夕刊フジ【トップ直撃】よりau損害保険・亀田社長 社員を鼓舞する“修造との約束”で強いリーダーシップ

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 スマートフォンやパソコンから簡単に加入できることが特色のユニークな損害保険会社は、注力してきた自転車保険市場の拡大とともに急成長している。熱血漢の元テニスプレーヤーと同じ名前を持つトップは、社員と「修造との約束」を掲げ、働きやすい環境の整備やモチベーションの向上へ、強いリーダーシップを発揮する。 (夕刊フジ編集局報道部・中田達也)

au損害保険・亀田修造社長(荻窪佳撮影)au損害保険・亀田修造社長(荻窪佳撮影)

“いつでもどこでもお気軽に”

 ──自転車保険が急成長している背景は

 「自転車事故が社会問題となり、顕在化していることです。9500万円の損害賠償命令という高額な判例も出るなかで、自転車保険の加入を義務化する地方自治体もあります。自転車の便利さの裏側にある危険さをきちんと認識している人が保険に加入してリスクを回避しているのだと思います」

 ──スマートフォンやパソコンで加入できることが売りですね

 「保険は代理店を介して加入することが一般的ですが、われわれは“いつでもどこでもお気軽に”加入できるのがメリットだと思います。コストが安いので、保険料も安く設定できます」

 ──自転車保険で同業他社との違いは

 「いちばんのメリットは、現場に担当者が向かうロードサービスです。サイクリングの途中で自転車が壊れるケースはもちろんですが、自宅の近所でご利用いただくことも少なくありません。電動アシスト自転車の場合、車体が重いので、故障やパンクした場合、押して帰るのもたいへんなんです」

 ──スマホならではの保険加入の特色はありますか

 「テレビのドキュメント番組などで自転車事故の特集が放送されるとアクセスは2~3倍になりますね」

成長余力は「これから」

 ──顧客はやはりauのユーザーが中心ですか

 「約3500万人のauユーザーに刺さる商品をどう開発するかは永遠の課題です。auショップでも保険の取り扱いを始めたことは大きなチャンスだと考えています。一方で、スマホなどの検索画面では、auユーザーじゃなくても加入いただけることをアピールしています」

 ──成長余力は

 「まだまだこれからです。自動車のシートベルトや原付きバイクのヘルメットのように、自転車保険が育ってくれればと考えています」

 ──海外旅行保険やペット保険も扱っていますが、これらもスマホ経由で加入するメリットはありますか

 「自転車と海外旅行、ペットの保険はそれぞれアプリが付いているので、一緒に使っていただくととても便利です。たとえば海外旅行保険のアプリでは、海外でも日本と同じようにヘルプデスクが使えます」

20時以降の残業なし

 ──オフィス内には『亀田修造との約束』として、《20時以降の残業なし、水曜日は早帰り、連続5日間は休暇取得》と掲示がありますね

 「昨年4月に社長に就任しましたが、とにかく夜遅くまで仕事をする人が多いことが目につきました。そこでメリハリをつけて仕事をしてもらおうと、松岡修造さんの日めくりカレンダーにかけて作りました。上司が会社に残っていれば部下は先に帰りづらいものなので、上の者から率先して帰るようにしようという狙いです」

 ──一方で「必ず守っていただきたいこと」として、《出来ない理由でなくやるための方法を考える、スピード第一で仕事に壁をつくらない、いつまでに誰が何をやるかを明確にする》という項目もありますね

 「この3つについてはしつこく言っています。トップが何を考えているのか伝えないと、会社が一体になりにくいものです。全社員の会議も年4回行ったり、月初めに全体朝礼を開いたりするなどして、経営者としての思いを語っています」

1年で365万歩

【家族】2人の息子は独立し、妻と2人暮らし。数年前に長年暮らした猫を17歳で失った。「海の家に迷い込んできた子猫を拾ってきたのですが、家族の癒やしになってくれていました」

【手放せない一品】2台のスマートフォンを仕事とプライベートで使い分けている。

【包丁研ぎ】学生時代から料理が好きで、「切れない包丁が嫌い」と砥石(といし)を3種類そろえて包丁を研いでいる。「名古屋に赴任していた時期には、しょっちゅう部下を連れてきて料理を食べさせていました。冷蔵庫の中のもので手早く作るのが好きです」

【いまも読み返す一冊】梅棹忠夫の『知的生産の技術』。「高校生のときに父親に薦められて、素晴らしい本だと思いました。難しいことを簡単に整理して伝えることができる人で、その思想は、エバーノートなどスマートフォンのソフトにも生かされていると思います」

【健康】年間120日は禁酒すると決めている。「毎日結構な量を飲んでしまうので、土日はノンアルコールビールにしたら肝臓系の数値があっという間に許容範囲まで下がりました」

 1年で365万歩という目標も。「1日1万歩に足りない時は手前の駅で降りて歩いて帰るようにしています」

【座右の銘】《以和為貴(和をもって貴しとなす)》「よく知られた聖徳太子の言葉ですが、ただ仲良くすればいいというのではなく、一人のリーダーがきちんと道を説くことで、おのずとその方向に進んでいくという意味が込められていると解釈しています」

【スキー】中学卒業時の旅行をきっかけにスキーに熱中。大学時代は同好会で「冬の間は60日ぐらいロッジにいて、合宿の時はお客さん、合宿が終わると従業員になっていました」

 社会人になっても、「群馬県に赴任していたときには、土日は子供を連れてスキー場に通っていました。5年ぐらい前から再開して、女房と各地のスキー場に行っています」という。

【損保業界】損保会社に入ったのは「給料が高くて仕事が楽だと誤認していました。でも入ったら違いましたね」と笑う。

 「仕事が面白かったことはたしかですね。特に若い頃は護送船団方式で商品は他社と同じだったので、知識や手練手管でライバルに勝ったときがいちばん気持ちがいいですね。(自動車)ディーラーの担当拠点3つを自社のテリトリーにしたことが忘れられません」

【会社メモ】スマートフォンなどで加入できる損害保険会社。本社・東京。2010年2月、あいおい損害保険(現あいおいニッセイ同和損害保険)とKDDIの共同出資でモバイル損保設立準備会社設立。11年3月、現社名に変更。5月に営業開始、自転車保険や海外旅行保険、ペット保険などを手がける。資本金24億円、資本準備金21億円。社員数120人(2016年4月1日現在)。

亀田修造(かめだ・しゅうぞう)

 1954年7月26日生まれ、61歳。東京都出身。慶應義塾大経済学部卒業後の77年、千代田火災海上保険(現あいおいニッセイ同和損害保険)入社。営業畑を歩み、あいおいニッセイ同和損保執行役員、同社常務執行役員を経て2015年4月、au損害保険社長就任。

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