ツアー・オブ・ジャパン2016 第4ステージ(いなべ)イラン勢2人が逃げ切り ラジャブルーが区間勝利、ソフラビが総合成績首位に浮上

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 8日間で争われるツアー・オブ・ジャパンの第4ステージが6月1日、三重県いなべ市で開催され、モハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム)が逃げ切り優勝を飾った。個人総合時間首位はラジャブルーと逃げ、ステージ2位に入ったメヘディ・ソフラビ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム)へ移った。日本人最高位は終盤で追走グループに入った中根英登(愛三工業レーシングチーム)の6位だった。

両手を上げて1位でフィニッシュするモハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム)と、総合首位に立ったメヘディ・ソフラビ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム) Photo: Shusaku MATSUO両手を上げて1位でフィニッシュするモハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム)と、総合首位に立ったメヘディ・ソフラビ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム) Photo: Shusaku MATSUO

佐野が逃げグループに入る

 昨年からTOJに組み込まれた「いなべステージ」は2回目の開催。阿下喜駅をスタートし、2.8kmのパレード区間を経て本コースに合流する。フィニッシュ地点までの9.1kmを走った後、1周15.2kmのコースを8周する合計130.7kmで争われた。気温と湿度は高くないが、強風が吹き荒れ、選手にとって山岳区間以外にも気を抜けないレースとなった。

パレードに参加した鈴木英敬三重県知事(左)と、日沖靖いなべ市長 Photo: Shusaku MATSUOパレードに参加した鈴木英敬三重県知事(左)と、日沖靖いなべ市長 Photo: Shusaku MATSUO
パレードスタートを待つ選手たち Photo: Shusaku MATSUOパレードスタートを待つ選手たち Photo: Shusaku MATSUO

 リアルスタートが切られた集団ではアタックが散発した。上り区間では逃げは決まらなかったが、平坦区間で佐野淳哉(マトリックスパワータグ)が抜け出しに成功。ラジャブルーとソフラビが佐野に追いつき、3人での逃げグループを形成した。メイン集団とのタイム差は上下を繰り返しながら徐々に開いていった。

逃げ続けた佐野淳哉(マトリックスパワータグ) Photo: Shusaku MATSUO逃げ続けた佐野淳哉(マトリックスパワータグ) Photo: Shusaku MATSUO

 2周回を完了して集団が逃げを容認すると、逃げグループとの差は一気に開き、最大で7分にまで拡大した。レース後の佐野が「イランの2人がとにかく速かった」と振り返る通り、レースは強風や厳しい山岳に怯まずハイペースで進行。後方の集団も決して楽なペースではなかったという。

 中盤を過ぎ、依然として逃げグループとのタイム差がなかなか詰まらない集団だったが、ランプレ・メリダや宇都宮ブリッツェンらによってペースアップし徐々に距離を縮めていった。

逃げ切ったイランの2人組

 ラスト2周回、前を行く逃げグループでは、山岳ポイント前の最大勾配17%の“激坂”区間でイランの2人がペースを上げる。ここで佐野は2人についていくことができず脱落。レース後の佐野は「まさか一撃で置いていかれるとは」と語り、強烈なペースアップだったことを明かした。

最大勾配17%の区間でペースを上げるイラン勢と遅れる佐野淳哉(マトリックスパワータグ)Photo: Shusaku MATSUO最大勾配17%の区間でペースを上げるイラン勢と遅れる佐野淳哉(マトリックスパワータグ)Photo: Shusaku MATSUO
メイン集団は宇都宮ブリッツェンやブリヂストンアンカー サイクリングチームがペースアップを試みる Photo: Shusaku MATSUOメイン集団は宇都宮ブリッツェンやブリヂストンアンカー サイクリングチームがペースアップを試みる Photo: Shusaku MATSUO

 一方のメイン集団では、前にブリッジ(少人数での追いつき)をかけたいブリヂストンアンカー サイクリングチームや愛三工業レーシングチームが上りでペースアップし活性化。集団が割れたり、牽制で再び1つになったりを繰り返した。

メイングループ中ほどで走る新城幸也(ランプレ・メリダ) Photo: Shusaku MATSUOメイングループ中ほどで走る新城幸也(ランプレ・メリダ) Photo: Shusaku MATSUO
下りでメイン集団の先頭を走る阿部嵩之 Photo: Shusaku MATSUO下りでメイン集団の先頭を走る阿部嵩之 Photo: Shusaku MATSUO

 最終周回ではピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が山岳ポイント手前から強烈に牽引し、中根を含む4人の追走グループが形成された。

 中根は「ローテーションに加われないほどペースは速かった」と語るが、逃げる2人を捉えるまでに至らない。終始逃げ続けたラジャブルーとソフラビはそのままフィニッシュラインに現れ、ラジャブルーが両手を上げてゴールし優勝した。ラジャブルーが区間優勝、ソフラビが総合首位ジャージを獲得し、2人で賞を分け合った形となった。トラックレースが得意というラジャブルーは、海外レースで初の優勝だった。

左から優勝したモハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム)、総合首位のメヘディ・ソフラビ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム)、新人賞のダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルCT)、ポイント賞のピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) Photo: Shusaku MATSUO左から優勝したモハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム)、総合首位のメヘディ・ソフラビ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム)、新人賞のダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルCT)、ポイント賞のピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) Photo: Shusaku MATSUO

 ラジャブルーは「ハードな上りで風が強かったが、思ったよりアタックをする選手が少なかった。富士山ステージで結果を残せるよう、しばらく休みたい」とステージ優勝の喜びを噛み締めていた。ソフラビは「佐野のアタックにうまく乗ることができた。結果に満足している」と振り返った。

佐野は「結果は残せなかったが、成果を感じることができた」と振り返った Photo: Shusaku MATSUO佐野は「結果は残せなかったが、成果を感じることができた」と振り返った Photo: Shusaku MATSUO
モハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム)は「休息を取り、富士山ステージを再び狙いたい」と意気込んだ Photo: Shusaku MATSUOモハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム)は「休息を取り、富士山ステージを再び狙いたい」と意気込んだ Photo: Shusaku MATSUO

 翌第5ステージは6月2日、長野県飯田市で「南信州ステージ」として開催される。7.3kmのパレード区間と12.2kmのコースを10周、また、ラスト1.6kmのゴールへ向かう平坦路を合わせた123.6kmで争われる。厳しい上りやテクニカルな下りが登場し、選手は総合力が問われるステージとなるだろう。

第4ステージ(いなべ)結果
1 モハンマド・ラジャブルー(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム) 3時間23分25秒
2 メヘディ・ソフラビ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム) +0秒
3 ダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルCT) +49秒
4 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
5 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)
6 中根英登(愛三工業レーシングチーム)
7 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)
9 窪木一茂(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
10 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)

個人総合成績
1 メヘディ・ソフラビ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム) 9時間39分51秒
2 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) +40秒
3 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +45秒
4 窪木一茂(NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +50秒
5 ダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルCT) +51秒
6 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +52秒
7 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) +54秒
8 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)
9 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム) +55秒
10 キャメロン・バイリー(オーストラリア、アタッキ チームグスト)

ポイント賞
1 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 50pts
2 アンソニー・ジャコッポ(オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) 47pts
3 窪木一茂(NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 35pts

山岳賞
1 メヘディ・ソフラビ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム) 10pts
2 ベナム・マレキ(イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム) 10pts
3 サム・クローム(オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) 8pts

新人賞
1 ダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルCT) 9時間40分42秒
2 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン サイクリングチーム) +11秒
3 アントニオ・ニバリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +12秒

チーム総合
1 ピシュガマン サイクリングチーム 29時間01分40秒
2 タブリーズ シャハルダリ チーム +03秒
3 アヴァンティ アイソウェイ スポーツ +31秒

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