セラ・サンマルコのCEOも来日キャプーチさんと過ごした極上の2日間 初開催のポディウム「カレラキャンプ」に密着

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 カレラやタイム、オルベア、チネリなど、海外スポーツ自転車やパーツなどを輸入する「ポディウム」が、ユーザー向けのイベント「ポディウム・キャンプ」の第1回として、「カレラキャンプ in 館山」を6月18、19日の2日間、千葉県館山市で開催した。1990年代にツール・ド・フランスで3度の総合表彰台、2度の総合山岳賞、さらにジャパンカップ3連勝など活躍した名選手、クラウディオ・キャプーチさん(イタリア)を招き、製品紹介やライドを行った。

イベント2日目に行われた房総ライド。集団先頭に立つのはあのクラウディオ・キャプーチさんだ(ポディウム提供)イベント2日目に行われた房総ライド。集団先頭に立つのはあのクラウディオ・キャプーチさんだ(ポディウム提供)

各ブランドの重鎮が自ら製品解説

「SL 7」のプレゼンテーションをするカレラのカンパニョーニ氏(左) Photo: Ikki YONEYAMA「SL 7」のプレゼンテーションをするカレラのカンパニョーニ氏(左) Photo: Ikki YONEYAMA

 イベントの1日目はホテルのコンベンションホールで、夕方より懇親会・食事会を兼ねて行われた。スポーツバイクメーカー「CARRERA」(カレラ)からはセールスマネージャーのルイジ・カンパニョーニ氏、サドルメーカーの「SELLE SAN MARCO」(セラ・サンマルコ)からはルイジ・ジラルディ・ジュニアCEOが来日して、それぞれプレゼンテーションを行った。

 カレラのカンパニョーニ氏は、カレラの自転車が1989年にカレラチーム(1980〜90年代に活躍したイタリアのプロチーム。キャプーチ、ステファン・ロッシュ、マルコ・パンターニらを輩出)のために始まったことを挙げ、「私たちにとって、まずレースがあったのです。ビジネスのためにレースと関わったのではありません」と同社の理念を語った。また最新モデルをいち早く公開し、カンパニョーニ氏が自ら紹介を行った。

エアロロード AR-01 Photo: Ikki YONEYAMAエアロロード AR-01 Photo: Ikki YONEYAMA

 新しいエアロロードの「AR-01」は、最高の空力性能を発揮しながらUCI(国際自転車競技連合)の規定をクリアするため、翼断面を切り落としたフレーム断面形状を採用。ステムとトップチューブが一体化したフォルムとし、ケーブル類が露出しないよう内蔵化されている。またシートステーとホイールとのクリアランスを広く取ることで、互いが空気の流れを阻害しない設計になっているという。1つのフレームでキャリパーブレーキ、BB下ダイレクトマウントブレーキ、ディスクブレーキの3つのリアブレーキシステムに対応する。

ステムとフレームが一体化されたフォルムをもつAR-01 Photo: Ikki YONEYAMAステムとフレームが一体化されたフォルムをもつAR-01 Photo: Ikki YONEYAMA
3種類のブレーキシステムに対応するAR-01(写真はサンプルモデルで実際はキャリパーブレーキ用の台座穴が用意される) Photo: Ikki YONEYAMA3種類のブレーキシステムに対応するAR-01(写真はサンプルモデルで実際はキャリパーブレーキ用の台座穴が用意される) Photo: Ikki YONEYAMA

 また、上りに強い軽量タイプのスタンダードロードレーサー「SL 7」と、長距離のライドに適したコストパフォーマンスの高い「ER-01」が本邦初公開された。

自転車とサドルの歴史を解説するセラ・サンマルコのジラルディCEO Photo: Ikki YONEYAMA自転車とサドルの歴史を解説するセラ・サンマルコのジラルディCEO Photo: Ikki YONEYAMA

 サンマルコのジラルディCEOはサドルの歴史や進化に触れながら、「昔はフレームに多くのサイズが用意され、サドルはせいぜい3種類ほどだった。今はフレームサイズの種類が少なくなったが、一方でサドルの選択肢が無数に増えた」と解説。同社のサドル選びのツール「DiMA」(ディーマ)に触れ、体に適したサドル選びの重要性をアピールした。

 来年の製品にも触れ、サンマルコの歴史的モデル「コンコール」「ロールス」「リーガル」に新素材を導入したモデルを準備していると話した。

大盛り上がりのディアブロ・トーク

キャプーチさんが入場 Photo: Ikki YONEYAMAキャプーチさんが入場 Photo: Ikki YONEYAMA

 続いて今回のスペシャルゲスト、キャプーチさんが拍手で迎えられた。現役時代と変わらず褐色に焼けた肌は、「ディアブロ」(悪魔)と呼ばれた頃のイメージそのまま。現在も年間約2万km自転車に乗り、グランフォンドなどのイベントにも精力的に参加するという。キャプーチさんによると「筋肉量は現役時と同じ。脂肪は4kgほど増えました」だそう。

 カレラのバイクに関しては、現役時代はレースでテストした内容をフィードバックし、「自分も開発陣の一人という意識だった」と話す。サイズやジオメトリーまで1mm単位で細かく指示し、素材にも注文をつけていたという。現在も機材に対する関心は深く、最新技術への知識欲も強いという。

サイクルライターの菊地武洋さんの進行でトークが行われた Photo: Ikki YONEYAMAサイクルライターの菊地武洋さんの進行でトークが行われた Photo: Ikki YONEYAMA
気さくに話すキャプーチさん Photo: Ikki YONEYAMA気さくに話すキャプーチさん Photo: Ikki YONEYAMA
カレラ本社からキャプーチさんが現役時代に使用した「ディアブロ」カラーのカレラも持ち込まれた Photo: Ikki YONEYAMAカレラ本社からキャプーチさんが現役時代に使用した「ディアブロ」カラーのカレラも持ち込まれた Photo: Ikki YONEYAMA
キャプーチさんが使用していたディアブロ(悪魔)カラーのカレラ Photo: Ikki YONEYAMAキャプーチさんが使用していたディアブロ(悪魔)カラーのカレラ Photo: Ikki YONEYAMA
カレラ本社からは、故マルコ・パンターニのバイクも持ち込まれた。非常に軽量なアルミバイクだ Photo: Ikki YONEYAMAカレラ本社からは、故マルコ・パンターニのバイクも持ち込まれた。非常に軽量なアルミバイクだ Photo: Ikki YONEYAMA
ジラルディ氏とキャプーチさんが「カンパイ」の音頭 Photo: Ikki YONEYAMAジラルディ氏とキャプーチさんが「カンパイ」の音頭 Photo: Ikki YONEYAMA
山岳賞ジャージを着て単独逃げを決めた1992年ツール・ド・フランス第13ステージを自ら解説 Photo: Ikki YONEYAMA山岳賞ジャージを着て単独逃げを決めた1992年ツール・ド・フランス第13ステージを自ら解説 Photo: Ikki YONEYAMA

 乾杯と食事をはさんで、キャプーチさんが伝説的な200kmの独走逃げ切りを決めた、1992年ツール・ド・フランスの第13ステージの映像を自ら解説するという、贅沢な時間も設けられた。セストリエールの頂上ゴールに至る254.4kmのレースで、合計5つの峠を上る超級山岳ステージだ。

 キャプーチさんは「最初に抜け出したとき、他の有力選手は気付いていなかった」と、選手間の無線通信が使われていなかった時代ならではの駆け引きを披露。途中では「ここで追走集団をブーニョが引いていると聞き、腹が立って加速しました!」と幾度か同国イタリアのライバル、ジャンニ・ブーニョの名前を出して笑いを取りながら、各場面での走りを昨日のことのように細かに語った。映像がゴールを迎えるところでキャプーチさんは笑顔でガッツポーズを見せ、会場は温かい拍手に包まれた。

山岳で熱狂的な応援を受け「とても勇気付けられた」と話すキャプーチさん Photo: Ikki YONEYAMA山岳で熱狂的な応援を受け「とても勇気付けられた」と話すキャプーチさん Photo: Ikki YONEYAMA
見事200kmを逃げ切ってガッツポーズ「バンザイ!」 Photo: Ikki YONEYAMA見事200kmを逃げ切ってガッツポーズ「バンザイ!」 Photo: Ikki YONEYAMA

 懇親会の最後には、キャプーチさんが自ら参加者に、翌日のライドで使用するカレラのジャージセットを手渡し、参加者一人一人と固い握手を交わした。

キャプーチさんが表紙になった1993年の「サイクルスポーツ」誌を手にしたファンも Photo: Ikki YONEYAMAキャプーチさんが表紙になった1993年の「サイクルスポーツ」誌を手にしたファンも Photo: Ikki YONEYAMA
参加者にカレラジャージ上下セットを手渡すキャプーチさん Photo: Ikki YONEYAMA参加者にカレラジャージ上下セットを手渡すキャプーチさん Photo: Ikki YONEYAMA

キャプーチさんの「個別指導」も

 2日目は房総フラワーラインを中心に、3時間ほどのライドが行われた。ホテルのプールサイドに置かれたバイクラックには新品の試乗車がずらりと並べられ、参加者全員がカレラのバイクに乗り出発した。途中何度か休憩をとりながら、のんびりとしたペースで海辺のサイクリングを楽しんだ。

プールサイドにカレラのバイクがずらりと並ぶ Photo: Ikki YONEYAMAプールサイドにカレラのバイクがずらりと並ぶ Photo: Ikki YONEYAMA
キャプーチさんはカレラの新型エンデュランスバイク「ER-01」でライド(ポディウム提供)キャプーチさんはカレラの新型エンデュランスバイク「ER-01」でライド(ポディウム提供)

 キャプーチさんは集団を前後しながら、各参加者に声を掛け、カメラを向けられるとどこでもポーズを決めるサービス精神を発揮。現役時より若干胴回りが太くなったものの、変わらないライディングフォームで力強い走りを披露した。

軽々とバイクを担いでみせるキャプーチさん(ポディウム提供)軽々とバイクを担いでみせるキャプーチさん(ポディウム提供)
終始ファンサービスに努めていたキャプーチさん Photo: Ikki YONEYAMA終始ファンサービスに努めていたキャプーチさん Photo: Ikki YONEYAMA
カメラを向けるとすぐにポーズを決めてくれる Photo: Ikki YONEYAMAカメラを向けるとすぐにポーズを決めてくれる Photo: Ikki YONEYAMA
風情のある漁港を通り抜ける(ポディウム提供)風情のある漁港を通り抜ける(ポディウム提供)
途中こんな「プチ激坂」区間も Photo: Ikki YONEYAMA途中こんな「プチ激坂」区間も Photo: Ikki YONEYAMA
カフェでひと休み(ポディウム提供)カフェでひと休み(ポディウム提供)

 ライドの途中では、キャプーチさんによる自転車教室も行われた。参加者が1人ずつ走る姿を見て、「もう少しサドルを下げたほうがアタックに対応しやすい」などと個別にアドバイス。参加者は「まさか一対一で教われるとは」と驚きと喜びの表情を浮かべていた。

参加者一人ずつの乗り方を注意深く観察 Photo: Ikki YONEYAMA参加者一人ずつの乗り方を注意深く観察 Photo: Ikki YONEYAMA
個別にポジションやケイデンスなど、細かなアドバイスをした Photo: Ikki YONEYAMA個別にポジションやケイデンスなど、細かなアドバイスをした Photo: Ikki YONEYAMA
折り返し地点での記念撮影 Photo: Ikki YONEYAMA折り返し地点での記念撮影 Photo: Ikki YONEYAMA
ライド後、試乗車にキャプーチさんがサインを施した(ポディウム提供)ライド後、試乗車にキャプーチさんがサインを施した(ポディウム提供)
サイン入りのバイクは特別販売される予定だという Photo: Ikki YONEYAMAサイン入りのバイクは特別販売される予定だという Photo: Ikki YONEYAMA

ブランドをより深く体感

 イベントは館山市の「館山リゾートホテル」で行われた。異国情緒あふれるホテルの部屋には、参加者に向けたメーカーからのプレゼントが箱に詰めて置かれるなど、大小のサプライズな仕掛けがいくつも用意された。

参加者1人1人に、メーカーからのプレゼントがスペシャルボックスとして用意された Photo: Ikki YONEYAMA参加者1人1人に、メーカーからのプレゼントがスペシャルボックスとして用意された Photo: Ikki YONEYAMA
お土産には手作りの置物も。カレラジャージを着ている! Photo: Ikki YONEYAMAお土産には手作りの置物も。カレラジャージを着ている! Photo: Ikki YONEYAMA

 「キャプーチ選手のサービス精神に感動しました」と話すのは、富津市から参加した濱本智之さん(42)。キャプーチさんに憧れてカレラを手に入れたと話すだけあって、今回は仕事を休んで駆けつけたという。福島県から参加した板垣亜門さん(23)は、自転車教室でサドル位置についてアドバイスを受け、「すぐにサドルを前に出しました」と名選手からのマンツーマン指導に感銘を受けていた。

自前のカレラバイクで参加した濱本智之さん(左)と板垣亜門さん Photo: Ikki YONEYAMA自前のカレラバイクで参加した濱本智之さん(左)と板垣亜門さん Photo: Ikki YONEYAMA
中国・上海でカレラの販売を手掛けるというカ・ミンさん(左)は、友人のチョウ・ツンさんと参加 Photo: Ikki YONEYAMA中国・上海でカレラの販売を手掛けるというカ・ミンさん(左)は、友人のチョウ・ツンさんと参加 Photo: Ikki YONEYAMA

 ポディウムでは昨年まで、取り扱いブランドをすべて集めた発表会を秋口に開催していたが、それぞれに歴史のあるブランドを多数扱うなか、どうしても各ブランドの「思い」を伝えることが難しかったという。今年から新たな取り組みとして、ブランド数を絞っての発表会を年に複数回行い、また特定のブランドをより深く知ってもらうためのイベントを各地で開催する。第2回のポディウムキャンプは、秋頃に行うことを計画しているという。

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