荒川河川敷道路での共存を目指してマナー改善、兆し見えるも道半ば…荒川のサイクリストが地域住民と本音で語る芋煮会

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 自転車のマナーアップとルール順守の啓蒙活動を行っている「グッド・チャリズム宣言プロジェクト」(以下グッチャリ)は、東京・荒川を走るサイクリストと地域住民との親睦、及び荒川での自転車利用者にマナー走行を呼びかける啓蒙活動を目的として、5月15日に第2回「あらかわろう芋煮会」を開催した。垣根を越えて1つの鍋を囲みつつ聞こえてきた地域の人々の本音。それは「怖い思いをする事は、それほど減っていない」という一言だった。
(レポート:グッド・チャリズム宣言プロジェクト理事 瀬戸圭祐)

芋煮会同好会のご指導のもと、地元の方々とサイクリストが協力して芋煮の調理作業を進める Photo: Keisuke SETO芋煮会同好会のご指導のもと、地元の方々とサイクリストが協力して芋煮の調理作業を進める Photo: Keisuke SETO

「暴走族」のイメージ払拭で始まった会

芋煮会はサイクリストの行きかう荒川河川敷道路横で実施 Photo: Keisuke SETO芋煮会はサイクリストの行きかう荒川河川敷道路横で実施 Photo: Keisuke SETO

 2015年、荒川地域住民の方々からの「荒川を走っている自転車の人たちって暴走族みたいなんでしょ?」という衝撃の言葉を受け、自転車への理解を深めてもらい、荒川での上手な共存を目指すべく第1回「芋煮会」を開催した。それから1年、荒川での様々なマナーアップ活動を行ってきたが、マナーを守らない自転車利用者はあまり減っていないというのが地元の方々の実感だ。

 そんな地元の方々とコミュニケーションを深め、さらに相互理解を進めるべく、再び企画された第2回芋煮会。東京都北区の志茂連合町会と「全日本芋煮会同好会」の方々とともに事前の打ち合わせを重ね、当日を迎えた。

1つの鍋で作る相互理解

志茂連合町会の倉庫から、災害時炊き出し用設備、防災用の備品類などをリヤカーで運搬する Photo: Nobuyuki UENO 志茂連合町会の倉庫から、災害時炊き出し用設備、防災用の備品類などをリヤカーで運搬する Photo: Nobuyuki UENO

 町会側は災害時炊き出し用設備、防災用の備品類やリヤカーなどを提供。当日の朝、それらを各町会の倉庫から荒川河川敷の赤羽岩淵緑地BBQ広場に搬入した。

 地元の方々とともに皆で手分けして里芋の皮をむき、牛バラ肉、こんにゃく、ゴボウ、長ネギ、しめじなどの食材を準備する。今年はしょう油味の牛肉を使った「山形 村山風芋煮」。全日本芋煮会同好会の指導を受けながら、皆でワイワイガヤガヤと調理していった。

メイン食材の里芋の皮むき。一番手のかかる工程だが、ワイワイと話しながらコミュニケーションが深まる作業だ Photo: Keisuke SETOメイン食材の里芋の皮むき。一番手のかかる工程だが、ワイワイと話しながらコミュニケーションが深まる作業だ Photo: Keisuke SETO
完成間近の芋煮。皆で交替でかき混ぜながら、ちょっとずつ味見を繰り返す Photo: Keisuke SETO完成間近の芋煮。皆で交替でかき混ぜながら、ちょっとずつ味見を繰り返す Photo: Keisuke SETO

 芋煮会は、持ち寄る、自分たちで作る、分け合う、というコミュニケーションの大切な要素が集約されており、親睦や相互理解を深めるにはうってつけのイベントだ。

待ちに待ったお食事タイム。醤油ベースの薄めの出汁に、煮込んだ素材が柔らかく絡み絶品! Photo: Keisuke SETO待ちに待ったお食事タイム。醤油ベースの薄めの出汁に、煮込んだ素材が柔らかく絡み絶品! Photo: Keisuke SETO
芋煮会はサイクリストの行きかう荒川河川敷道路横で実施。走行中のサイクリストも興味津々の様子だった Photo: Keisuke SETO芋煮会はサイクリストの行きかう荒川河川敷道路横で実施。走行中のサイクリストも興味津々の様子だった Photo: Keisuke SETO

 地元区議会議員や、さいたま市自転車まちづくり推進課の皆さんが自転車で駆けつけたり、東京消防署員や国交省荒川下流河川事務所の方もご家族で遊びに来てくれたりと、官民合わせて総勢約70人が参加し、皆で舌鼓を打ちながら交流を深めた。

ルールの順守は知ることから

 今回は「芋煮会」だけでなく、住民やサイクリストを対象に自転車のルールやマナーを知ってもらうための「自転車クイズ」を実施。解かりにくい道路交通法が自転車にどのように適用されるのかなどについて、解説を交えながら理解を促した。

複雑な自転車ルールをグッチャリメンバーがわかりやすく解説 Photo: Takayuki KUROKI 複雑な自転車ルールをグッチャリメンバーがわかりやすく解説 Photo: Takayuki KUROKI
ルールの難解さに参加者からは驚きの声も Photo: Takayuki KUROKIルールの難解さに参加者からは驚きの声も Photo: Takayuki KUROKI

 「自転車の歩道走行は禁止、70歳以上の高齢者と13歳未満の小学生以下しか歩道通行(徐行)は認められていない」というルールと実態の乖離には、「知らなかった」と驚く参加者が多かった。

赤羽岩淵緑地BBQ広場横の河川敷道路を走行するサイクリストにマナーアップを働きかけ、チラシを渡す Photo:Takayuki KUROKI 赤羽岩淵緑地BBQ広場横の河川敷道路を走行するサイクリストにマナーアップを働きかけ、チラシを渡す Photo:Takayuki KUROKI

 また、グッチャリの通常活動として、荒川河川敷を走行する自転車利用者に対し、マナーアップチラシを配布してマナーやルール順守を働きかける啓蒙活動も実施した。

 地域住民の方々によれば、「スポーツサイクルの絶対数が増えているが、マナーの悪いサイクリストの比率は少しずつ減っているように感じる」とのこと。しかし、その一方でいわゆる「ママチャリ」などシティサイクル利用者の危険な走行が増加しており、「怖い思いをする事はいまだに減らない」という。

サイクリストにマナーアップを働きかける Photo: Keisuke SETOサイクリストにマナーアップを働きかけ、チラシを渡す Photo: Keisuke SETO
サイクリストもこぐ足を止めてチラシを受け取る Photo: Keisuke SETOサイクリストもこぐ足を止めてチラシを受け取る Photo: Keisuke SETO

 グッチャリとしても、全ての自転車利用者のマナーアップとルール順守意識の向上を目指して、引き続き活動を行っていきたい。

自転車仲間や荒川地域住民皆さんの他、国交省、さいたま市、東京消防署、区会議員の方々など総勢約70人が参加した Photo: Keisuke SETO自転車仲間や荒川地域住民皆さんの他、国交省、さいたま市、東京消防署、区会議員の方々など総勢約70人が参加した Photo: Keisuke SETO

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