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ジロ・デ・イタリア2016 第3ステージキッテルが桁違いのスピードでステージ2連勝 マリアローザも獲得

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 ジロ・デ・イタリア第3ステージは5月8日、ナイメーヘンからアーネムまでの190kmで争われ、マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)が集団スプリントを制しステージ2連勝した。同時に、フィニッシュでのボーナスタイムにより総合首位に浮上。マリアローザに袖を通している。日本勢で唯一参戦している山本元喜(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は185位で終えている。

圧倒的なスプリントでステージ2連勝を飾ったマルセル・キッテル Photo: Yuzuru SUNADA圧倒的なスプリントでステージ2連勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) Photo: Yuzuru SUNADA

地元オランダのチャリンギが山岳賞ジャージを獲得

おなじみ“悪魔おじさん”がスタート地点に降臨 Photo : Yuzuru SUNADAおなじみ“悪魔おじさん”がスタート地点に降臨 Photo : Yuzuru SUNADA

 開幕地オランダでの最終日となった第3ステージ。コースは第2ステージと同様にほぼフラット。前日のフィニッシュ地点であるナイメーヘンをスタートした一行は、東へ針路をとり、約90km進んだのち西へと向きを変える。136.9km地点で4級山岳を通過し、終盤は1周14kmのアーネム市街地周回コースを2周してフィニッシュを迎える。大会主催者が発表する難易度こそ最低の1つ星だが、この国特有の風が展開を左右することが予想された。

 レースはヨハン・ファンジル(南アフリカ、ディメンションデータ)、ジャコモ・ベルラート(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)、マールテン・チャリンギ(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)、フレン・アメスケタ(スペイン、ウィリエール・サウスイースト)がリード。メーン集団とは約5分の差でしばし推移した。

4級山岳を1位通過したマールテン・チャリンギは山岳賞のマリアアッズーラを獲得。わが子とポディウムに上がった Photo : Yuzuru SUNADA4級山岳を1位通過したマールテン・チャリンギは山岳賞のマリアアッズーラを獲得。わが子とポディウムに上がった Photo : Yuzuru SUNADA

 集団内ではランドアバウトや道幅が狭くなる区間で落車が頻発。残り約100kmのところでは、ベテランのジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)がチームメートの落車に巻き込まれ、顔から地面に落下。激しい流血があり、そのままリタイアした。

 また、残り70kmを迎えようかというタイミングでは、横風を利用した集団分断の動きが活発となった。グループがいくつにも分かれ、集団の人数が減っていった。

 そんな中、快調に飛ばす逃げの4人。迎えた4級山岳は、頂上を目前に一気にペースを上げたチャリンギが先頭通過。前日に獲得したポイントと合わせ、この時点で山岳賞争いでトップに立ち、地元ファンを大いに湧かせた。

抜群の加速でライバルを圧倒

 協調して逃げ続ける4人は、メーン集団に2分以上のタイム差を持って残り20km地点を通過。逃げ切りに期待が膨らんだ。残り12.5km地点では、ファンジルがアタックを成功させ独走態勢に突入。

 何とか追いつきたい集団だが、残り11.5km地点で複数名が巻き込まれる落車が発生。この中には、総合2位につけていたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、チーム ロットNL・ユンボ)が含まれた。

 単独でフィニッシュを目指すファンジル。残り8kmでメーン集団との差は1分、残り4kmでは30秒と、逃げ切りの可能性が十分にあるタイム差だ。しかし、スプリント狙いのチーム、総合エースの安全確保のために前方に出ているチームと、主導権争いが激化する集団の勢いには勝てなかった。残り1.7kmでファンジルが吸収されると、エティックス・クイックステップのトレインがいよいよ本領発揮。残り500mからのテクニカルなコーナーはトレック・セガフレードと位置取り争いをしながら、最終局面に向かった。

会心の勝利におどけてみせるマルセル・キッテル  Photo: Yuzuru SUNADA会心の勝利におどけてみせるマルセル・キッテル  Photo: Yuzuru SUNADA

 そしてゴールスプリント。ここで脅威のスピードを見せ付けたのは、やはりキッテルだった。ポイント賞の証である赤のジャージ、マリアロッソパッショーネを着たキッテルがラスト150mで先頭に立つと、ライバルは誰一人として並ぶことができなかった。最後は後続に数メートルの差をつけ、フィニッシュライン手前で高らかにガッツポーズ。ステージ2連勝を決めた。

 このステージを首位と総合タイム差1秒でスタートしていたキッテルは、優勝により10秒のボーナスタイムを獲得。総合トップに浮上し、狙い通りマリアローザに袖を通した。フィニッシュ直後のインタビューでは、「逃げを捕まえるのに苦労をしたが、それはコースプロフィールを見た段階から理解していたこと。さらには、集団内での位置取りや強い風がレースを難しくした。それでも、調子はよかったし、チームメートの素晴らしい働きによって勝つことができた」と喜びを口にした。

 9日は移動日に充てられ、レースは行われない。選手・関係者はオランダからイタリアへと移動する。レース再開となる10日は、カタンザーロからプラーイア・ア・マーレまでの第4ステージが行われる。200kmのコースは、中盤以降2カ所の3級山岳をはじめ、細かなアップダウンが待ち受ける。特にラスト10km地点のフォルティーノは、山岳にカテゴライズされていないものの最大勾配18%と、選手たちを苦しめるポイントとなりそうだ。キッテルがマリアローザを守れるかなど、4賞ジャージの行方にも注目が集まる。

マルセル・キッテルは狙い通りのマリアローザ獲得に、このガッツポーズ Photo : Yuzuru SUNADAマルセル・キッテルは狙い通りのマリアローザ獲得に、このガッツポーズ Photo : Yuzuru SUNADA

「プロトンは常にナーバスだった」

マリアローザを獲得してご機嫌のキッテル Photo: Aki KARASAWAマリアローザを獲得してご機嫌のキッテル Photo: Aki KARASAWA

 「お腹空いちゃって」とプレスカンファレンス会場に洋ナシをかじりながら登場したキッテルには、笑顔が弾けた。「プロトンは常にナーバスだったし、誰もが前に出たがった。それを制することができたのはきょうの最大の成功。ラストはファビオ・サバティーニ、マッテーオ・トレンティンと一緒だった。彼らを信じ、さらに自信を持つことが求められた。スプリントが強いチームにいて、実際に勝利を手にできるメンバーが揃っていることは嬉しい。ピンクジャージでイタリアへ入れることを幸せに思っている」とコメントした。(柄沢亜希)

第3ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 4時間23分45秒
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) +0秒
3 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) +0秒
4 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) +0秒
5 アレクサンドル・ポルセフ(ロシア、チーム カチューシャ) +0秒
6 クリスティアン・スバラーリ(イタリア、ディメンションデータ) +0秒
7 モレノ・ホフラント(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +0秒
8 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) +0秒
9 リック・ツァベル(ドイツ、BMCレーシングチーム) +0秒
10 マテイ・モホリッチ(スロベニア、ランプレ・メリダ) +0秒
185 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +7分39秒

個人総合(マリアローザ)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 9時間13分10秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム ジャイアント・アルペシン) +9秒
3 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +15秒
4 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム ジャイアント・アルペシン) +17秒
5 モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール プロサイクリングチーム) +21秒
6 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +22秒
7 マティアス・ブランドレ(オーストリア、イアム サイクリング) +23秒
8 ロジャー・クルーゲ(ドイツ、BMCレーシングチーム) +25秒
9 チャド・ハガ(アメリカ、チーム ジャイアント・アルペシン) +25秒
10 ゲオルク・プライドラー(オーストリア、チーム ジャイアント・アルペシン) +26秒
189 山本元喜(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +9分18秒

ポイント賞(マリアロッサ)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 106pts
2 マールテン・チャリンギ(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 80pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ) 49pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 マールテン・チャリンギ(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 5pts
2 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 3pts
3 フレン・アメスケタ(スペイン、ウィリエール・サウスイースト) 2pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム ジャイアント・アルペシン) 9時間13分27秒
2 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +5秒
3 ウーカシュ・ヴィシニオウスキ(ポーランド、エティックス・クイックステップ) 12秒

チーム総合
1 チーム ジャイアント・アルペシン 27時間40分21秒
2 チーム ロットNL・ユンボ +15秒
3 エティックス・クイックステップ +20秒

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