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ジロ・デ・イタリア2016 第11ステージ終盤に仕掛けたウリッシがステージ2勝目 大会前半を盛り上げたデュムランがリタイア

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ジロ・デ・イタリア第11ステージは5月18日、モデナからアーゾロまでの227kmで争われ、ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)が今大会2勝目となるステージ優勝を挙げた。総合上位陣では、首位に立つマリアローザのボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)と、同2位のアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム)がウリッシと同タイムでフィニッシュ。メーン集団から13秒先着し、総合でのリードを広げている。NIPPO・ヴィーニファンティーニの山本元喜は13分15秒差の151位でこのステージを終えている。

今大会2勝目を飾ったディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) Photo: Yuzuru SUNADA今大会2勝目を飾ったディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) Photo: Yuzuru SUNADA

デュムランが大会を去る

スタートで握手を交わすダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)とボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) Photo: Yuzuru SUNADAスタートで握手を交わすダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)とボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) Photo: Yuzuru SUNADA

 今大会で3番目に長い227kmのコースは、スタートから約200kmにわたってフラットな道が続く。しかし、ラスト20kmからはそれが一変し、このステージ唯一のカテゴリー山岳である4級のモルセッラ・モスタッキンは最大勾配16%。その後も細かいアップダウンが続き、ラスト4kmでは500mにわたる石畳の上りが待つ。登板力のあるスプリンターやアタッカーが有利なコースとの大方の予想だった。

 今大会の第1ステージを制し、合計6日間にわたってマリアローザを着用したトム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン)が、レース前半にバイクを降りリタイア。股ずれの影響で思うようなペダリングができず、前日の第10ステージではトップから13分遅れてフィニッシュしていた。今年最大の目標であるリオデジャネイロ五輪・個人タイムトライアルでの金メダル獲得を目指し、ここは大事をとった形だ。

上りを前にメーン集団で大クラッシュが発生

序盤で逃げた(右から)アントン・ヴォロビエフ(ロシア、チーム カチューシャ)、ヴェガールステイク・ラエンゲン(ノルウェー、イアム サイクリング)、リアム・ベルタッツォ(イタリア、ウィリエール・サウスイースト) Photo: Yuzuru SUNADA序盤で逃げた(右から)アントン・ヴォロビエフ(ロシア、チーム カチューシャ)、ヴェガールステイク・ラエンゲン(ノルウェー、イアム サイクリング)、リアム・ベルタッツォ(イタリア、ウィリエール・サウスイースト) Photo: Yuzuru SUNADA

 レースはスタート直後からハイペースで進み、最初の1時間の平均時速が51kmを記録。アタックの応酬の末、ヴェガールステイク・ラエンゲン(ノルウェー、イアム サイクリング)、アントン・ヴォロビエフ(ロシア、チーム カチューシャ)、リアム・ベルタッツォ(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)の3人が逃げることを許された。

 最大で10分を超えた逃げグループのリードは、距離を追うごとに縮小していった。トレック・セガフレードやガスプロム・ルスヴェロなど、ステージ優勝を狙うチームが中心となってメーン集団のコントロールを担う。

 終盤のアップダウン区間を見据えてペースが上がり始めた矢先、メーン集団内で多くの選手が絡む落車が発生。このステージでのスプリント勝利を狙っていたアルノー・デマール(フランス、エフデジ)、カレブ・イーウェン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)のほか、今大会でマリアローザに袖を通したジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)、総合11位につけていたドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)なども巻き込まれた。

終盤のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)、ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) Photo: Yuzuru SUNADA終盤のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)、ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) Photo: Yuzuru SUNADA

 しかし、集団は落車した選手たちを待つことはなく、各チームがトレインを形成しスピードアップを図る。4級山岳の上りに入ると、逃げグループからラエンゲンが抜け出し単独先頭に立ったが、それもほんのわずかの時間。有力選手だけに絞られたメーン集団がみるみる間に後ろに迫り、頂上を目前に吸収された。

 4級山岳ポイントをスティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)を先頭に通過すると、その後の下りではヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)が攻撃に出る。得意のダウンヒルで猛然とスピードを上げると、これに続くことができたのはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)の2人だけ。

 そのまま逃げの体勢に入るかに思われたが、協調できずそのまま後続が合流。幾分お見合いとなった集団から今度はアマドールがアタックを仕掛けた。

総合上位2人の抜け出し、そして冴えたウリッシの勝負勘

 飛び出したアマドールを追ったのは、マリアローザのユンゲルス。総合で1位と2位に位置する2人が抜け出しを図ったが、その他総合上位陣は積極的に追う姿勢を見せない。やがて後続が合流し約30人の集団になると、スプリンターを擁するチームが主導権を握り、先頭の2人を追う。一方で、ユンゲルスとアマドールも自慢のスピードで後ろとの差を10秒前後にキープ。ユンゲルスが先頭を引く時間が長めではあるものの、ローテーションを回してペースを保つ。

ゴール直前のボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) Photo: Yuzuru SUNADAゴール直前のボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) Photo: Yuzuru SUNADA

 終盤のポイントと目された石畳の上りで、ウリッシがメーン集団からアタック。あっという間にユンゲルスとアマドールに追いつくことに成功。そのまま3人がラスト1kmを通過。ジャージを守りたいユンゲルスがさらにペースを上げ、メーン集団との差を引き離しにかかる。そして残り200mからウリッシが満を持してスプリントを開始。スピードの違いを見せ付け、そのままトップでフィニッシュラインを通過。2位はアマドール、3位にユンゲルスが続いた。

ユンゲルスがマリアローザをキープ

 この結果、ユンゲルスはマリアローザをキープ。ステージ3位となったことで、フィニッシュでのボーナスタイムを4秒獲得。総合2位のアマドールがステージ2位で6秒のボーナスタイムを得たことで、総合タイム差が2秒縮まったものの、総合3位以下に対してはフィニッシュでの13秒差と合わせ、計17秒リードを広げることができた。

 ゴール後のインタビューでは、「アマドールのアタックは予想していたので、すぐに対応ができた。(ボーナスタイムにより)アマドールとのタイム差は縮まったけれど、ほかの選手との差は広げることができたので満足している」と笑顔で語った。

第11ステージ結果
1 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 4時間56分32秒
2 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +0秒
3 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +0秒
4 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) +13秒
5 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +13秒
6 マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ) +13秒
7 サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ) +13秒
8 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、チーム ロットNL・ユンボ) +13秒
9 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) +13秒
10 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +13秒
151 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +13分15秒

個人総合(マリアローザ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) 45時間16分20秒
2 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +24秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分7秒
4 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +1分7秒
5 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分9秒
6 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +2分1秒
7 イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ) +2分25秒
8 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +2分43秒
9 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) +2分45秒
10 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +2分47秒
173 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1時間53分14秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 119pts
2 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) 103pts
3 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 100pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 56pts
2 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 27pts
3 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) 25pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) 45時間16分20秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +5分9秒
3 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) +13分31秒

チーム総合
1 モビスター チーム 135時間54分1秒
2 エティックス・クイックステップ +2分7秒
3 アスタナ プロチーム +5分52秒

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