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ジロ2016 チームNIPPOの挑戦<番外編>ジロの最中に2000km北へ…福島晋一監督、雪と雨のツール・ド・ノルウェー参戦記

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 ジロ・デ・イタリア参戦中の「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」の福島晋一監督は一時イタリアを離れ、「裏開催」のツール・ド・ノルウェーに参加してきました。率いたのは5月29日開幕のツアー・オブ・ジャパン参加組。福島監督の「番外編」ノルウェーレポートからは、世界を転戦する監督の心の内がちょっぴり垣間見えます。

山岳部には多くの雪が残り、寒い中でのレースだった「ツール・ド・ノルウェー」 ©NIPPO Vini Fantini山岳部には多くの雪が残り、寒い中でのレースだった「ツール・ド・ノルウェー」 ©NIPPO Vini Fantini

◇         ◇

雪と雨、選手も風邪にケガ

 ジロ・デ・イタリアを途中で離脱して、5月18日から5日間、ツール・ド・ノルウェーに参加してきた。

レース前の風景。選手たちとコース情報を共有する ©NIPPO Vini Fantiniレース前の風景。選手たちとコース情報を共有する ©NIPPO Vini Fantini

 車でイタリアから約2000㎞を移動。2日かけてデンマーク最北端の港に向かった。危うく、デローザからのメカニックとともに船に乗り遅れそうになるハプニングを経て(ここでは割愛させていただきます)、翌日朝にノルウェーに到着。

 前日に着いていた選手と合流。少しレースが空いて気が抜けていたのか、すでにニコラス・マリーニが風邪をひいた状態。彼は今年1度もステージレースを完走していない。

 2日目、雪が積もる高地のホテルで、「雨が降っているので出走しなくていいか?」と聞かれたときは首を縦に振るしかなかった。

 日本チャンピオンの窪木一茂は第2ステージの序盤に落車して負傷。脛を切って非常に痛そうだったがレースを続行した。

スタート前のチームプレゼンテーション。6選手がそのままツアー・オブ・ジャパンに参戦する ©NIPPO Vini Fantiniスタート前のチームプレゼンテーション。6選手がそのままツアー・オブ・ジャパンに参戦する ©NIPPO Vini Fantini

小石祐馬が果敢にアタック、ついに…

 今回、気を吐いたのはダニエーレ・コッリとピエールパオロ・デネグリ。そして、果敢にアタックをした小石祐馬。小石は毎日アタックしていたが、ついに4日目に逃げることに成功した。

ツアー・オブ・ジャパンに出場するピエールパオロ・デネグリと福島晋一監督 ©NIPPO Vini Fantiniツアー・オブ・ジャパンに出場するピエールパオロ・デネグリと福島晋一監督 ©NIPPO Vini Fantini

 車を横につけると「小便したいのですが…」と言う。自転車の上でするならいいが止まってするのは復帰できないと伝え、コーナーも多いので、我慢させることにした。なかなか、頭を悩ませることが多い。

 後半のサーキットは降り出した雨の中、とてもスリッピーであった。最後にボワッソンハーゲン(ディメンションデータ)が強烈なアタック決めて、ステージ優勝。 しかし、ボワッソンハーゲンをおさえて総合優勝を最後に手にしたのはウィーニング(ロームポット)だった 。

 ジロの裏開催であったが、UCIヨーロッパツアーHCのレースで、ほかのチームは、チームカーも2台、監督も2人でやっているところを自分は監督1人だったので非常にいい経験になった。

イタリアからはるばるノルウェーまで到着したキャンピングカー。じつはジロのオランダでの開幕3ステージ終了後、ドイツに駐めてあった ©NIPPO Vini Fantiniイタリアからはるばるノルウェーまで到着したキャンピングカー。じつはジロのオランダでの開幕3ステージ終了後、ドイツに駐めてあった ©NIPPO Vini Fantini
悪天候に見舞われたツアー・オブ・ノルウェー。ニコラス・マリーニは序盤にリタイアし、次戦に向けて体調を整えた ©NIPPO Vini Fantini悪天候に見舞われたツアー・オブ・ノルウェー。ニコラス・マリーニは序盤にリタイアし、次戦に向けて体調を整えた ©NIPPO Vini Fantini
雄大なノルウェーの大地を駆け抜けた5日間のツアー・オブ・ノルウェー ©NIPPO Vini Fantini雄大なノルウェーの大地を駆け抜けた5日間のツアー・オブ・ノルウェー ©NIPPO Vini Fantini

慌ただしくジロ合流、早くも次レースの準備に

 ただ、第1ステージのコッリの8位が最高位であった結果には満足できないが、そのことを思いふける暇もなく、最終ステージ終了後、日本に旅立つ選手たちを空港ホテル行きのバスに送り届けて、あわただしくフェリーに乗り込んだ。

レース前に選手たちのバイクに貼るコースプロフィールを用意する ©NIPPO Vini Fantiniレース前に選手たちのバイクに貼るコースプロフィールを用意する ©NIPPO Vini Fantini

 そして、ほぼ2日間朝から晩まで運転してイタリアに戻り、クネゴが山岳ジャージを守るジロに合流した。

 ジロでは第3監督で時間に余裕があるのでこのような原稿を書いている。ジロも残り2日。選手は当然だがスタッフも結構疲れている。

 ジロにいる間に、自分が次に第1監督をするツール・ド・コリアの準備をしなくてはならない。

 空き時間に家族とテレビ電話しているが、弱音を吐く自分に「去年よりも全然いい顔をしている」という嫁。去年は家族一緒にフランスで過ごしていたんだが…。

福島晋一福島晋一(ふくしま・しんいち)

1971年9月13日生まれ、大阪府出身。大学時代に競技を始め、フランスなどヨーロッパでキャリアを積みながら、2003年ブリヂストンアンカーでプロデビュー。ツール・ド・ランカウイ区間優勝やTT全日本選手権優勝などプロ通算成績25勝。選手時代の後半は、とくにアジアでの活躍が目立ち韓国やマレーシアのチーム立ち上げにキャプテンとして大きく貢献。世界中に幅広い人脈をもち、日本だけでなくアジアの若い選手から“お兄ちゃん”と慕われる。42歳で現役を引退し、JOC(日本オリンピック委員会)のスポーツ指導者海外研修として2年間フランスのコンチネンタルチームで監督修行を積み、2016年プロコンチネンタルチームのNIPPO・ヴィーニファンティーニと監督として契約した。ブログ「福島晋一の日輪り(ひまわり)日記

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