高齢者宅回り修理自転車にキャンプ用品積み長野から熊本へ 古民家再生のプロが被災地奔走

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 熊本地震の被災地に、古民家再生の技術を生かし損壊した家屋の修復にあたるボランティアがいる。「寝食を自己完結しなければ被災者の迷惑になる」と自転車にキャンプ用品を積み込んで熊本入りした長野県岡谷市の建築業、鳥海小太郎さん(64)。到着後は先に修理道具を送っておいた知人が携わるNPOに加わり、支援を求める人の情報を収集。頼る人がいないお年寄りなど困っている被災者のもとに駆けつけている。(産経新聞大阪社会部 井上浩平)

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約2週間かけ被災地へ

山元律子さん(左)の自宅を修理する鳥海小太郎さん=5月12日、熊本市中央区(村本聡撮影)山元律子さん(左)の自宅を修理する鳥海小太郎さん=5月12日、熊本市中央区(村本聡撮影)

 「本震で建物がゆがみ、ガラス戸が開いたままになって困っていた。夜は不安なので避難所で寝ることもあった。1人ではどうにもならないので助かった」

 12日朝、熊本市中央区の平屋の民家で、鳥海さんが自動車用のジャッキで窓枠の一部を押し上げ、慣れた手つきで修理を終えると、住人の山元律子さん(63)は笑顔を見せた。

 鳥海さんは被災地の惨状をニュースで知り、「古民家再生で培った自分の技術が役に立てば」とボランティアを思い立った。とはいえ、食べ物や水も不足していた被災地に「迷惑をかけたくはない」。導き出した答えが自転車での被災地入り。約900kmの道のりをフェリーも利用しながら約2週間かけて走破し、5月3日ごろ熊本に入った。

 もともと、趣味で全国各地を自転車で訪問するなど脚力には自信があった。

 「阿蘇の山にさしかかると、あちこちで瓦屋根の家屋がつぶれ、道路が波打っていた。一刻も早く力になりたいとペダルをこぐ足に力が入った」と振り返る。

NPOの活動参加

 到着後、知人が携わる熊本市のNPO「でんでん虫の会」の活動に参加。千葉県成田市でレストランとして活用するため築400年の古民家を再生したり、注文を受けてログハウスを建てたりしてきた技術を生かして、主に家屋や家具の修理を担当している。

 被災地でのボランティアは初めてだが、「時間の融通が利く仕事をしているし、困っている人の役に立ちたかった」と鳥海さん。

 この日、窓枠を修理した山元さんとは、「でんでん虫の会」が週に1度開く高齢者や障害者向けの「おしゃべり会」で日に知り合った。「孤独になりがちな単身の被災者が笑顔を取り戻してくれれば」と道具を握る手に力が籠もる。

 1300回を超える余震が続く中、身近に頼れる人の少ない単身の高齢者や障害者は特に不安な毎日を過ごしている。同日のおしゃべり会で司会を務めた理事の山本照文さん(67)は「鳥海さんらボランティアの手を借りて、一日も早く震災以前の生活に戻れるよう後押ししたい」と話していた。

産経新聞・大阪夕刊より)

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