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ツール・ド・フランスを楽しむ4ステップ<3>部屋にいながら“フランス一周” 美しい景色を楽しみパリを目指す巡礼の旅

by 山口和幸 / Kazuyuki YAMAGUCHI
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 4回にわたってお届けする「ツール・ド・フランスを楽しむ4ステップ」。第3回目は、「レースの沿線風景」に注目する。レースの細かいところがわからなくても、スカパー!の中継映像でもたびたび映し出されるフランス各地のお城や名所など、それだけで見応えがあるものだ。美しい景色のなかを、色とりどりのウェアを着た選手たちの一団が、今日も風とともに駆け抜けていく。

世界遺産モン・サン・ミシェル Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI世界遺産モン・サン・ミシェル Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

美しく過酷なフランスの旅

 フランスの美しい景観に魅了されてツール・ド・フランスが好きになった人も最近はかなり増えているそうだ。世界最大の自転車レース。真夏のフランスを23日間かけて一周する、地上で最も過酷と言われるスポーツイベントは、フランスの大自然がその舞台となったことでここまで人気を博したことはいうまでもない。

 ツール・ド・フランスはちょっと特殊なスポーツである。まずは競技場を飛び出して開催されること。同じ公道を使ったマラソンの国際大会とも違うのは、毎年そのコースが激変し、左回りだったり右回りだったりする。前者ならピレネーが前半でアルプスが後半の山場となる。後者ならその逆だ。観光地としての魅力あふれるフランスのさまざまなエリアを訪問するので、視聴者は自分の部屋にいながらまるで旅をしているかのように楽しむことができる。

“悪魔の棲む山”モンバントゥー Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI“悪魔の棲む山”モンバントゥー Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

お祭りを楽しむ気分で

 バカンスを利用して沿道に集まった観衆はレース展開に一喜一憂しているわけでもない。日本の熱心なファンならちょっと拍子抜けするほどだ。これもツール・ド・フランスが世界最高峰たるゆえんだとボクは分析している。参加選手は日本を含めて世界各国から集結し、沿道に集まる観衆も世界各国からやってくる。イタリア選手の出場数が多いジロ・デ・イタリアでは日本の甲子園大会のように郷土愛からくる激しい応援合戦が勃発し、ライバル選手に向けて罵声を浴びせるなんてこともある。

コルドシュールシエルのテラス席があるレストラン Photo: Kazuyuki YAMAGUCHIコルドシュールシエルのテラス席があるレストラン Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

 でもツール・ド・フランスは優雅なバカンスを使って家族や仲間と楽しむライフスタイルの一部だ。だから応援は一様に「アレアレ!(頑張れ)」。選手たちがやってくる瞬間を興奮の最高潮としながらも、それ以外を含めたまる1日を楽しんでいるのだ。

 とりわけ総合優勝から30年以上も遠ざかっているフランス国民は一様にだれが勝ったのかなんて二の次みたいだ。それよりも「おらが町にツール・ド・フランスがやってくる」というワクワク感を楽しむことが第一。まずは着飾らなくちゃ。そして自転車をディスプレーしなくちゃ。スゴいと思ったのは、ショーウインドウに飾られるビンテージものの自転車は、チェーンに薄くオイルが塗られ、タイヤの摩耗も目立たない。つまり古いけど現役として愛用されているものばかり。自転車への憧憬とか親近感は、日本がどんなに頑張っても勝てるものではないなあ。

レースと一緒に絶景を楽しむ

 世界最大の観光大国であるフランスは労働者の8%が観光産業に従事しているということもあり、国を挙げて観光地をピーアールする政策を掲げている。ツール・ド・フランスはこの国の象徴ともいえるイベントなのだから、いくつもの政府関連団体がこれを巧みに利用している。「フランス国立モニュメントセンター」は歴史的建造物を保存・修復・管理する行政機関で、政府のフランス文化・コミュニケーション省が管轄する。2016年の開幕地となったモン・サン・ミシェルをはじめ、コース途中のカルカッソンヌ城、フィナーレのエトワール凱旋門などを全面的に押し出し、素晴らしい空撮とともに世界中の人に観光ピーアールをしているのだ。

天空の城コルドシュールシエル Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI天空の城コルドシュールシエル Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

 スカパー!の国際映像でも連日のようにこういった歴史的建造物が映し出される。フランス国立モニュメントセンターが国際映像を制作するフランステレビジョンと契約して、荘厳な空撮シーンをレースの中に織り込ませているのだ。だから現地のテレビでは必ず実況者がその歴史を短くふれる。世界中のファンはフランス一周バーチャル旅行を楽しみながら選手と一緒にパリ・シャンゼリゼを目指せるのだから悪いことではない。

ツールは欧州文化そのもの

 パリからクルマで30分も走れば地平線まで麦畑が続く。そんな農業大国フランス。基本的に町と町は1本の道で結ばれ、集落以外は広大な牧草地や森林。こんな国土であるから自転車レースが運営しやすい。これだけ原っぱがあれば、レースを追うヘリコプターだってどこでも離着陸できるのだ。日本とはスケールが違う。すべてが違う。それでいてどこか懐かしさが感じられる。

ツールマレー峠を眼下に見下ろすピックデュミディ天文台 Photo: Kazuyuki YAMAGUCHIツールマレー峠を眼下に見下ろすピックデュミディ天文台 Photo: Kazuyuki YAMAGUCHI

 こうして23日間、町から町へと移動してフランスを旅する存在は、高度成長期に日本でもあったサーカス団のようだ。ワクワクとドキドキ。家族や地域の会話がはずむのは当然だ。選ばれし198人の男たちのなかには主役もいるがピエロにも似た山岳ジャージもいるし…。ゴールの町を宿場(エタップ)として、全力でひた走るさまはまさにカトリックの巡礼の旅を模したものとも言える。だからツール・ド・フランスは欧州文化そのものなのだ。それでいて毎年正月の駅伝中継のように日本人が好む要素が盛りだくさんある。だから日本でそんなツール・ド・フランスの魅力にとりつかれた人が増えているのも当然なのである。

スカパー!でツール・ド・フランスを独占生中継

タイトル :ツール・ド・フランス2016
放送日時 :7月2日(土) ~ 7月24日(日)
チャンネル:J SPORTS 4(BS245)

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