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ジロ・デ・イタリア2016 第4ステージウリッシが終盤独走で勝利 マリアローザはデュムランが奪回、クネゴが山岳ジャージ

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ジロ・デ・イタリア第4ステージが5月10日、イタリアのカタンザーロからプラーイア・ア・マーレまでの200kmで行われ、終盤の上りで単独抜け出したディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)がジロ通算5勝目を挙げた。個人総合では区間2位に入ったトム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン)が再び首位に立った。日本の山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は区間194位で完走した。

終盤独走でステージ優勝したディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) Photo: Yuzuru SUNADA終盤独走でステージ優勝したディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) Photo: Yuzuru SUNADA

イタリアでの戦いが開幕

 オランダで開幕3ステージをこなしたジロは、イタリアの“ブーツのつま先”まで一気に移動。最終日に向けて徐々に北上していく。この日はほぼ海岸線沿いをたどるルートで、ポイント上は3級山岳が途中2つあるのみだが、中盤から終盤にかけ細かなアップダウンが連続。特に残り10kmからは、山岳ポイントはつかないものの、最大斜度18%の1.7kmの上りが待ち構えている。

 レースはスタート直後のアタック合戦から、10km地点でニコーラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF)、ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、BMCレーシングチーム)、マティアス・ブランドレ(オーストリア、イアム サイクリング)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ)の4人の逃げが形成された。

スタートに向かうキッテル Photo: Yuzuru SUNADAスタートに向かうキッテル Photo: Yuzuru SUNADA
序盤から逃げた4人 Photo: Yuzuru SUNADA序盤から逃げた4人 Photo: Yuzuru SUNADA

 メーン集団は総合首位のマリアローザを着るマルセル・キッテル(ドイツ)を擁するエティックス・クイックステップ勢が中心にコントロール。3分少々のタイム差でレース後半、最初の3級山岳(126km地点)の入口をむかえた。

 山岳ポイントは逃げの4人の争いからボエムが獲得した。一方メーン集団は徐々にステージ優勝に向けての動きが活発化。続く2つ目の3級山岳(150km地点)に向けての小さな平坦で一気にペースアップをみせ、上りの前半までに逃げグループを全員吸収した。

NIPPOのクネゴが山岳賞を獲得

 ペースアップした集団からは、スプリンター勢が次々と脱落していく。マリアローザのキッテルもその例外ではなかった。山岳ポイントではかつて2004年にジロを制したベテラン、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が積極的にアタックし、ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)との競り合いを制してトップ通過。同時に山岳ポイント争いで首位に立ち、ブルーの山岳賞ジャージの獲得を決めた。

この日も遅れたファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード) Photo: Yuzuru SUNADAこの日も遅れたファビアン・カンチェッラーラ(スイス、トレック・セガフレード) Photo: Yuzuru SUNADA

 下りを終えたところで、アージェードゥーゼール ラモンディアルの2人、アクセル・ドモン(フランス)とギヨーム・ボナフォン(フランス)がアタック。これを追走する小集団も形成され、メーン集団からわずかに先行する形での小競り合いが続いた。山岳を先頭から1分29秒差で通過したキッテルは、一度はメーン集団に追いついたものの、この日の勝負は厳しい情勢だ。

 先頭で積極的な動きをみせるのは、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)やクネゴ、ピラッツィといった面々。残り20kmを前にデマルキとヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)が2人で抜け出し、徐々に合流する形で、11人の先頭グループが形成された。

エースを奮い立たせたコンティの引き

 残り15kmからは、チームエースのウリッシを従えた23歳のコンティが、先頭グループを約5kmに渡って強力に牽引した。この働きにウリッシが応えた。ウリッシは最初の急勾配区間でアタックしたピラッツィの動きに冷静に反応すると、途中の緩斜面区間では自らペースを作り、後半の急勾配では力強い登坂でペースアップ。他の選手を置き去りにすることに成功した。

急勾配で単独先頭に立ったウリッシ Photo: Yuzuru SUNADA急勾配で単独先頭に立ったウリッシ Photo: Yuzuru SUNADA

 後続のメーン集団も上りでペースアップ。細分化しながら先頭のウリッシから15秒差で上り頂上を通過した。ゴールまでは下り基調で、ウリッシの逃げ切りは難しいタイム差だ。しかしメーン集団も25人ほどに絞り込まれて、総合狙いの選手が多く含まれていたことから、この日の勝利を取るための動きは鈍く、このことがウリッシには幸いした。

 ウリッシは後続に10秒差をもってラスト1kmを通過。ゴール直前まで力一杯ペダルを踏み続け、残り50mでようやく後ろを振り返って勝利を確信。両手を挙げてゴールラインを越えた。2位にはロングスパートをかけたデュムランが、集団からわずかに先行する形で入り、総合首位に返り咲いた。

ウリッシ「脚よりも耳が痛い」

 自身ジロ通算5勝目、今大会チーム最初の勝利を挙げたウリッシはレース後、「昨年同様、チームは少なくとも1勝を挙げることが目標だったが、4日目にしてそれを成し遂げることができた」と喜びを語った。今季はこれが自身初勝利。「今年は調子が良かったが、ここまで勝つことができなかった。本当に嬉しいし、コンティのような若いチームメートが、私のために何も言わなくても全力で走ってくれたのも素晴らしかった。最後は監督の無線からの応援が凄くて、脚よりも耳の方が痛かったよ」とコメントした。

第4ステージ結果
1 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 4時間46分51秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) +5秒
3 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +6秒
5 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
6 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)
7 イルヌール・ザカリン(ロシア、チーム カチューシャ)
8 マッテーオ・ブザート(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)
9 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
10 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム スカイ)
194 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +16分12秒

個人総合(マリアローザ)
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) 14時間00分09秒
2 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +20秒
3 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +24秒
5 ゲオルク・プライドラー(オーストリア、チーム ジャイアント・アルペシン)
6 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +26秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +31秒
8 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +35秒
9 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム スカイ) +37秒
10 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
190 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +25分22秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 106pts
2 マールテン・チャリンギ(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 80pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 53pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 7pts
2 ニコーラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF) 7pts
3 マールテン・チャリンギ(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 5pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) 14時間00分29秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +37秒
3 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) +1分14秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 42時間01分56秒
2 エティックス・クイックステップ +13秒
3 チーム スカイ +34秒

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