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ジロ2016 チームNIPPOの挑戦<第16ステージ>チーム内で日本語講座 TOJでは「ミギホーコーデス」マッサージャーに注目

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 ジロ・デ・イタリアは最終週の第16ステージに入りました。参戦中の「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」の若手メカニック、福井響さんによる現地レポートは、イタリア・日本の共同チーム内で使われている楽しい「日本語」についてのエピソードをお届けします。

ダミアーノ・クネゴから感謝の印として、メーンスポンサーのNIPPOにマリア・アッズーラが贈られた ©NIPPO Vini Fantiniダミアーノ・クネゴから感謝の印として、メーンスポンサーのNIPPOにマリア・アッズーラが贈られた ©NIPPO Vini Fantini

カーナビ音声で覚える

 いよいよジロ・デ・イタリアは最終週を迎えました。レースはますますピリピリしはじめ特に総合優勝争いのワールドツアーチームは目の色が変わっています。

 さて、緊張感たっぷりの今こそ肩の力を抜いたお話をしましょう。NIPPO・ヴィーニファンティーニは“First Italian-Japanese Team(史上初の伊日共同チーム)”と銘打っているように、しっかりと日本の存在を示しているチームです。日本人も選手とスタッフを合わせると9人が所属しています。スポンサーのNIPPOロゴも今年から全て日本語の企業スローガン付きに変更されました。

 そうするとチーム内で自然に始まるのが日本語講座。人によって日本語への食いつきはまちまちですが、食いつく人はもう止まりません。
「これは日本語で何て言うの?」
「これは何て書いてるの?」
「この日本語は合ってる?」

レース後にダミアーノ・クネゴに水を渡すロッコ・トリバレッリ。第16ステージを終えて、ツアー・オブ・ジャパンのために日本行きの飛行機に飛び乗った  ©NIPPO Vini Fantiniレース後にダミアーノ・クネゴに水を渡すロッコ・トリバレッリ。第16ステージを終えて、ツアー・オブ・ジャパンのために日本行きの飛行機に飛び乗った ©NIPPO Vini Fantini

 だいたい彼らはまず「おはよう」「こんにちは」そして「カンパイ」から始まります。カンパイが何より覚えやすいようでアルコールのカンパリのイメージでどの人も一瞬で覚えてくれます。ツアー・オブ・ジャパンやジャパンカップに毎年帯同しているスタッフなんかはカーナビから日本語を覚えている者もいます。

 ある時、そのスタッフにトイレの場所を聞いたことがあります。そしたら出てきた言葉が「マモナク、ミギホーコーデス」。その時はトイレのことなど忘れて大爆笑しました。しかし彼は合ってるものだと思って話しているわけですから、そこから始まるのは何が間違っていたのか、という点。決して間違ってはないんだけどね、と笑った理由を説明しなければなりません。

昨年、福井が生活をともにしたマッサージャーのマウリッツィオ。今季の所属チームは異なるが、イタリア人のベテランマッサーから多くのことを学び、深い友情も芽生えた ©NIPPO Vini Fantini昨年、福井が生活をともにしたマッサージャーのマウリッツィオ。今季の所属チームは異なるが、イタリア人のベテランマッサーから多くのことを学び、深い友情も芽生えた ©NIPPO Vini Fantini
チームのニコラスとマンゾーニ監督(右)。「決めろ!」は、マンゾーニ監督がよく使う言葉 ©NIPPO Vini Fantiniチームのニコラスとマンゾーニ監督(右)。「決めろ!」は、マンゾーニ監督がよく使う言葉 ©NIPPO Vini Fantini

「私は素晴らしい」

今大会中の福井メカニックのルームメートであるマッサージャーのヴァレリオ。「私は素晴らしい!」は彼の得意フレーズ ©NIPPO Vini Fantini今大会中の福井メカニックのルームメートであるマッサージャーのヴァレリオ。「私は素晴らしい!」は彼の得意フレーズ ©NIPPO Vini Fantini

 他にもどこで誰から習ったのか「決めろ!」「働け!」と覚えた単語が全て命令形の人もいます。さらに勉強が好きな人の場合はまず私、あなた、彼、から学び、そこから動詞を学ぼうとする者もいます。しかし私、あなた、までは良かったものの次の段階でだいたい道を外してしまいます。

 今日の同部屋の相方もそうです。「私は」「あなたは」までは良かったのですが。知らぬ間に「私はバカです。いいえ、違います。私は、素晴らしいっ!!!!」と謎の文章を唱えてきます。

とても仲のよいチームスタッフたち。日本人とイタリア人スタッフのあいだに何も垣根はない ©NIPPO Vini Fantiniとても仲のよいチームスタッフたち。日本人とイタリア人スタッフのあいだに何も垣根はない ©NIPPO Vini Fantini

トラックに「準備中」看板

 私たちが必死でイタリア語を覚えている姿を見て、彼らも日本語に親しもうとしてくれるのは嬉しいことですね。今シーズンから私たちのトラックにも「準備中」の垂れ幕を掲げて仕事に打ち込んでいます。漢字に対する興味はズバ抜けていて、必ずと言っていいほど意味を聞いてきますし写真を撮っていきます。

 今日からツアー・オブ・ジャパン組が日本へ向かいます。あの「ミギホーコーデス!」の彼もジロから離脱し日本へ向かいます。その名はロッコ・トリヴァレッリ。彼はマッサージャーです。

 今回日本に向かうイタリア人スタッフは彼だけですので、ぜひ会場で見かけたら「ミギホーコーです!」と声を掛けてみてください。そして何か新しい日本語を教えてあげて下さい。

 それでは今日も明日も、ぼちぼちいきまっせ〜!

福井響福井響(ふくい・ひびき)

1993年3月7日生まれ、大阪府出身。高校時代から自転車競技にめざめ、一般入試を受けて鹿屋体育大学に入学。自転車競技部に入部し、本格的に自転車競技に打ち込むが、そのなかでプロメカニックの存在を知り、大学2回生で選手からメカニックに転向。大学在学時からヨーロッパで活動するチームNIPPOでメカニック研修を積み、2015年、大学卒業と同時にNIPPO・ヴィーニファンティーニに加入。現在は、「本場の自転車競技を日本に普及させたい」という思いのもと、第一線の現場で働いている

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