メダル獲得に意欲リオパラリンピックの自転車競技日本代表に藤田征樹ら5人を選出 JCFが発表

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 日本自転車競技連盟(JCF)は5月13日、東京都内で記者会見を開き、9月に開催されるリオデジャネイロパラリンピックの自転車競技日本代表選手として、藤田征樹(日立建機)、石井雅史(藤沢市みらい創造財団)ら5選手を選出したと発表した。

リオ2016パラリンピック競技大会自転車競技日本代表選手。左から川本翔大、藤田征樹、石井雅史、鹿沼由里恵、田中まい  Photo: Kyoko GOTOリオ2016パラリンピック競技大会自転車競技日本代表選手。左から川本翔大、藤田征樹、石井雅史、鹿沼由里恵、田中まい Photo: Kyoko GOTO
発表記者会見の模様 Photo: Kyoko GOTO発表記者会見の模様 Photo: Kyoko GOTO

 日本代表に選出されたのは、3回目の出場となる藤田、石井両選手に加え、初出場の川本翔大(しょうた)選手(大和産業)、鹿沼由里恵(楽天ソシオビジネス)、田中まい(日本競輪選手会千葉支部)。

 障害者スポーツは障害の度合に応じて4つのクラスに分類されており、男子3選手は切断、機能障害、まひ等の選手が参加する「Cクラス」で出場。パラサイクリングではさらに区分分けされており、高次脳機能障害の石井選手は「C4」、両脚に義足を履く藤田選手は「C3」、片脚のみで自転車をこぐ川本選手は選手団の中でも最も重度が高い「C2」での出場となる。鹿沼選手は視覚障害のBクラスで、健常者の田中まい選手をパイロット(前乗り)とするタンデム自転車での出場となる。

藤田選手「めざすは金メダル」

 北京、ロンドンと2度のパラリンピックに出場し、各大会で銀メダルと銅メダルを獲得している藤田選手(31)。パラサイクリングに義足で挑戦した日本の草分け的存在であり、2015年のロード世界選手権はロードレースで優勝、2016年のトラック世界選手権大会では3km個人パーシュートで4位という世界トップレベルの戦績をおさめ、リオでは悲願の金メダルに期待がかかる。

「金メダルをめざしてわくわくするようなパフォーマンスを見せたい」と話す藤田征樹選手 Photo: Kyoko GOTO「金メダルをめざしてわくわくするようなパフォーマンスを見せたい」と話す藤田征樹選手 Photo: Kyoko GOTO

 藤田選手は、「リオに出ることを目標にこれまで頑張ってきた。金メダルをめざしてわくわくするようなパフォーマンスを見せたい。自分の強みはタイムトライアル。そこで勝負する力をしっかりつけて戦いたい。活躍に注目してほしい」とリオに向けた気持ちの強さを示した。「プレッシャーはないか」という記者からの問いに対しては、「もちろん感じているが、プレッシャーのないレースはないし、それがなければ良い走りはできない。それを嚙みしめながら、残された時間でいっそうトレーニングを重ねたい」と返した。

石井選手「リオを集大成に」

「リオが自分の集大成」と話す石井雅史選手 Photo: Kyoko GOTO「リオが自分の集大成」と話す石井雅史選手 Photo: Kyoko GOTO

 チーム最年長となる石井雅史選手(43)は元競輪選手で、2001年に練習中の事故により脳に障害が残る後遺症を負った。藤田選手と同じく北京、ロンドン大会に出場し、北京では1km個人TTで金、3km個人パーシュートで銀、ロードTTで銅を獲得している。2015年のトラック世界選手権では1kmTTで4位、2016年の同大会では6位を獲得している。

 「最初の北京は指導してもらい、それに対して素直に行動するだけだったが、ロンドンに続き今回のリオは自分の意思をもって臨むことができている。リオはいままでの経験をいかして、メダルに手が届くよう頑張りたい」と話す石井選手。「今大会が集大成だと思っている」との思いを明かし、「悔いのない走りをしたい。つらいことを乗り越えて得た勝利には格別な喜びがある。それを伝えられたら、自分が代表として選ばれた意味がある」とパラリンピックに寄せる思いを語った。

初出場・川本選手「強みは限界が見えないこと」

 初出場となる川本選手はチーム最年少の19歳。生後2カ月で線維肉腫という疾患を発症し、左脚を切断した。松葉杖を使ってサッカーなどをスポーツに打ち込む少年時代を過ごし、自転車も右脚のみでこぐ。

「限界が見えないこと」と川本翔大選手 Photo: Kyoko GOTO「自分の強みは限界が見えないこと」と川本翔大選手 Photo: Kyoko GOTO

 2016年はトラック日本選手権大会で3km個人パーシュート優勝、1kmTTで2位を獲得、アジア自転車競技選手権では3km個人パーシュートで5位に入賞している。会見には少し緊張した面持ちで臨むも、「自分の強みは?」という質問に「限界が見えないこと」と回答。「本番まで力を付け、自分が出せる力をせいいっぱい出して頑張りたい」と意欲を示した。

鹿沼・田中選手 絆を強めた再結成

鹿沼友理恵選手(左)とパイロットの田中まい選手 Photo: Kyoko GOTO鹿沼友理恵選手(左)とパイロットの田中まい選手 Photo: Kyoko GOTO

 同じく初出場となる鹿沼選手(35)と、パイロットの田中選手(26)は、2013年にペアを結成。以来、2014年のロード世界選手権でロードTT1位、2015年のトラック選手権では3km個人パーシュートで2位、スプリント3位、2016年の同大会では3km個人パーシュートで2位を獲得している。

 田中選手が競輪とパラサイクリングの両立に困難を感じ、一時期ペアを解消したこともあったが、鹿沼選手の希望で再結成を果たした2人。それだけに絆は強い。

 「田中選手とは偶然出会ったが、一緒に自転車に乗っていて違和感のない、本気の走りをしてくれる人。リオに向けてまた一緒に走れるようになったいまを感謝して、2人の力を合わせた以上の力が出せるように練習をしていきたい」という鹿沼選手。一方、田中選手も「鹿沼選手から『一緒にリオを目指したい』といわれて、そこから頑張ってこれた。残り4カ月、競輪を休んでリオに集中できるので、練習を重ねてさらに息を合わせていきたい」と意気込みを語った。

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