title banner

ジロ・デ・イタリア2016 第7ステージグライペル勝利でロット・ソウダルがステージ3連勝 デュムランはマリアローザ堅守

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
  • 一覧

 ジロ・デ・イタリア第7ステージは5月13日、スルモーナからフォリーニョまでの211kmで争われ、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)がスプリントを制しステージ優勝。2日前の第5ステージに続く今大会2勝目を挙げると同時に、ロット・ソウダルとしてもステージ3連勝となった。総合首位のマリアローザを着るトム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン)は、その座をキープ。総合上位陣では、ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)がトップから9秒遅れの48位に終わり、総合9位から11位に順位を落としている。NIPPO・ヴィーニファンティーニの山本元喜は5分39秒差の183位で1日を終えた。

アンドレ・グライペルが今大会2勝目を挙げた Photo: Yuzuru SUNADAアンドレ・グライペルが今大会2勝目を挙げた Photo: Yuzuru SUNADA

後半に入りキュンクが独走

 前日の頂上フィニッシュから打って変わり、大会主催者が発表した難易度は星2つのスプリントステージ。序盤に2級山岳、残り約40km地点で4級山岳が控えるが、メーン集団ではロット・ソウダルなどスプリント狙いのチームがコントロールに終始した。

 序盤の攻防を経て形成された逃げグループは6人。アクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、ジューリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、シュテファン・キュンク(スイス、BMCレーシングチーム)、シュテファン・デニフル(オーストリア、イアム サイクリング)、イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ)、ダニエルフェリペ・マルティネス(コロンビア、ウィリエール・サウスイースト)が先行した。

 逃げメンバーが固まる前に迎えた20km地点の2級山岳ポイントでは、前日のステージで勝利を挙げたティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)が4位通過。山岳賞首位のマリアアッズーラを着用するダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は5位通過となり、この時点で山岳賞争いでウェレンスがトップに立った。

(左から)ダミアーノ・クネゴとティム・ウェレンスの山岳賞争い Photo: Yuzuru SUNADA(左から)ダミアーノ・クネゴとティム・ウェレンスの山岳賞争い Photo: Yuzuru SUNADA
山岳リーダーになったティム・ウェレンス Photo: Yuzuru SUNADA山岳リーダーになったティム・ウェレンス Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げとメーン集団との差は3分から3分半の間で推移していたが、残り90kmを切ったあたりからは少しずつその差が縮まっていく。4級山岳の上りに入るとタイム差が1分台となり、メーン集団が逃げメンバーを吸収するのは時間の問題となった。そして頂上を目前にしてメーン集団からクネゴがアタック。山岳賞首位を奪い返すべく飛び出したが、これは失敗に終わった。

 頂上を越えて下りに入ると、キュンクが単独先頭に立つ。2015年にはトラック・個人追抜で世界王者となり、ロードではタイムトライアルスペシャリストとして鳴らすだけあって、定評のある独走力で快調に飛ばす。そのほかの逃げメンバーは集団に吸収されたものの、キュンクだけは1分前後の差をキープしながらレース終盤の平坦区間を攻めた。

グライペルが混戦を制す、キッテルはメカトラ

ゴール付近まで一人で逃げ続けたシュテファン・キュンク Photo: Yuzuru SUNADAゴール付近まで一人で逃げ続けたシュテファン・キュンク Photo: Yuzuru SUNADA

 1人逃げ続けたキュンクだったが、スプリントを見据えるメーン集団のスピードには及ばなかった。粘ったものの、残り7kmで吸収されてしまった。そしてレースはスプリントフィニッシュが濃厚となった。

 そんな中、残り5kmでこのステージの優勝候補筆頭だったマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)にアクシデントが発生した。メカトラブルによってバイク交換を余儀なくされ、集団から後退。再び走り出したものの、戦意を喪失しステージ優勝は諦めた様子だった。

 残り3kmを切って集団の先頭に立ったのはロット・ソウダル。グライペルをベストポジションからスプリントに放つ構えだ。だが、ランプレ・メリダ、オリカ・グリーンエッジなども前方へと上がり、主導権争いは熾烈を極める。そして、残り1kmのフラムルージュを過ぎて最終局面へ。ここで先頭に躍り出たのはオリカ・グリーンエッジ。カレブ・イーウェン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が飛び出すと一斉にスプリントが始まった。

 一度は後方に沈んだかに思えたグライペルだったが、サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)の背後から一気に加速。先頭に出るとライバルを寄せ付けず、そのままステージ優勝を決めた。2位にはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)、3位にはモドロが続いた。

未舗装区間を通過する第8ステージ

 今大会2勝目を挙げたグライペルは、この勝利でポイント賞でトップに浮上。マリアロッサをポディウムで受け取った。レース後のインタビューでは、「横風が強いであろうことと、フィニッシュ前のコーナーがトリッキーであることはあらかじめ分かっていた。ラスト6kmはチームメートが素晴らしい仕事をしてくれた。早い段階でアシストが残り2人となっていたので、その後にマークすべき選手を探していた。一瞬対応が遅れたが、幸運にも打開策が見つかった。モドロが後ろが空いていたので、自分のタイミングでスプリントをすることができた」と勝利のスプリントについて説明した。

スタートでピザをプレゼントされたトム・デュムラン Photo: Yuzuru SUNADAスタートでピザをプレゼントされたトム・デュムラン Photo: Yuzuru SUNADA

 マリアローザはデュムランがしっかりと守っている。翌日の第8ステージは、毎年3月に開催されるストラーデ・ビアンケでもおなじみの未舗装区間が登場。ラスト約25km地点から始まり、最大勾配14%、約6.5kmにわたって続く上りについて印象を問われると、「過去にストラーデ・ビアンケに2回出場しており、(未舗装区間での走りに)自信がある。明日が楽しみだ」とコメント。

 また、第9ステージの個人タイムトライアルにもフォーカスしているようで、「私にとって、ジロにおける最重要ポイントの1つだ。ライバルに対し、どの程度のタイム差をつけられるかは分からないが、得意とするアップダウンのあるコースだ」とも述べた。

第7ステージ結果
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 5時間1分8秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) +0秒
3 サーシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
4 カレブ・イーウェン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
5 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、チーム ロットNL・ユンボ) +0秒
6 マッテーオ・トレンティン(イタリア、エティックス・クイックステップ) +0秒
7 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、チーム カチューシャ) +0秒
8 アレクセイ・ツァテヴィッチ(ロシア、チーム カチューシャ) +0秒
9 ニコーラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +0秒
10 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) +0秒
183 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +5分39秒

個人総合(マリアローザ)
1 トム・デュムラン(カナダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 29時間23分23秒
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +26秒
3 イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ) +28秒
4 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +35秒
5 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +38秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +41秒
7 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) +41秒
8 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +47秒
9 カンスタンティン・シウツォウ(ベラルーシ、ディメンションデータ) +49秒
10 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +51秒
183 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +50分56秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 119pts
2 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 106pts
3 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) 91pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) 21pts
2 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 20pts
3 アレッサンドロ・ビソルティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 16pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) 29時間23分58秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +1分25秒
3 カルロス・ベロナ(スペイン、エティックス・クイックステップ) +1分52秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 88時間12分17秒
2 エティックス・クイックステップ +1分23秒
3 チーム スカイ +1分23秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

UCIワールドツアー ジロ・デ・イタリア2016 ジロ2016・レース詳報

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載