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ジロ・デ・イタリア2016 第17ステージ解散発表したイアム サイクリングのクルーゲが初勝利 山本元喜は終盤に集団を牽引

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
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 ジロ・デ・イタリア第17ステージが5月25日に開かれ、ラスト700mで集団から飛び出したロジャー・クルーゲ(ドイツ、イアム サイクリング)がステージ優勝を挙げた。マリアローザはスティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)がキープ。NIPPO・ヴィーニファンティーニの山本元喜は終盤に集団コントロールに加わるなどして、162位でゴールしている。

ジロ・デ・イタリア第17ステージを制したロジャー・クルーゲ Photo: Yuzuru SUNADAジロ・デ・イタリア第17ステージを制したロジャー・クルーゲ Photo: Yuzuru SUNADA

スプリンターにチャンスのステージ

前半に形成された3人の逃げ集団 Photo: Yuzuru SUNADA前半に形成された3人の逃げ集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 モルヴェーノからカッサーノ・ダッダまでの196kmのコースは、序盤のアップダウンと97.6km地点の4級山岳を越えると、ゴールまでのはほぼ平坦な道が続くレイアウト。今大会3勝を挙げたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)や2勝のマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)らが大会を去るなか、厳しい山岳ステージを乗り越えてきたスプリンターたちにとっては待望の平坦ステージとなった。

 昨年の総合ポイントリーダーであるジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)を擁するトレック・セガフレードと、昨年ステージ2勝を挙げたサーシャ・モドロ(イタリア)のランプレ・メリダがメーン集団をコントロール。逃げ集団はダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム)、エウゲルト・ズパ(アルバニア、ウィリエール・サウスイースト)、パヴェル・ブルット(ロシア、ティンコフ)の3人で、徐々にタイム差が縮まっていくシンプルなレース展開になった。

 レースが終盤にさしかかるとNIPPOの選手たちが集団前方に上がっていった。トレック・セガフレードなどと先頭交代しながら集団をコントロールし、山本が先頭を牽引する場面もあった。

レース後半に集団前方に出てきた山本元喜 Photo: Yuzuru SUNADAレース後半に集団前方に出てきた山本元喜 Photo: Yuzuru SUNADA

エースのための走りが勝利に

 残り33.4km地点のスプリントポイントでは、ニッツォーロやポイント賞争いで2位のディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが集団内での着順を競い、ニッツォーロがトップ通過した。この争いで数人が集団から抜け出したのを機に、イグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア、エフデジ)、ラースユティング・バク(デンマーク、ロット・ソウダル)、マキシム・ベルコフ(ロシア、チーム カチューシャ)がアタックし、先頭の3人に合流した。

終盤に6人に増えた逃げ集団 Photo: Yuzuru SUNADA終盤に6人に増えた逃げ集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げや独走を得意とする選手の多い6人の逃げ集団は、一度は10秒台まで縮まった後続との差を再び広げ、なかなか捕まらない。メーン集団はスプリンターチームのアシストが減り始め、総合系のチームがコントロールする時間帯はペースが上がらず、協調してゴールを目指す逃げ集団とのせめぎ合いが続いた。

 メーン集団がようやく逃げを捉えたのは残り1.5km。逃げていたバクが粘りのアタックを仕掛け、集団からはフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)が飛び出した。バクを捉えたポッツァートが独走で集団を引き離しにかかるなか、集団は各チームともアシストの枚数がそろわず差を広げられてしまう。

スタートに立つマリア・ローザのスティーフェン・クルイシュウィック Photo: Yuzuru SUNADAスタートに立つマリア・ローザのスティーフェン・クルイシュウィック Photo: Yuzuru SUNADA

 残り700mの直角コーナーを曲がると、あとはゴールまで一直線。ここでクルーゲが集団からすっと抜け出した。クルーゲがポッツァートに迫るなか、集団は牽制状態になり、スプリント勝負に入るのが遅くなった。集団との差が広がったことに気付いたクルーゲは、ポッツァートを抜き去ると、シッティングのままグイグイと踏み込んでいく。残り100mで集団との距離を確認し、勝利を確信すると、ガッツポーズでゴールに飛び込んだ。

 クルーゲが所属するイアム サイクリングは23日、今シーズン限りでの活動終了を発表していた。チーム解散という失望のなか、クルーゲはエーススプリンターのハインリッヒ・ハウスラー(オーストラリア)のアシストとして走ったが、思わぬ形でグランツール初勝利が舞い込んだ。「6年間のプロ生活のなかで、ずっと求めてきた大きな勝利で夢のようだ。勝利はまったくプランになかった。昨日はがっかりしたけれど、みんなで力を合わせて走ろうと決めていた」と、チームに喜びをもたらす振り返った。

第17ステージ結果
1 ロジャー・クルーゲ(ドイツ、イアム サイクリング) イアム サイクリング 4時間31分29秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) +0秒
3 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)
4 サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5 マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ)
6 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、チーム カチューシャ)
7 ピム・リヒトハルト(オランダ、ロット・ソウダル)
8 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、キャノンデール プロサイクリングチーム)
9 マヌエル・ベッレッティ(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)
10 パオロ・シミオン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
162 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +4分47秒

個人総合(マリアローザ)
1 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 68時間11分39秒
2 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +3分00秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分23秒
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +4分43秒
5 イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ) +4分50秒
6 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +5分34秒
7 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +7分57秒
8 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +8分53秒
9 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +10分05秒
10 カンスタンティン・シウツォウ(ベラルーシ、ディメンションデータ) +11分03秒
159 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +3時間39分07秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) 185pts
2 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 137pts
3 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム) 123pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 134pts
2 シュテファン・デニフル(オーストリア、イアム サイクリング) 72pts
3 ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム) 69pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) 68時間19分36秒
2 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) +14分17秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +34分38秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 205時間05分14秒
2 モビスター チーム +7分46秒
3 アージェードゥーゼール ラモンディアル +23分23秒

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