工具はともだち<95>締めすぎに注意 ねじが留まる理由とは

by 重田和麻 / Kazuma SHIGETA
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ツアー・オブ・ジャパン京都ステージを走る選手たち ©KTCツアー・オブ・ジャパン京都ステージを走る選手たち ©KTC

 皆さんは「ツアー・オブ・ジャパン」ご覧になりましたか。私たちKTCは今年から組み込まれた5月30日開催の京都ステージと6月5日開催の東京ステージにブースを出店し応援しました。各ステージで熱い戦いが繰り広げられる中、京都ステージではKTCブースに京都のゆるキャラ「まゆまろ」が遊びに来てくれました。本当に熱く楽しい1週間でした。

6月1日はネジの日

 さて、今年も早や6月ですが、6月1日が「ねじの日」という事をご存じでしょうか。今回の「工具はともだち」は、その「ねじ」についてご紹介します。何故6月1日が「ねじの日」なのかと言うと、1949年6月1日にねじのJIS規格が制定された事にちなんで決められたのだそうです。ねじのJIS規格も制定されて70年近くになるんですね。

ねじはどうして留まっているのか? ©KTCねじはどうして留まっているのか? ©KTC

 自転車にも多くのねじが使用されていますが、そもそもこの「ねじ」というものは「どうして留まっているのか?」なんて事を考えた事のある方は少ないと思います。ただ、「ねじ」の締め付けトルクが重要だという事が言われている中、仕組みを知らないとトルクについても理解が深まらないんです。ですから、まずは、「ねじ」がどのようにして留まっているのかご説明しますね。

 「ねじ」と言うものは螺旋状になっていますので、回していくと奥に入っていきますが、当然、ボルトなどねじの頭部がねじ穴部分に到達すると、一旦はそこまでしか行きません。でも、そこからさらに締めこんだ場合、「ねじ」はどうなるのでしょうか。ボルトなどの頭部がめり込まない事とねじ山の溝が壊れない、ということを前提にした場合、ねじ部分だけは変わらず螺旋状に回転していき、先へ先へと行こうとします。

ネジは伸ばすから留まる

ねじには伸ばすと元に戻ろうとする力が発生する ©KTCねじには伸ばすと元に戻ろうとする力が発生する ©KTC

 つまり、頭部はねじ穴の入り口で留まろうとするのに対し、ねじ部分は先へ行くのですから、「ねじ」を回すという事は「ねじ」を伸ばす事になるんです。「ねじ」を回すことが「ねじ」を伸ばす事になるなんてあまり思いつかないですよね。ただ、この伸ばす事が「ねじ」を留めている最大のポイントなんです。なぜなら、どんなものでもある一定のところまでは、伸ばしても戻ろうとする力が働きます。

 「ねじ」も同じで、「ねじ」を回せば回すほど、伸びていきますが、それと同じだけ「ねじ」には戻ろうとする力が発生します。つまり、この戻ろうとする力こそが「ねじ」を留める力になるのです。では、もし戻ろうとする力以上に回していくとどうなるのでしょうか。どんな「ねじ」もある一定の力(この場合伸ばす力)が掛ると「ねじ」はその力に負けて伸びきってしまいもう元に戻ろうとしなくなります。

ねじは伸ばし過ぎると元に戻れなくなる ©KTCねじは伸ばし過ぎると元に戻れなくなる ©KTC

 一度こういう状況になった「ねじ」は元のような「ねじ」を留める力を失ってしまうので、同じように締めても、元のように留まる事はなく緩みや最悪の場合、折れてしまうのです。このように、「ねじ」の締めすぎは良くないと言われる理由は、「ねじ」が本来持っている「留める力」そのものを失わせてしまうからなのです。皆さんは「ねじ」を締めすぎていませんか?もしかすると、皆さんの自転車についている「ねじ」もイラストのようになっているかもしれませんよ。

(7月14日補足)この内容はねじを再利用する場合を前提に書いています。締結されている状態で即座に締結する力が失われる訳ではありません。

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重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

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