リカルド・ガルシアが第2ステージ3位入賞キナンが第2ステージでチーム総合1位に インドネシアで開催の「ツール・ド・イジェン」

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 日本登録のUCIコンチネンタルチーム「キナンサイクリングチーム」が、5月11~14日にインドネシアで開催の国際レース「INTERNATIONAL TOUR de BANYUWANGI IJEN 2016」(ツール・ド・イジェン)に出場しています。前半第1、第2ステージのレースの様子を、同チームの石田哲也監督がレポートします。

◇         ◇

第1ステージのスタートラインに並ぶキナンサイクリングチームの選手たち(中央) Photo: KINAN Cycling Team第1ステージのスタートラインに並ぶキナンサイクリングチームの選手たち(中央) Photo: KINAN Cycling Team

第1ステージ: 序盤に乗り遅れ チームで挽回

レース前、補給を受け取る選手たち Photo: KINAN Cycling Teamレース前、補給を受け取る選手たち Photo: KINAN Cycling Team

 朝からうだるような暑さの中、レースが始まった。アジアツアーの朝は早く、5時からホテルに関係車両が集まる。積み込みを済ませると6時半にはホテルを出発。そして恒例の車移動が1時間半。もう選手は慣れた様子で準備を済ませ、9時のスタートを待つ。

 レースはスタート直後から予想通りアタックが続き、すぐに逃げ集団が形成された。大きく膨れ上がった先頭集団はなんと14人。主要チームが複数含まれ、追いかけるチームが無くなったところで勝負あり。あっという間に集団との差は6分にまで開いた。

 前日に注意したポイントで見事に乗り遅れた我々キナンは、もう追いかけるしかない…。スタート直後の展開で思い通りに体が動かない。最悪のパターンだ。暑さに体が慣れる前の一番辛い時間帯、頑張るしかない!

サインボードに出走サインを書き込む阿曽圭佑 Photo: KINAN Cycling Teamサインボードに出走サインを書き込む阿曽圭佑 Photo: KINAN Cycling Team
キナンのサコッシュを手にご機嫌の地元の子供 Photo: KINAN Cycling Teamキナンのサコッシュを手にご機嫌の地元の子供 Photo: KINAN Cycling Team
チームカーはトヨタのアバンザ。新興国向けのミニバンだ Photo: KINAN Cycling Teamチームカーはトヨタのアバンザ。新興国向けのミニバンだ Photo: KINAN Cycling Team

 これに危険を感じたキャプテンのジャイ・クロフォードが、すぐ阿曽圭佑にチームカーまで下がるよう指示。チームカーの私の元へ来た阿曽へ、現在の状況と対応を伝える。前の逃げ集団に乗り遅れたチームと協力し、先頭を追いかける。この時点で100km消化、残りは70km。

 その頃、ラジオツールからチームカーへ先頭の様子が伝えられた。どうやら力の差で先頭集団も山岳ポイントをきっかけに分裂、どんどん小さくなり先頭集団から6人が抜けだす形に。こうなると集団が先頭を捕まえられる可能性がますます大きくなり、タイムボードで記されるタイムギャップは徐々に小さくなっていく。

沿道の応援の中を駆け抜けるレースの集団 Photo: KINAN Cycling Team沿道の応援の中を駆け抜けるレースの集団 Photo: KINAN Cycling Team

 先頭は最終的に2人にまで絞られたが、スプリンターを抱えるチームが集団ゴールを狙いさらに加速。ゴール手前10kmの大通りに出てさらに集団有利な展開になり、残った2人をゴール手前数百mで吸収、集団スプリントでゴールになった。

 今回のレースはやはり最終日の頂上ゴールが最大のポイント。それまでに総合順位で差を付けたくない我々にとっては、ほっと胸をなでおろす結果となった。クロフォード、リカルド・ガルシア、阿曽が集団ゴール。レース中盤に集団をコントロールしたウェズリーと伊丹は山岳ポイントから後方へ遅れてゴールした。明日はゴール手前50km地点の山岳が重要なポイントの145.7km。後半の力勝負で我々は先頭に何人残せるかがポイントになるだろう。

第1ステージ結果
1 シン・ドンヒョン(韓国、LX-IIBS CYCLING TEAM) 3時間58分38秒
2 マ・ガンドン(中国、WISDOM-HENGXIANG CYCLING TEAM) +0秒
3 IBNU FAROKA Rully(インドネシア、CUSTOMS CYCLING CLUB)
23 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
36 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)
59 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
76 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +9分30秒
88 伊丹健治(キナンサイクリングチーム)

第2ステージ: ガルシアが3位入賞 チーム総合も1位に

故障から始まった今シーズン2戦目で3位の好成績を挙げたリカルド・ガルシア Photo: KINAN Cycling Team故障から始まった今シーズン2戦目で3位の好成績を挙げたリカルド・ガルシア Photo: KINAN Cycling Team

 リカルド・ガルシアが今季2レース目で3位入賞を果たした。

 彼は1月のスペイン合宿で、膝の痛みを訴え戦線を離脱していた。母国スペインで日本からやってきた自分の所属するチームが走ることを一番楽しみにしていたリカルド。しかし悔しい悔しいレースキャンセルとなり帰宅しなければならなかったあの日。彼を空港に送った時に見せた寂しい悔しい何とも言えない顔が、今でも記憶に残っている…。

 そこから焦る気持ちを抑えてリハビリに励み、先月のフランス遠征から数えて2度目のレースとなったインドネシアで好調ぶりを見せてくれた。彼が戻ってきてくれたと感じた嬉しい1日だった。

ステージ3位の表彰を受けるリカルド・ガルシア Photo: KINAN Cycling Teamステージ3位の表彰を受けるリカルド・ガルシア Photo: KINAN Cycling Team
第2ステージの表彰 Photo: KINAN Cycling Team第2ステージの表彰 Photo: KINAN Cycling Team

 チームも好調で、チーム総合1位に。リカルド・ガルシアと同タイムでゴールし、ステージ5位となったジャイ・クロフォードに続いて、チーム3番目にゴールしたのは若手の阿曽圭佑だった。チーム総合には上位3人のタイムが必要になる。阿曽圭佑は第2グループで耐えながらよく頑張ってくれた。ベテラン2人、サルツバーガーと伊丹は、機転の利いた動きで3人を前に送り込んでくれた。これぞチーム力、本当に嬉しい結果だ。

 第2ステージは後半の激坂がポイントとなる145kmで争われた。スタートからスプリントポイントが続く平坦区間では、ポイントリーダーを狙う選手が単独で逃げ続けた。68km地点のスプリントポイントまで逃げ続け、1位で通過するとすぐに集団に戻り、入れ替わるように数人が逃げた状態で山岳地帯に突入した。

ずらりと関係車両が並ぶスタート地点 Photo: KINAN Cycling Teamずらりと関係車両が並ぶスタート地点 Photo: KINAN Cycling Team
ジャングルの中を進んでいく Photo: KINAN Cycling Teamジャングルの中を進んでいく Photo: KINAN Cycling Team
沿道の学校の生徒たちが応援 Photo: KINAN Cycling Team沿道の学校の生徒たちが応援 Photo: KINAN Cycling Team
チームカーの横を走る阿曽 Photo: KINAN Cycling Teamチームカーの横を走る阿曽 Photo: KINAN Cycling Team
第2ステージのゴール直後。優勝のプラデスがガッツポーズ、3位のガルシアが悔しがる Photo: KINAN Cycling Team第2ステージのゴール直後。優勝のプラデスがガッツポーズ、3位のガルシアが悔しがる Photo: KINAN Cycling Team

 だんだんときつくなる勾配に選手が次々遅れていく。先頭は10人で頂上を通過、そこにリカルド・ガルシアとジャイ・クロフォードが入った。少し遅れて阿曽圭佑が15人ほどのグループで通過し、そこからは先が見えないほどの下り坂を下ってゴールへ向かう。

 10人のスプリントを制したベンジャミン・プラデス(チームUKYO) に続いてリカルド・ガルシアが3位、ジャイ・クロフォードが5位でゴールした。

 第2ステージの結果を受けて個人総合順位が大きく変わり、それぞれが明日からが楽しみな順位となった。第3ステージは平坦の周回コース127km、それを終えるといよいよ頂上ゴールの最終日だ。まずは明日、トラブルなく上手く走りたい。

<後半>表彰後のどんでん返しでジャイ・クロフォードの個人総合優勝

ゴールスプリントの判定写真。4位の選手と5位のジャイ・クロフォードはわずか数cmの差ゴールスプリントの判定写真。4位の選手と5位のジャイ・クロフォードはわずか数cmの差
ゴール直後の伊丹健治(中央)と阿曽圭佑 Photo: KINAN Cycling Teamゴール直後の伊丹健治(中央)と阿曽圭佑 Photo: KINAN Cycling Team
レース中にコース脇の草で腕を切った阿曽。出血しながらレースを走りきり、ゴール後に縫合の手当てを受けた Photo: KINAN Cycling Teamレース中にコース脇の草で腕を切った阿曽。出血しながらレースを走りきり、ゴール後に縫合の手当てを受けた Photo: KINAN Cycling Team
個人総合3位に入ったことで、翌日のチームカーの順番も3番目に Photo: KINAN Cycling Team個人総合3位に入ったことで、翌日のチームカーの順番も3番目に Photo: KINAN Cycling Team

第2ステージ結果
1 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チームUKYO) 3時間42分58秒
2 フィリップ・マルセロ(フィリピン、7-ELEVEN – SAVA RBP) +0秒
3 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
5 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
31 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +3分26秒
60 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +11分41秒
79 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +15分15秒

第2ステージ終了時の総合時間順位
1 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チームUKYO) 7時間41分26秒
2 フィリップ・マルセロ(フィリピン、7-ELEVEN – SAVA RBP) +4秒
3 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +6秒
9 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +10秒
25 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +3分36秒
75 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +21分21秒
82 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +24分55秒

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