産経新聞【みちのく会社訪問】より骨伝導技術でサイクリング中も通話や音楽を 青森市のフォルテが商品化

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 仲間との通話や好きな音楽を聴きながらサイクリングを楽しめる画期的な自転車用通話ギア「VOCE-rable」(ヴォーチェ・ラブル)を開発、商品化した。独自の骨伝導技術を活用しており、耳を塞ぐことなく周囲の音や緊急車両のサイレンも聞くことができることから、安全性にも配慮している。自転車愛好家にとっては垂涎(すいぜん)の的となりそうだ。 (産経新聞青森支局・福田徳行)

独自技術で製品化

ヘルメットの後部に付け、サイクリングしながら通話、音楽を楽しめる「VOCE-rable」(福田徳行撮影)ヘルメットの後部に付け、サイクリングしながら通話、音楽を楽しめる「VOCE-rable」(福田徳行撮影)

 自転車用ヘルメットに取り付け、左右のスピーカー部分のパッドを顎ひもに装着する。パッドに骨伝導スピーカー、小型マイクを搭載。近距離無線通信「ブルートゥース」でスマートフォンと連動させ、通話や音楽を聴くことができる。

 操作も耳元のパッドにあるボタンで電話を受けたり、切ったりすることができ、音楽の再生や音量の調整などもできる優れ物だ。音声認識でスマホを操作することも可能。また、本体部分に4つの発光ダイオード(LED)を装備したことで夜間走行の安全性も確保できる。

 5年前から衛星利用測位システム(GPS)を搭載した音声観光ガイド端末「ナビチャリ」を製品化しているが、ツーリングの際にサイクリング仲間同士のコミュニケーションが取りづらいことに着目、平成25年からVOCE-rableの開発に着手した。

 「当初は通信部分、音質がなかなかうまくいかなかった」と企画営業課の佐藤尋紀(ひろのり)グループリーダー(32)。さまざまな助成金を活用、試行錯誤しながらようやく商品化にこぎつけ、今年4月に発売した。

 佐藤氏は「音楽はもちろん、無料通信アプリのLINEを使えばグループ通信も可能。仲間とワイワイ話しながらサイクリングが楽しめる」と太鼓判を押す。さらに、ツーリングの最中に仲間の変化を知らせたり、後方からの車両接近などのコミュニケーションを取れることで、安全・安心にもつながるとアピールする。

 青森県内では26年、雄大な自然景観、食、温泉など豊富な観光資源をのんびりと自転車で巡って楽しむ周遊・滞在型観光を推進するため、サイクルショップや自転車愛好家、宿泊業者などが「青森県サイクル・ツーリズム推進協議会」を立ち上げ、行政も巻き込んで環境整備や誘客促進、情報発信などに力を入れている。佐藤氏は「県内の団体などにも積極的にPRしていきたい」と意気込む。

海外展開も視野

 自転車文化が根付いている台湾や中国、欧州などでの販売に向け、試行的にマーケティングを実施しているほか、今後は脈拍測定やカロリー消費量の表示など、さらなる付加機能の装備も視野に入れている。

 「ただ自転車で目的地に行くだけだと孤独感がある。このギアを通してサイクリングの魅力を再発見してもらいたい」

 サイクリング、ツーリングをもっと楽しく-。佐藤氏は自転車愛好家の一段の拡大を夢見ている。

 【取材後記】「VOCE-rable」を体験してみたが、クリアな音質に驚いた。これを付けて、音楽を聴き、風を感じながらさっそうと大自然を駆け抜けたらさぞ、気持ちがいいのではと感じた。サイクリングとまではいかなくても、日頃の運動不足解消のためにも自宅の物置からママチャリを取り出し、ペダルをこいでみよう。そう決意した。ただのオヤジが自転車に乗っているだけと見られるかもしれないが…。

 【企業データ】青森市古川3の22の3、古川ビル3階(電)017・757・8033。平成17年3月設立。今年1月に「有限会社 forte」から「株式会社 フォルテ」に変更。資本金4100万円。27年度の売上高1億3600万円。従業員数8人。「VOCE-rable」は1万6800円(税抜き)で、ヤフーショッピングやアマゾンで発売。このほか、GPSを活用したさまざまな商品も開発している。

産経ニュースより)

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