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ジロ・デ・イタリア2016 第21ステージニッツォーロが降格でアルントが区間優勝 ニバリが2度目の総合優勝、山本は151位完走

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ジロ・デ・イタリアの最終・第21ステージが5月29日、クーネオからトリノへの163kmで行われ、集団スプリントで先着したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)が降格処分となり、2番目にゴールしたニキアス・アルント(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)が区間優勝となった。雨のレースで落車が頻発したため総合成績はニュートラル(同タイム)の措置がとられ、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)が2度目の個人総合優勝を決めた。初出場の山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は総合151位で完走を果たした。

2度目のジロ・デ・イタリア総合優勝を飾ったヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) Photo: Yuzuru SUNADA2度目のジロ・デ・イタリア総合優勝を飾ったヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) Photo: Yuzuru SUNADA

雨にたたられた最終日

 ついに最終日を迎えた2016年のジロ。比較的好天に恵まれてきた今大会だが、最終ステージは雨のレースとなった。前日に逆転で首位に立ったニバリは「マリアローザ・メタリック」のスペシャルバイクで出走。レインジャケットもピンクのマリアローザカラーを着てスタートした。

レース前半に起きた集団落車 Photo: Yuzuru SUNADAレース前半に起きた集団落車 Photo: Yuzuru SUNADA

 慣例に従ってレース序盤はスローペースでの凱旋パレード。ところが序盤37km地点で集団落車が発生した。数人が激しく道路に体を打ち付け、ラースユティング・バク(デンマーク、ロット・ソウダル)がここでリタイアすることになった。

 距離が進むにつれ雨は一旦上がり、トリノ市街の周回コースが近づいてきた。集団先頭をアスタナ プロチームがコントロールするなか、周回コースを目前にチーム ロットNL・ユンボの2人、マールテン・チャリンギ(オランダ)とヨス・ファンエムデン(オランダ)が揃って飛び出した。2人は集団から約30秒先行して周回コースへ突入した。

波乱の展開にニュートラル措置

 トリノ市街地の周回コースは1周7.5kmで、これを8周半してゴールとなる。道幅は全体的に広くなく、連続直角コーナーや石畳区間、また最大勾配8%の上りなど、変化の激しい難コースだ。周回コースに入ったところで、雨が再び降り始めた。

 途中、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ)ら5人がメーン集団より抜け出し、追走グループを形成。一方で先頭の2人は快調に飛ばし続ける。残り4周に設けられた中間スプリントに向けて、メーン集団でもポイント賞を争うトレック・セガフレードやランプレ・メリダが先頭でペースアップを図る。

トリノの周回コースを走る山本元喜 Photo: Yuzuru SUNADAトリノの周回コースを走る山本元喜 Photo: Yuzuru SUNADA

 ここで残り4周を目前に、メーン集団内で集団落車が発生した。橋の上の濡れた石畳区間で多くの選手が巻き込まれ、このなかには総合2位のヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)、7位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール プロサイクリングチーム)も含まれた。とくにウランは長時間のストップを余儀なくされ、チームメートとともに再スタートを切ったものの、ペースを上げたメーン集団に追いつくことは難しい状況だ。

 危険なコース状況を受けて、主催者はこの日のレースのニュートラルを宣言。全選手のゴールタイムが同一扱いとなり、この瞬間にニバリの個人総合優勝が確定した。メーン集団はこの日のステージ優勝を狙うグループと、安全にゴールを目指すグループに分かれ、レース終盤へと突入していった。

マリアロッサが咆哮も降格処分

 逃げの2人は残り1周半でファンエムデンが単独先頭となり、粘りをみせるものの、ラスト1周を切ったところで集団に吸収された。先頭集団はわずか30人ほどで、確固たる主導権を握れるチームはない状態。いくつかアタックがかかっては吸収されるなか、残り1kmを前にショーン・ドゥビー(ベルギー、ロット・ソウダル)が集団から飛び出した。

 集団内では一瞬牽制がかかり、ドゥビーが後ろに差をつけて最終コーナーを抜ける。しかしゴールに向けての500mの直線でドゥビーは飲み込まれ、一団のスプリント先頭に立ったポイント賞ジャージを着るニッツォーロが、インコースから追い込むサーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)を封じ込めて、ガッツポーズでゴールラインを越えた。

ニッツォーロ(中央)が手を挙げたが、進路をふさがれたモドロ(右)がアピール。降格処分によりアルント(左)が区間優勝に Photo: Yuzuru SUNADAニッツォーロ(中央)が手を挙げたが、進路をふさがれたモドロ(右)がアピール。降格処分によりアルント(左)が区間優勝に Photo: Yuzuru SUNADA

 自身初のグランツール勝利に、興奮して家族やチーム関係者と抱き合うニッツォーロだったが、モドロの進路を妨害する形で危険な斜行をしたとして、レース後に降格の裁定が下された。2年連続のマリアロッサは守ったものの、2年連続でステージ勝利なしでの獲得となり、呆然とした表情で表彰台に上った。

繰り上げ区間優勝となったニキアス・アルント(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) Photo: Yuzuru SUNADA繰り上げ区間優勝となったニキアス・アルント(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) Photo: Yuzuru SUNADA

 繰り上げで優勝となったのはアルント。24歳で2度目のジロ挑戦にして、グランツール初勝利となった。レース後のアルントは「とてもハードなレースだった。集団はナーバスで、お互いが押し合うような状況だった。とにかく言えるのはハードなレースだったということ」とコメントした。

ニバリが2度目のジロ栄冠

 マリアローザを着るニバリは、終盤は安全なスローペースで走り、チームメートの手を取りガッツポーズでゴールした。地元イタリアの英雄が、大会を通じて8人がマリアローザを着るという、まれに見る混戦を最終的に制した。これでグランツールは総合通算4勝目。今季はこの後、8月のリオデジャネイロ五輪のロードレース勝利を狙うという。

 山本は周回コース後半をチャベスの集団で走り、ステージ136位でゴール。初出場ながら総合151位で、日本人通算5人目のジロ完走を果たした。

第21ステージ結果
1 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) 3時間48分18秒
2 マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ) +0秒
3 サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、チーム カチューシャ)
5 ショーン・ドゥビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
6 イヴァン・サヴィツキー(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)
7 リック・ツァベル(ドイツ、BMCレーシングチーム)
8 エドワルドマイカル・グロス(ルーマニア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)
9 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ)
10 アルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム)
136 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)

個人総合(マリアローザ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 86時間32分49秒
2 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +52秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分17秒
4 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +1分50秒
5 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +4分37秒
6 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +8分31秒
7 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +11分47秒
8 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +13分21秒
9 ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム) +14分09秒
10 カンスタンティン・シウツォウ(ベラルーシ、ディメンションデータ) +16分20秒
151 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +4時間49分05秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) 209pts
2 マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ) 184pts
3 サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ) 163pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ) 152pts
2 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 134pts
3 ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム) 118pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) 86時間41分20秒
2 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) +29分38秒
3 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ) +1時間10分07秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 260時間02分35秒
2 キャノンデール プロサイクリングチーム +6分57秒
3 モビスター チーム +21分00秒

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