクセになります Photo: Sayako IKEDA
列車内で購入したスナックが入っていた袋はなんと!ノートの再利用で自作されていました Photo: Sayako IKEDA列車内で購入したスナックが入っていた袋はなんと!ノートの再利用で自作されていました Photo: Sayako IKEDA

使用済みノートが包み紙

 写真を見せてもらって私が注目したのが、その包み紙。誰かが勉強したノートが、リサイクルされていました。紙の右上には、その時の日付でしょうか「2012.◯.◯」と記してあります。4年前のノート、ここに復活。日本では「ありえない」ことも、一歩外に出ると「あり得る」こと。ささいなことでも大きく取り沙汰される最近の我が国は、ちょっとぎすぎすしているのかも!?なんて考えが浮かびます。スリランカで生きる人々のたくましさと、柔軟さを学びました。あまり小さなことでは驚かなくなるのも、旅で得られる大きな財産の一つです。

さて、今回池田が目にしたものの中でも、特に興味深いことがありましたので最後にご紹介します。

ココナッツウォーターは電解質を豊富に含む天然のスポーツドリンク。池田祐樹お気に入りのドリンクです Photo: Sayako IKEDAココナッツウォーターは電解質を豊富に含む天然のスポーツドリンク。池田祐樹お気に入りのドリンクです Photo: Sayako IKEDA

マッチョな男はココナッツがお好き

 レース後の移動中に、列車から夫が目を奪われたもの。それは、田舎の地方で上半身裸で農作業をしている男性達の肉体が「とにかくかっこよかった」こと。無駄のない、筋骨隆々なマッチョな体。彼らは何を食べているのだろう。プロテインを飲んでいるとは思えない。すると男性たちの傍らには、食べ終わったココナッツの殻がゴロゴロ転がっていたそうです。日本でも流行っているココナッツはスリランカ原産のものも多いです。

ココナッツはナタでカットして穴を開けたらストローを挿して飲むだけ Photo: Sayako IKEDAココナッツはナタでカットして穴を開けたらストローを挿して飲むだけ Photo: Sayako IKEDA

 ココナッツウォーターには天然の電解質も豊富に含まれていて、汗をかいた際には水よりも効率的に体内に吸収されます。そしてその電解質量は、スポーツドリンクの数倍とも言われています。また、ココナッツの果肉には、全ての必須アミノ酸が含まれている他、体を作る豊富な栄養素が詰まっています。タンパク質源として思い浮かぶものとして肉が挙げられることが多いですが、タンパク質は、アミノ酸で構成されています。

 体内に取り込んだタンパク質は分解を繰り返し、最終的にアミノ酸になりますが、「“アミノ酸”を食べれば、分解に費やすエネルギーも省くことができ、より良質な筋肉になる」という説があります。馬が肉を食べずにアミノ酸が豊富な草を主食とし、あの美しくてしなやかな筋肉を作るように。スリランカが健康指数の高い国と評された理由は、ひょっとするとアミノ酸が豊富な野菜とココナッツの存在があったからかもしれません。

 いずれにしても、訪れた国の食文化を自分の視点で紐解いてみることは、旅をする面白さの一つです。ステージレース挑戦の舞台としても、いかがですか?

↓池田祐樹レースレポートはこちら↓

池田清子池田清子(いけだ・さやこ)

アスリートフード研究家。モデル事務所でのマネージャー経験を生かし2013年夏よりトピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属ライダー、池田祐樹選手のマネージメントを開始、同秋結婚。平行して「アスリートフードマイスター」の資格を取得。アスリートのパフォーマンス向上や減量など、目的に合わせたメニューを日々研究している。ブログ「Sayako’s kitchen」にて情報配信中。

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