工具はともだち<93>「六角」と「十二角」 ソケットはどちらを買うべき?

by 重田和麻 / Kazuma SHIGETA
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 5月に入ってなんだかスッキリしない天気が多いような気がしますが、5月には特別な日があります。既に過ぎでしまいましたが、5月9日! ピンと来る人ならわかりますよね。「5」と「9」の語呂合わせ、ここまで言うとお気づきでしょう、そう、「5」「9」の日、つまり「工具の日」なんです。

 ちなみにKTCも含めて工具関係の会社が勝手に言っているだけなのですが、調べてみると一般的には「アイスクリームの日」だったり、「黒板の日」だったり「告白の日」なんて言うのもあるようです。この記事を早めに見た方は「KTCのFacebookページ」を見ると何かいいことがあるかもしれませんよ。

どちらがいいかは「時と場合」

KTCの六角ソケット ©KTCKTCの六角ソケット ©KTC

 さて、今回の「工具はともだち」は私たちが日ごろ、工具について良く聞かれることからおひとつご紹介したいと思います。工具について良く聞かれる疑問のひとつとして、「ソケットの六角と十二角って、どちらがいいのですか?」というものがあります。六角穴付きボルトが多いロードバイクなどではアーレンキーが主体なので、あまりソケットを使われないかもしれませんが、普通の六角ボルトを回す際に使われるソケットには「六角」と「十二角」があります。

 「どちらがいいのですか?」との問いには「時と場合によります」という何ともあたりさわりのない答えになってしまいます。なぜなら、普通に使う時は「十二角」の方が便利な場合が多いですが、条件次第で「六角」の方が良い場合もあるからです。

「二重六角」とも言われる「六角」

KTCの十二角ソケット ©KTCKTCの十二角ソケット ©KTC

 まず、「十二角」ですが、工具の世界では「二重六角」という言い方もします。つまり、六角形状が二つあるということです。この言葉からもわかるように、六角の相手物に一つの六角形状で差し込むのと二つの六角形状で差し込むのなら、当然、後者の方が「簡単に差し込むことができる」というわけです。ですから、あまり六角の向きを気にせずに差し込んでも比較的容易に差し込める分、十二角の方が使いやすいということになります。

 ただ、ラチェットと一緒に使うことの多いソケットの場合、ボルトに対して抜き差しする必要はほとんどなく、最初に差し込むだけですのであまり影響はないと思います。
 
では強さの面ではどうでしょう。意外と知られていませんが、実は「六角」と「十二角」の強さは同じなんです。ぱっと見た感じでは「六角」の方が強そうに見えるのですが、工具の強さは結局のところ一番弱い所の強さに依存します。つまり、ソケットを使用して力が加わった時に一番先に壊れる所の強さがその工具の強さになるのです。

 そうすると、「六角」も「十二角」も壊れるところはそれぞれの角の頂点部分であり、ソケットの中の最薄部分になります。ここの厚みは「六角」も「十二角」も同じなので、「強さは同じ」という結論になります。じゃあ、「十二角」の方がいいのかというと、そうでない場合もあります。

工具を揃えて失敗の確率下げる

十二角と六角の口径形状 ©KTC十二角と六角の口径形状 ©KTC

 それは、角が丸くなったような、なめかけたボルトを回す場合で、その場合は平面の多い「六角」の方が比較的なめにくくなります。ですから、はじめに戻って「六角と十二角って、どちらがいいのですか?」との問いには「時と場合によります」という回答になるのです。

 結局、どういうことに重点をおいて考えるかで、良し悪しが変わりますから、工具というものは種類がどうしても多くなりますし、様々な種類を持っていた方が、色々な場面で対処しやすくなります。つまり、工具の種類をたくさん持つということは作業をする上で失敗する確率を下げてくれるということにつながるのです。それでも、どちらかひとつを選ぶ場合は作業性を優先するか、もしもの時を優先するかがソケットを選ぶポイントとなると言えます。

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重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

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