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栗村修の“輪”生相談<78>30代女性「夏に向けて熱中症対策をどうすればよいでしょうか」

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いつもためになる相談を楽しく拝見しています。この冬から人生初のロードバイクを家族で手にし、休日を使って走っています。

 最近昼間は気温が高くなり(編注:3月下旬にいただいた質問です)、ボトルの減り具合も早くなりました。このペースでいくと真夏は…。まだ夏を走っていないので、これから夏に向けて熱中症対策をどうすればよいか気になります。

 よろしくお願いします!

(30代 152cmの主婦)

 ロードバイクデビュー、おめでとうございます! 今後も末永く楽しんでくださいね。

 ただ、言いづらいことではありますが、ロードバイクにはいくつかリスクがあります。代表例が、落車や事故ですよね。こういう話題は避けられがちなんですが、しかし見つめなければならない現実です。ケガには十分注意してください。

 さて、これからの季節、事故並みに注意しなければならないのが脱水です。特に、近年の夏は暑さが尋常じゃありません。僕が若いころは40℃なんて気温を見ることはありませんでしたが、今では命の危険を感じる気温が当たり前になってしまいました。

 それに、脱水とまでいかなくても、水分量を失うことはパフォーマンスを下げます。がんばっていい機材を購入したとしても、その意義が吹っ飛んでしまう程度には、体のパフォーマンスは落ちます。だから、多くの地域で梅雨明けを控えた今のうちに、対策を立てておきましょう。

 まずはなんといっても、しっかり水分を摂ることです。「ボトルの減りが早くなり…」とありますが、それは素晴らしいことですよ。ちゃんと水分補給をされているということですから。慣れていない方は、ドリンクをあまり飲まずに走ってしまう人が少なくないんです。

 発汗量などにより個人差はありますが、真夏ならば1時間に500ccくらいは飲んでいただきたいものです。よく言われることではありますが、喉が渇く前に飲むのがポイントです。「このペースでいくと夏は…」とありますが、足りなくなることを心配されているのでしょうか。もちろん、2つのボトルだけでは足りませんから、途中で買い足すことはマストです。

 あと、女性だと抵抗があるかもしれませんが、水をかぶるのは効きます。気化熱でひんやりするんですね。真水のボトルは用意したほうがいいでしょう。

本当に暑いときは水をかぶるのも効果的(ジロ・デ・イタリア2009 第16ステージ) Photo: Yuzuru SUNADA本当に暑いときは水をかぶるのも効果的(ジロ・デ・イタリア2009 第16ステージ) Photo: Yuzuru SUNADA

 それから、熱中症には直結しないかもしれませんが、日焼け止め。日焼けって疲労につながるんですよ。夏用の、日焼け防止のアームカバーもアリですね。

 でも、そもそもなんですが、気温が40℃近いような状況で走ることに無理があると思うんです。リスクがありすぎますよ、今どきの夏は。夏は日中を避け、朝方か夕方のみ走ったほうがいいかもしれませんね。

 そうそう、最近ではこんな裏技もあります。パンストに氷を入れて、首の後ろのウェアの襟口に入れるんです。直射日光が当たりやすい首の後ろを冷却して体温上昇を防ぐことができるんですね。

 もっとも、選手たちは氷入りのパンストをチームカーから受け取って襟口に入れればいいんですが、趣味のサイクリストではそうもいきません。でも今は、コンビニでパンストも氷も売っています。走り出したはいいが予想外に暑くて…というときにはコンビニに駆け込んで、ドリンクとあわせてパンスト&氷を買う手もあるかもしれません。

 でもですよ、女性ならともかく、ピチピチのウェアを着て脚の毛を綺麗に剃った男性が汗だくで氷とパンストだけを買うと、自転車以外の特殊な趣味を持っていると誤解されるかもしれません。買うときにはさりげなく、店員さんに「いやあ、コレに氷を入れて首の後ろに入れると涼しいんですよねー」などと、弁解というか説明はしてください(後ろに並んでいる人にも聞こえるように)。

 けど、繰り返しになりますが、あまり暑い時期・時間帯に無理をして走るべきではありません。プロの間(自転車のプロですよ)で流行っている方法として知っておくくらいに留めてもいいかもしれませんね。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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