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ジロ・デ・イタリア2016 第9ステージログリッチェが40kmの個人TTを制覇 ブランビッラは1秒差でマリアローザを死守

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
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 ジロ・デ・イタリア第9ステージが5月15日、キャンティ・クラシコ・ステージ(ラッダ・イン・キャンティ~グレーヴェ・イン・キャンティ)での40.5km個人タイムトライアル(TT)で争われ、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、チーム ロットNL・ユンボ)が51分45秒でグランツール初優勝。総合首位のジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)は1秒差でマリアローザを守った。NIPPO・ヴィーニファンティーニの山本元喜は132位でゴールした。

トップタイムを叩き出したプリモシュ・ログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADAトップタイムを叩き出したプリモシュ・ログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADA

起伏に富んだワインの産地

 ワインの産地として知られるキャンティを舞台にしたコースは、スタートからゴールまで大小の起伏が続く。距離が長く、テクニカルなコーナーが多いため大きなタイム差が生まれるレイアウトだ。さらにレースが進むにつれて強くなっていった雨が、選手の走りに影響を与えた。

 第2、3ステージを制したマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が出走せず、レースに臨んだのは186人。総合順位が低い順のスタートで、2番手のマティアス・ブランドレ(オーストリア、イアム サイクリング)がステージ2位となる51分55秒をマークした。ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード)はブランドレに18秒及ばず、4位に終わった。

 そのブランドレの好タイムを、ログリッチェが塗り替えた。第1ステージの個人TTでは、コンマ数秒差でトム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン)に敗れたが、今度は2位を大きく離すタイムで、暫定首位の座についた。

総合首位に迫ったユンゲルス

 レース中盤から雨が降り始め、総合上位勢が走る頃には、コース全体がウェットコンディションになっていた。路面が滑りやすくなり、ゴール目前の鋭角のコーナーでは落車が多発した。攻撃的に走ればリスクを大きなリスクを負うコンディションのなか、総合上位勢の結果は明暗が分かれた。

 総合で大きくジャンプアップしたのは、14位でスタートしたボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)と13位のアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム)。特にユンゲルスはトップから45秒遅れの6位でゴールし、マリアローザ獲得を狙える位置につけた。

ワイン畑に面した道を駆けるボブ・ユンゲルス。総合首位まで1秒差に迫った Photo: Yuzuru SUNADAワイン畑に面した道を駆けるボブ・ユンゲルス。総合首位まで1秒差に迫った Photo: Yuzuru SUNADA

 第8ステージまでマリアローザを着用していたデュムランは15位でゴールし、総合7位へ浮上した。しかし、雨で慎重な走りを余儀なくされ、優勝を目指していたステージで実力を発揮しきれなかったのが悔やまれる。

 TTが得意とは言えないドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール プロサイクリングチーム)はタイムを落とし、総合順位を下げた。

“マリアローザマジック”

総合上位同士の激しい争いを演じたヴィンチェンツォ・ニバリ Photo: Yuzuru SUNADA総合上位同士の激しい争いを演じたヴィンチェンツォ・ニバリ Photo: Yuzuru SUNADA

 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)、ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ)、スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)の4人は、3カ所ある中間計測で常に接戦を繰り広げた。4人が11秒差以内でゴールし、総合でも近い位置につけている。ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ)はニバリらから遅れながらも、総合トップ10圏内を守った。

 総合2位でスタートしたイルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ)は、前半はマリアローザを狙えるペースだったが落車でタイムを失った。その後はペースが落ちたうえ、ゴール前のコーナーでも落車し、総合11位に沈んだ。

マリアローザを守りきったジャンルーカ・ブランビッラ Photo: Yuzuru SUNADAマリアローザを守りきったジャンルーカ・ブランビッラ Photo: Yuzuru SUNADA

 最終走者、マリアローザのブランビッラは、前半は速いペースではなかったが後半に追い上げた。ここまで誰も上回れなかった51分45秒が経過し、ログリッチェのステージ優勝が確定した後も、総合争いのために駆け抜け、トップから2分5秒遅れでゴール。ユンゲルスに対して1秒のリードを守り、マリアローザをキープした。TTが得意ではない総合首位の選手が、時に思わぬ力を発揮する“リーダージャージマジック”だ。

異色の元・スキージャンプ選手

 ステージ優勝を飾ったログリッチェは、スキージャンプの選手だったという経歴をもっている。昨年まではスロベニアのUCIコンチネンタルチームで走っていたが、今年からはチーム ロットNL・ユンボに所属。レース後には「驚いた。優勝は予想していなかったけれど、ベストを尽くした」とコメントし、初出場のグランツールでの勝利を喜んだ。

グランツール初出場でステージ優勝を飾ったプリモシュ・ログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADAグランツール初出場でステージ優勝を飾ったプリモシュ・ログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADA

 総合の1位、2位はブランビッラとユンゲルスのエティックス・クイックステップ勢が独占。3位にはトップから32秒差でアマドールがつけている。

 翌日は今大会2度目の休息日で、中1日の第10ステージはカンピ・ビゼンツィオからセストラの219kmで争われる。4つのカテゴリー山岳が設けられ、序盤に2つの3級、終盤に1級と3級頂上ゴールが待ち受ける。

第9ステージ結果
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、チーム ロットNL・ユンボ) 51分45秒
2 マティアス・ブランドレ(オーストリア、イアム サイクリング) +10秒
3 ヴェガールステイク・ラエンゲン(ノルウェー、イアム サイクリング) +17秒
4 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード) +28秒
5 アントン・ヴォロビエフ(ロシア、チーム カチューシャ) +30秒
6 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +45秒
7 シュテファン・キュンク(スイス、BMCレーシングチーム) +58秒
8 ヨス・ファンエムデン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +1分8秒
9 マールテン・チャリンギ(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +1分16秒
10 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +1分19秒
132 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +6分16秒

個人総合(マリアローザ)
1 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) 34時33分04秒
2 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +1秒
3 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +32秒
4 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +51秒
5 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +53秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +55秒
7 トム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) +58秒
8 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) +1分18秒
9 ラファウ・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +1分45秒
10 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +1分51秒
183 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1時間14分38秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 119pts
2 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) 91pts
3 マールテン・チャリンギ(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 82pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) 21pts
2 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 20pts
3 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ) 16pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) 33時間40分35秒
2 カルロス・ベロナ(スペイン、エティックス・クイックステップ) +4分47秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +5分21秒

チーム総合
1 エティックス・クイックステップ 103時間41分02秒
2 モビスター チーム +2分49秒
3 アスタナ プロチーム +4分13秒

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