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“ジロで”つれづれイタリア~ノ<1>ジロの舞台裏で繰り広げられる“サポートカーレース”

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 みなさま、ブオンジョルノ(こんにちは)! 昨日(5月17日)、テレビ放送を見た人は驚かれたと思いますが、イタリアで行われているジロ・ディタリア、第10ステージのゴール付近で私の姿がテレビから映し出されてしまいました。実は5月16日から通訳などの仕事でジロ・ディタリアに来ています。この素晴らしい経験を通して、テレビの画面に映らないジロの舞台裏を紹介し、この大会の魅力をほぼ毎日お伝えしていきます。題して「“ジロで”つれづれイタリア~ノ」。第1回目はサポートカーの仕事についてです。

関係者の駐車場はチームカー、チームバスと一般人でごった返し Photo: Marco FAVARO関係者の駐車場はチームカー、チームバスと一般人でごった返し Photo: Marco FAVARO

 私が参戦した第10ステージは、トスカーナ州フィレンツェの近くに位置するカンピ・ビゼンツィオ市からアペニン山脈のスキーリゾート、セストラ市までのステージ。距離219kmに対し、獲得標高4000m以上の平地のない厳しいコースでした。

 バルディアーニ・CFSの若手選手、イタリア人の21歳のジューリオ・チッコーネがステージ優勝を飾りました。また、マリア・ローザは別の若い選手、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)の手に。日本でも人気の高いダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が山岳賞ジャージを奪還し、優勝候補の一人、ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ)はリタイヤ! ステージとしてかなりスリルに満ちたものになりました。

チームは常に時間との闘い

朝、大渋滞が発生するスタート付近 Photo: Marco FAVARO朝、大渋滞が発生するスタート付近 Photo: Marco FAVARO

 チームは常に時間との闘いを強いられています。朝はスタート地点に向かうと、チームカーと押し寄せてくるファンたちの車で、必ずと言っていいほど周辺の道路で大渋滞が発生します。スタート時間15分前にティンコフがやっと会場入り。結局、多くのチームが時間に間に合わず、スタートが遅れてしまいました。イタリアではよくあることですので、大会運営に対するクレームは発生しません。

 選手を直接サポートするのが、選手たちと一緒に走る監督とメカニックを乗せた2台のサポートカー。しかし、補給ポイントには先回りした別のチームカーが現場に向かいます。私はNIPPO・ヴィーニファンティーニの車に乗って、補給ポイントへと向かいました。

公道を100km以上で駆け抜けるサポートカー

 補給ポイントのサポートカーは、レースが開始する10分前までにコースインをしなければなりません。すでにコースには交通規制がかかっているため、どんなにスピード違反をしても許されます。一般道を時速100km以上のスピードで、各チームのサポートカーが疾走する。車の中はジェットコースター気分。運転が好きな方ならきっと天国です。

 現場にたどり着くと、速やかにサコッシュとボトルを用意。選手たちも速いので時間の余裕がありません。

どのサポートカーにも大きなクーラーボックスが積まれている Photo: Marco FAVAROどのサポートカーにも大きなクーラーボックスが積まれている Photo: Marco FAVARO
並列して選手たちを待ち受けるサポートスタッフ Photo: Marco FAVARO並列して選手たちを待ち受けるサポートスタッフ Photo: Marco FAVARO
バルディアーニ・CSFのボトル Photo: Marco FAVAROバルディアーニ・CSFのボトル Photo: Marco FAVARO

 選手の好みに合わせ、スタート前にはすでにサコッシュの中身が用意されていますが、ボトルの中身は天気と気温に合わせてその場で作ります。

 今回のステージは気温が高かったので、ほとんどのチームはミネラル入りのボトルと、もう片方はマルトデキストリン(多糖)入りのボトルを用意していました。

 補給ポイントには多くのファンが殺到します。ボトルやサコッシュなど、チームの記念グッズをねだるためです。とにかく常にスタッフが人に囲まれています。その中を選手たちが一瞬で通過していきます。

駆け付けた若い選手達。ボトルをねだる Photo: Marco FAVARO駆け付けた若い選手達。ボトルをねだる Photo: Marco FAVARO
上り坂でも一瞬で通過する選手達 Photo: Marco FAVARO上り坂でも一瞬で通過する選手達 Photo: Marco FAVARO

21日間続く大移動

 その後は選手と合流するために、補給ポイントに関わったすべてのサポートカーがゴールに向かいます。選手の通過後はコースインできないため、一般道で先回りします。ここでもカーレース開始。今度は明らかにスピード違反をしていますが、イタリア警察は大目にみてくれています。自転車競技はやはり特殊なスポーツですので、警察の理解度も非常に高いです。

ごった返しの会場 Photo: Marco FAVAROごった返しの会場 Photo: Marco FAVARO

 ゴールにたどり着くと、選手たちとスタッフが合流してから新しい試練が待ち構えています。ホテルまでの移動です。セストラからホテルまでは、2時間以上を費やしました。結局夜8時にホテル入り。ディナーは夜の9時半。この生活が21日間が続くと思うと気が遠くなります。やはりプロ選手は別格です。今日はずっと引き回された気分でした。

 さて、明日はゴール付近の魅力について話します。“おいしい秘密”がたくさんありますよ!!!

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

東京都在住のサイクリスト。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会や一般社団法人国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや、欧州プロチームの来日時は通訳も行う。日本国内でのサイクリングイベントも企画している。ウェブサイト「チクリスタインジャッポーネ

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