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ジロ2016 チームNIPPOの挑戦<第11ステージ>チームの「心臓」“お爺ちゃんトラック”の装備を大公開 山岳地帯どう挑む?

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 ジロ・デ・イタリアは間もなく山岳地帯へ。参戦中の「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」の若手メカニック、福井響さんが、“お爺ちゃん”と親しみを込める機材トラックを紹介します。チームの「心臓」であるトラックに積んだ装備の数々は…?

メカニックの作業中、“準備中”の暖簾をかけた機材トラック ©NIPPO Vini Fantiniメカニックの作業中、“準備中”の暖簾をかけた機材トラック ©NIPPO Vini Fantini

ジロ出場チームでは一番ミニサイズ

 ジロ・デ・イタリアはいよいよ折り返し地点。レースは黙々と北上を続けており、まもなく山岳地帯に到着します。朝から晩まで気が張り詰めているせいか、オランダからスタートしたことがはるか遠い記憶のようです。

毎朝、スタート地点で選手たちを乗せたバスの前で自転車が一足先にスタンバイ。選手だけでなく、プロ仕様の機材も観客たちの注目の的! ©NIPPO Vini Fantini毎朝、スタート地点で選手たちを乗せたバスの前で自転車が一足先にスタンバイ。選手だけでなく、プロ仕様の機材も観客たちの注目の的! ©NIPPO Vini Fantini

 さて、今日は機材トラックをのぞいてみることにしましょう。こちらの記事でも時折登場するお爺ちゃんトラック。今日も文句ひとつ言わず、大きな体を揺らしながらせっせと荷物を運んでいます。

 大きな体と言っても、実はジロ出場チームの中で一番ミニサイズ。トップチームのトラックはフルサイズの大型で、さらに駐車してから荷台部分が横にグーーーンと広がる特別仕様。そんなトラックと比べると、うちのお爺ちゃんは半分くらいの荷室空間でしょうか。

自転車だけで実に33台!

 とはいえ、ジロに出場しているからには、それ相応の機材量を常に運び続けなければなりません。小さな荷室空間を最大限フルに活用し、レースをこなしています。

メカニックトラックの収納部分。限られたスペースを機能的に使っている ©NIPPO Vini Fantiniメカニックトラックの収納部分。限られたスペースを機能的に使っている ©NIPPO Vini Fantini

 それではここで今回「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」がジロに持ち込んでいる諸々の機材を数えてみましょう。

 まずはメインの自転車。ジロは9名出走ですからレース用バイクが9台。チームカーに積むスペアバイクが10台(クネゴのスペアバイクは2台)。TTバイクが10台(これもクネゴ用が2台)。あとは予備の自転車が4台。自転車だけで合計33台をジロに持ち込んでいます。

ホイールの収納部分 ©NIPPO Vini Fantiniホイールの収納部分 ©NIPPO Vini Fantini

 しかし、これだけではもちろんレースはできません。次にホイールです。ホイールはTT用を含めて合計で6種類持ち込んでおり、カンパニョーロ社のシャマルが10本、ハイペロンが10本、BORA35が30本、BORA50が30本、BORA80が10本、ディスクホイールが10本。合計すると100本のホイールを持ち込んでいます。

 こうして改めてカウントするとなかなかの量ですね。

山岳地帯、気になるギア系パーツは…

 タイヤはチューブレスタイヤを30本、チューブラータイヤを70本持ってきています。先日の休息日ではメインで使用していた10ペアのタイヤを交換しました。

休息日を使ってタイヤの貼り替えを行う ©NIPPO Vini Fantini休息日を使ってタイヤの貼り替えを行う ©NIPPO Vini Fantini

 さて、他にも予備パーツは数え切れぬほど搭載していますが、これから山岳地帯を向かえることもありますから、ギア系パーツを見てみることにしましょう。

 まず私たちは1年間を通しフロントは39-53t、リヤは11-27tのギア比を標準として使っています。言ってしまえば、ほとんどのレースはこのギア比でこなせてしまいます。

まだ貼られる前のタイヤ。日本のブランドIRCタイヤの製品を使用している ©NIPPO Vini Fantiniまだ貼られる前のタイヤ。日本のブランドIRCタイヤの製品を使用している ©NIPPO Vini Fantini
常備しているカセットスプロケットとギア板 ©NIPPO Vini Fantini常備しているカセットスプロケットとギア板 ©NIPPO Vini Fantini

 しかし、10%程度の登りが長く続くようなレースになると、まず後ろスプロケットを11-29tに。さらに、15%を超えるような登りが続くのであれば前チェーンリングも36-52tに交換します。逆に下り基調のスプリントが予想されるレースでは、スプリンターとそのアシスト選手に54tのチェーンリングを取り付けることもあります。時速70km/h付近でのスプリント勝負となると、このギア比は必須になってきます。

洗車セットから冷蔵庫、洗濯機まで

レース後、メカニックたちがまっさきに取り組むのが洗車! ©NIPPO Vini Fantiniレース後、メカニックたちがまっさきに取り組むのが洗車! ©NIPPO Vini Fantini

 そうした諸々の要望に対応ができるよう、チェーンリングは55本、スプロケットも30セット積んでいます。

 トラックには他にもまだまだいろいろなものが積まれています。自転車洗車セットを始め、ホテルから電気を引くためのコード類。ホテルからは水も引かなければなりませんから長ぁ〜いホースも装備。

 さらにトラック前部分にあるマッサールームには台所をはじめ、冷蔵庫もあれば洗濯機と乾燥機もあります。お爺ちゃんだからといってナメてはなりません。

レース後に手際よく洗車をこなしていくが、こんなときもチームスポンサーであるヴィプロスのケミカルが活躍する ©NIPPO Vini Fantiniレース後に手際よく洗車をこなしていくが、こんなときもチームスポンサーであるヴィプロスのケミカルが活躍する ©NIPPO Vini Fantini
トラック下部の収納部分に収められるホースや洗車用のツール ©NIPPO Vini Fantiniトラック下部の収納部分に収められるホースや洗車用のツール ©NIPPO Vini Fantini

 とはいえ、ジロはまもなく山岳地帯へと進んでいきます。私たちスタッフの心臓とも言えるお爺ちゃんトラックが今年も最終日までガンガン元気に動いてくれることを願いましょう。

 それではジロ後半戦も、ぼちぼちいきまっせ〜!

福井響福井響(ふくい・ひびき)

1993年3月7日生まれ、大阪府出身。高校時代から自転車競技にめざめ、一般入試を受けて鹿屋体育大学に入学。自転車競技部に入部し、本格的に自転車競技に打ち込むが、そのなかでプロメカニックの存在を知り、大学2回生で選手からメカニックに転向。大学在学時からヨーロッパで活動するチームNIPPOでメカニック研修を積み、2015年、大学卒業と同時にNIPPO・ヴィーニファンティーニに加入。現在は、「本場の自転車競技を日本に普及させたい」という思いのもと、第一線の現場で働いている

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