ツアー・オブ・ジャパン2016 第3ステージ(美濃)ジャコッポが高速スプリントを制す ボーナスタイムで総合首位に返り咲き

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」(TOJ)の第3ステージが5月31日、岐阜県美濃市で開催され、アンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)が高速のゴールスプリントを制して優勝した。また、ジャコッポはステージ1位となったことでボーナスタイムを10秒獲得し、総合首位に返り咲いた。日本人ステージ最高位は7位の窪木一茂(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)だった。

高速スプリントを制したアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)  Photo: Shusaku MATSUO高速スプリントを制したアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)  Photo: Shusaku MATSUO

「うだつの上がる町並み」をパレード

パレード走行のスタートを待つ集団と大勢の観客 Photo: Shusaku MATSUOパレード走行のスタートを待つ集団と大勢の観客 Photo: Shusaku MATSUO

 9回目の開催となる美濃ステージは、コースの約半分を長良川沿いに走り、残りの半周を山岳賞ポイントまで一気に登った後に下る1周21.3kmに設定された。パレード走行は「うだつの上がる町並み」で知られる伝統的な家屋が連ねる中をスタートし、コースへと合流。4㎞のパレード区間を経て周回コースに入りアクチュアル(正式)スタートを迎える。11.6kmを走ったのちに21.3kmを6周回する合計139.4kmで争われた。

 アクチュアルスタートを切った直後から集団ではアタックが散発。最初の周回の上りでガイ・カルマ(オーストラリア、チーム アタッキ・グスト)、ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)、サム・クローム(オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)がリードを築き、逃げグループを形成した。

メイングループはNIPPO・ヴィーニファンティーニが牽引し、ランプレ・メリダが続く Photo: Shusaku MATSUOメイングループはNIPPO・ヴィーニファンティーニが牽引し、ランプレ・メリダが続く Photo: Shusaku MATSUO

 一方のメイングループでは、逃げグループができたことでペースをダウン。1周目を終える頃には3分ほどの差になり、逃げグループ内でも補給食を取るなど落ち着きをみせた。

 メイングループは総合首位のグリーンジャージを着用するピエールパオロ・デネグリ擁するNIPPO・ヴィーニファンティーニが牽引。逃げグループとの差を広げ過ぎず、詰め過ぎないペースでコントロールし、リーダージャージをキープしたい意思をみせた。

ラスト1周まで逃げた3人 Photo: Shusaku MATSUOラスト1周まで逃げた3人 Photo: Shusaku MATSUO

 1周目と3周目に設けられた山岳賞ポイントは逃げていたクロームが先頭で通過し8ポイントを獲得するも、山岳賞ジャージを着るベナム・マレキ(イラン、タブリーズ シャハルダリ)が持つ10ポイントに届かず、ジャージの変動はなかった。また、ポイント賞を争う「中間スプリントポイント」では逃げの3人は争わず、ローテーションのまま通過した。

 残り2周回になると、先頭でコントロールするNIPPO・ヴィーニファンティーニの列にフェン・チュンカイ(台湾)らランプレ・メリダの選手が数人加わり、スプリンターのダヴィデ・チモライ(イタリア)のための働きを始め、集団のペースを上げた。前周と比べると3分早いペースとなった。

スプリンターによる高速勝負

 逃げ続けた3人だったが、最終周回の上り手前でメイン集団に吸収。ハイペースで上りを終えた集団は、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルCTのトレインを先頭にゴールへ向かう。見通しの良い直線のラスト150mでルロス エドゥアルド・アルサテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケアプロフェッショナルCT)がスプリントを開始するも、左手からジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO)が伸び、さらに後方から仕掛けたジャコッポがアベラストゥリを僅差でかわし今大会2勝目を挙げた。

ステージ優勝者へ送られた和紙製の法被を着るアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)  Photo: Shusaku MATSUOステージ優勝者へ送られた和紙製の法被を着るアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)  Photo: Shusaku MATSUO

 優勝したジャコッポは「以前も走ったことがあるコースで、予想通りに展開した。なるべく力を使わないよう走り、スプリントを行った」と経験を生かした走りをしたと語った。また、自身が獲得した総合リーダージャージとポイント賞、チームメートのクリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ・アイソウェイ スポーツ)が新人賞ジャージをキープし続け、着用ジャージをチームで量産していることに対し「チームは最高の状態にあり、難しいと予想される、いなべステージもベストを尽くしたい」と意気込みを見せた。

左から山岳賞ジャージを着るベナム・マレキ (イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム)、総合首位のアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)、新人賞ジャージを着用するクリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ・アイソウェイ スポーツ) Photo: Shusaku MATSUO左から山岳賞ジャージを着るベナム・マレキ (イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム)、総合首位のアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)、新人賞ジャージを着用するクリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ・アイソウェイ スポーツ) Photo: Shusaku MATSUO
ゴール時に獲得したポイントでポイント賞ジャージを獲得したアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) Photo: Shusaku MATSUOゴール時に獲得したポイントでポイント賞ジャージを獲得したアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) Photo: Shusaku MATSUO
レース後の会見で「その日その日のベストを尽くす」述べたアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) Photo: Shusaku MATSUOレース後の会見で「その日その日のベストを尽くす」述べたアンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) Photo: Shusaku MATSUO

 翌6月1日に三重県いなべ市で行われる第4ステージ「いなべ」は、初めてTOJに組み込まれた昨年に続き2回目の開催。15.2kmを8周、パレードとパレード合流後の周回コースの距離を合わせた130.7kmで争われる。アップダウンが連続するレイアウトで、道幅が狭く最大勾配17%の“激坂”も登場。選手たちはサバイバルな状況を試されるステージとなるだろう。

第3ステージ(美濃)結果
1 アンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) 3時間24分00秒
2 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO) +0秒
3 ピエール パオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
4 ルロス エドゥアルド・アルサテ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケアプロフェッショナルCT)
5 ロビー・ハッカー (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)
6 マルコ・クンプ(イタリア、ランプレ・メリダ)
7 窪木一茂 (NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
8 黒枝咲哉(日本ナショナルチーム)
9 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
10 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、チーム アタッキ・グスト)

個人総合成績
1 アンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ)6時間16分17秒
2 ピエール パオロ・デネグリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +5秒
3 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO) +7秒
4 窪木一茂 (NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +10秒
5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +12秒
6 ロビー・ハッカー (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) +14秒
7 クリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ・アイソウェイ スポーツ) +14秒
8 オスカル・プジョル (スペイン、チームUKYO) +14秒
9 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタック・チームグスト)+15秒
10 ダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(コロンビア、ユナイテット ヘルスケア プロフェッショナルCT)+15秒

ポイント賞
1 アンソニー・ジャコッポ (オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) 47pts
2 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO) 40pts
3 ピエールパオロ・デ ネグリ (イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 36pts

山岳賞
1 ベナム・マレキ (イラン、タブリーズ シャハルダリ チーム) 10pts
2 サム・クローム(オーストラリア、アヴァンティ アイソウェイ スポーツ) 8pts
3 ガイ・カルマ(オーストラリア、チーム アタッキ・グスト) 8pts

新人賞
1 クリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ・アイソウェイ スポーツ) 6時間16分31秒
2 ダニエルアレクサンデル・ハラミリョ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア プロフェッショナルCT) +1秒
3 横山航太(シマノレーシング) +1秒

チーム総合
1 アヴァンティ アイソウェイ スポーツ 18時間49分29秒
2 チームUKYO +05秒
3 宇都宮ブリッツェン +05秒

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